衣食住

 学校時代に習った友情と信頼関係の代表である「管鮑の交わり」という言葉がありますが、これは、管仲と鮑叔牙との交わりのことを言いますが、その管仲が管子という書物の中で「倉廩満ちて礼節を知り、衣食足りて栄辱を知る」という政策の基礎となる考え方を述べています。「穀物倉庫がいっぱいになってはじめて礼節を知り、衣食が十分になってはじめて名誉や恥を知る」ということですが、人は、適当な「衣食住」が必要です。しかし、物事は「過ぎたるは及ばざるが如し」ではありませんが、倉廩に穀物をいっぱい貯めすぎるとかえって礼節を忘れることになり、衣食にぜいたくになりすぎるとかえって 名誉なのか恥辱なのかもわからなくあることが多い気がします。「衣食住」をどう考えるか、どのようなことが適当なのかを知る必要があるでしょう。そのために「食育」があります。同様に「衣育」「住育」が必要になります。
 先月のフジテレビの「エチカの鏡」で「住育の家」という番組が放映されたようです。そこで取り上げられていたのは、宇津崎友見さんが、家族が幸せになる「住育」を提唱しているというものだったようです。そこで、家族が幸せになり、親も子供も皆が笑顔になるためにコミュニケーションがとりやすい環境づくりである「住育」のポイントをわかりやすく解説していました。お父さんの存在感、子供が幸せに五感を育むことができる環境、さらには使いやすい水回りのポイントなどを、具体的でわかりやすく紹介していきます。それは、どうも私の子どもの頃の家の造りのようです。子ども部屋など独立してなく、一家団欒の茶の間、人と出会う縁側、人を家に招き入れる応接間など、常に人とかかわるような場所が用意されていました。最近の住宅にはその代わりに一人で閉じこもれる場所が増えた気がします。
 また、「衣育」という観点から「服育」という取り組みも行われるようになりました。制服メーカーや繊維メーカーやミキハウスなどがそのような取り組みを提案しています。株式会社チクマは、服育とは何かということでにこう書いてあります。「学校教育は、“知育”“徳育”“体育”の三育が柱であると言われています。健やかな身体を育む“体育”の一つとして“食育”が取り上げられ、“食”のあり方が重要であると再認識されるようになった事は御承知の通りです。そのような中、私たちは“生きる力”を育むという観点から、“衣服”も子どもたちにとって非常に重要な意味を持っているのではないかと考えました。」
確かに、衣についてもどうあるべきかを考えないといけないかもしれません。このコメントの中にもあるように、国際的にも通じる「服装マナーやセンス」、オンとオフを切り替える「自由と規律」、個と社会の関わりを考える「社会性」、衣服から考える「もったいない」の精神と実践としての衣服の「3R」、衣服を通してできる「安全性の確保」等、子どもたちに伝えなければならない事は数多くあるのではないかという点では共感できます。特に、これからは地球環境に対する考え方から、私たちが日常着ている衣服からどのように環境に貢献していくかを考えることも重要です。
また、村田堂という会社は、「衣服を通じて、人を育て、人を創る」というのが企業活動において最も重視しているところのようで、小学校から高校、一般までいくつかのテーマで「服育活動」をしています。
「食育」だけでなく、人としての環境を考えていくことは様々な分野で必要とされているところです。

衣食住” への5件のコメント

  1. 「大田総理と秘書田中」ではありませんが、自分がもし総理大臣になった暁には、以下のマニュフェストを実現したいと思います!まず、『見守る保育の実践を義務化して、園舎のリフォーム費用を助成する。』「幼児教育の無償化」も結構ですが、経済効率優先で、子どもの育ちをどうするか具体的に見えてこない。今の子どもたちを救うにはこれしかない!(笑)つけ加えて、今日のブログから考えたのですが、『「食育」「衣育」「住育」に取り組む企業に補助金を出して、子どもの育つ環境づくりを支援する』というのはいかがでしょう。家庭や保育園だけでなく、社会全体で子どもの育ちを保障することが大事だと思う次第であります。

  2. 服育のアピールはおもしろいですね。子どもの育ち必要な大切なポイントのアピールの仕方は、自分が保育園側からアピールしていることより分かりやすい部分があるような気もします。子育てを社会全体で考える必要性があるという立場から考えると、いかに多くの人に自分たちの取り組みを伝え理解してもらうかは、大事なポイントだと思います。そうした点でも、今回の住育や衣育は参考になります。

  3. 藤森先生の書かれる内容は毎回興味深く勉強になる内容で毎晩楽しみにしてます。
    いつも思うのですが、藤森先生の投げかけに適切な目当て(着眼点)を捉えられてコメントされる、あいやま先生には脱帽しています。
    藤森先生の着眼からさらに絞られているので、わたくしのような門外漢はさらにわかりやすいです。

  4.  「食育」だけでなく「衣育」「住育」があるとは驚きました。今後、自分の家を持つと考えると、「住育」というのは、とても興味があります。様々な空間をどのように構成していくか、とても知りたいです。保育室にも活用できる事があるかもしれませんね。
     また「衣育」というのも面白そうですね。服装はその人の個性が出ますし、センスも問われます。ブログに村田堂が「衣服を通じて、人を育て、人を創る」と言っていますが、実際にはどのような活動をし、服のどのような事を学ぶのか気になります。

  5. 「倉廩満ちて」とはどれほど食糧貯蔵庫がいっぱいになることを言うのか、あるいは「衣食足りて」とはやはりどの程度か、と考えてしまいます。というのは、かつて「第三世界」と言われていた国々数カ国を人権や環境あるいは貧困問題に関わることを通して訪れたことがありますが、あまり「足りて」いるとは思えない状況にありながらも私が関わる人々は「礼節を知り」そして「栄辱を知」っていたように思われます。先進国と言われる国に住みながら「過ぎたるは及ばざるが如し」を時折経験します。「礼節」も「栄辱」も衣食住が「過ぎ」てしまうと存在しなくなりますね。今更ながら「過ぎたるは及ばざるが如し」を実感します。それから「〇〇育」は詰まるところ「社会貢献」に繋がるものでなければその目的を果たさないのではないかと考えたところです。

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