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2009年08月17日 旅先にて

竜王

 人間力とはという話をした安藤忠雄さんは、今世界中から注目されている建築家です。彼の活動は建築でけでなく、町を創造し、木を植え、発想の転換を自ら実践して見せてくれます。それに駆り立てる原動力は「冒険」であるといいます。それは、彼の経歴が非常に特殊であるということが大いに関係していると思います。今月号のCasaの特集の中で安藤氏は「私の場合は、正規の建築教育を受けずに“この道で生きていこう”と自分で勝手に決めて奔り出した。スタート時点が、すでにレールを外れていましたから……。自ら探して、つくらないと仕事がない。平和な生き方を選び得ない状況があったんです。それを40年間続けてきましたから、さすがにもう疲れてきて“闘いたくない”気持ちもありますが。どっちにしても人生1回です。ならば、最後まで夢を追いかけて、人生を全うしたい。」と言っています。
 なんとなく、私の人生と重なるところがあります。ただ、彼ば天才なので、仕事や取り組みはとてもダイナミックです。その分、冒険は多かったのかもしれません。しかし、それが作品に影響を与え、海外の有名なデザイナーたちがこぞって彼とのコラボレーションをしたがるのは、彼の建築の持つ独特の“強さ”であるといわれています。
 その彼の作品を日本でもいろいろなところで見ることができます。このブログでも紹介したものでは、長野県「小海町高原美術館」とか愛媛県「坂の上の雲ミュージアム」ando.sakanoue.JPGなどがありますが、今回、珍しい建物の設計である「竜王駅」に妻と行ってみました。
この駅は、山梨県甲斐市竜王新町にあり、中央本線の駅で、甲府より松本よりにひと駅行ったところにあります。この竜王駅は、2004年甲斐市が「竜王駅都市拠点整備事業」で、安藤氏に設計を依頼し、2006年に着工、昨年3月に完成したものです。安藤氏の設計というとコンクリート打ち放しのボリュームがあるものが多いのですが、この駅舎は鉄骨2階建ての「鉄とガラス」で作られ、鋭角的なボリュームが結びあわされた形をしています。それは、山梨特産の水晶の原石や鎹がモチーフだそうです。
ryuoeki2kai.jpg
また、南北の駅前広場を結ぶ長さ約120メートルの自由通路はガラス張りの外観です。ryuoekihasi.jpg
また、ガラスを通して富士山や南アルプス、八ヶ岳などを眺望できるのが特徴です。
ryuoekiyama.jpg
安藤氏の数々の建築の中で一度訪れてみたいと思っていたのが、香川県の瀬戸内海に浮かぶ直島にある、建物がすべて地下に埋まった「地中美術館」です。今度そこを訪れる計画があるので、とても楽しみにしています。
安藤忠雄さんは、建築というのは、クライアントと建設会社、建築家とが一緒になって挑戦する“冒険”であるべきだと言います。ともに同じ目標に向かって奔ろうと。大事なのは、つくる形の前に動機の部分なんだといっています。そして、最後にこう締めくくっています。「今、建築も投資の対象で、土地を買って、建物を建てて、償却して、あるいは販売して儲けていくというようなことになっています。でも、私は、建築というのは意義のある仕事なんだということを信じているわけです。この夢を感じられなくなった時が、終わりだなと思いながら、この仕事を続けているんです」
 私は、最近保育が投資の対象になり始めているような気がします。しかし、保育はとても意義のある仕事です。その夢をいつまでも感じていたいと思っています。

投稿者 fujimori : 2009年08月17日 22:52

コメント

先生のおっしゃる通り!!保育の仕事がどれだけ大切な事か、世の方々は知らなすぎです。駅前で、選挙の演説に耳を貸すと、待機児童をなくす…民間委託反対…こんな声を聞くと、「はぁ~」とため息でます。確かに、待機児童の問題は大きいです。解決しなくてはいけないことです。
保育園を増やせばいい!と単純に考えてほしくないです。それこそ、投資の対象になってしまいます。

私の祖母は98歳です。101歳まで生きる!と申してます。モノの見方、感じ方が大好きです。人間力を感じます。

※久しぶりに投稿でなんだかドキドキ(笑)

投稿者 気合い、根性、のり! : 2009年08月18日 00:30

「見守る保育」を広めていくことは、建築に似ているような気がしてなりません。最後の安藤氏の言葉を「クライアント(保育園)と建築会社(保育業者)、建築家(藤森先生のような保育のデザイナー)とが一緒になって挑戦する“冒険”であるべきだ」と読み替えることはできませんか。たかが業者といわれそうですが、そんな業者が一人くらいいてもいいと思う。当地では、「基礎工事」は完了したと思います。これからそれぞれの園の保育の躯体工事に移る段階かなと思っています。直島でお会いできればいいのですが…。

投稿者 yamaya49 : 2009年08月18日 16:47

冒険という言葉は今まであまり意識していなかった言葉です。どちらかというと避けてきたことかもしれませんが、その考えも必要なのかもしれません。いつ終わるか分からない一度だけでの人生をどう生きるか。そんなことを考えるのも保育の一面かもしれませんね。
それにしても建築というものは奥が深いです。建築家が勝手に作ってしまうものとクライアントと建築家がしっかり議論して作っていくものではずいぶん違いますし、更に地域の特色や文化などを取り入れたものなんかが周りに与える影響は、単なる建物とは思えない力を感じたりもします。安藤さんの設計したものをじっくり見てみたいです。

投稿者 あいやま : 2009年08月19日 06:54

 一度しかない人生を最後まで全うしたいという気持ちは私もあります。そんな安藤さんの作品というのは、確かにどの建物も素人の私が見ても、斬新でカッコイイと感じます。やはり、原動力の「冒険」がかなり作品に影響しているのでしょうか。
 年齢を重ねても「冒険」という言葉は大切にすることが必要なんですね。それが保育につながり、中身を厚くしていくのだと感じました。

投稿者 Sasuke : 2009年08月20日 23:11

駅舎が安藤忠雄氏の設計!これは何とも素晴らしい。昨年シャルルドゴール空港の建物内をみることができました。有名な建築家のものでしたがその設計コンセプトが何と「風水」!東洋の真髄の一つをモチーフとしてパリの飛行場が建設される。どうやら建物というものはその機能のみならず利用する人にまさに意味的「空間的環境」として存在する、誤解を避けずに申し上げるならば、哲学がそこに遍在する、と言えるのではないか、と感じました。今、「竜王駅」の写真を拝見すると、そこに安藤忠雄氏の哲学を感じ取ることができます。そして同時にその駅を利用する人々に何かを語りかけている。おそらくその語りかけは利用者それぞれの深奥に響くものでしょう。竜王駅を利用する人々は羨ましい。ところで「竜王駅」にも「竜」の文字があります。当ブログタイトルにも「竜」の文字。これもまた東洋思想の真髄です。

投稿者 toshi0627 : 2009年08月25日 22:51

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