今日は、広島の「原爆の日」です。今年で原爆投下から64年になります。
ブログでも書きましたが、先日広島に行って、久しぶりに原爆ドームを見てきたこともあって、原爆が投下された午前8時15分には講演先のホテルにいたのですが、テレビで放映されていた「原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式」に合わせて、起立して1分間の黙とうを捧げ、約5万人の犠牲者を悼み、また世界の平和を祈りました。先日の第1次世界大戦開戦記念日のときのブログではありませんが、戦争は、いつの世でも、どんな大義名分があろうとも人類だけでなく、すべての生き物にとって悲惨なものです。それは誰でもわかっていることですが、なかなか戦争はなくなりませんね。命の価値にはその数には関係がありませんし、誰の命とかにも関係ありませんが、それでも多くの一般的な人々を一度に殺傷してしまい、しかもその後遺症に何代にもわたって襲われる原子爆弾の使用は、二度と繰り返さない決意と合意が特に必要です。
こんな気持ちになるのも、ただ毎年繰り返される式典をニュースで見てもその決意は少しずつ薄らいでいきますが、実際に広島に行って原爆ドームを見てみるとか、原爆資料館を訪れるとまた平和を願う気持ちが新たになります。ですから、いま、オバマに広島に来てもらおうとしているのです。
もうひとつ、私が直接のその悲惨さを知った一つのきっかけになったのが漫画「はだしのゲン」があります。私はその漫画を読みましたし、そのシリーズの実写映画の3本ともビデオに録画して持っています。この「はだしのゲン」は、広島での被爆体験を基に漫画家、中沢啓治さんが描いたベストセラー漫画ですが、今日のニュースによると、「はだしのゲン」全10巻の英訳版が完成し、ほかにも十数カ国語に翻訳され、世界各国で幅広く読まれ始めているそうです。
この漫画をアメリカで読んだ人は、「学校では被爆の苦しみを教わらなかった」「ゲンは核兵器の恐ろしさを伝える生き証人だ」などの感想を持ち、初めて知る被爆者の苦難に衝撃を受けた様子です。その結果、「われわれ米国人は、恐るべき核の破壊力を教えられていない。ヒロシマ、ナガサキの惨劇がまた繰り返されるかも、と思うと恐ろしい」という感想を述べた人もいるそうです。また、最近は「はだしのゲン」を教材に取り入れる高校や大学が出てきているようです。教材で取り上げた教師の一人は、「ゲンは被爆体験を世代や文化を超えて伝える力を持っている。学生はゲンに触発され、さまざまな社会や政治の問題を深く考えるようになった」と言っていますし、また、この教材で勉強した人には、「原爆の熱線で溶けた人の顔を漫画で初めて見て、あまりのショックで口を閉じるのも忘れてしまった。敗戦国の人たちが負った心の傷を、これまで考えもしなかった」と語っているそうです。そんな反響の中で、作者の中沢さんは「まずは米国でしっかり読まれてほしい。オバマ大統領にも娘さんたちと一緒にぜひ読んでもらいたい」と話しています。
まだまだアメリカでは原子爆弾の使用を正当化する風潮がありますが、戦争の悲惨さをドキュメントで伝えることも事実をきちんと伝えるという意味では重要なことですが、物語映画などの映像で伝えることも大切です。また、この「はだしのゲン」のような漫画にも世界に伝える力があるのかもしれません。
戦争の悲惨さを伝える手段は様々です。どれが正しい方法とかではなく、それぞれが訴えるものをもっています。アニメでもいいし歌でもいいと思います。戦争体験のない世代には、リアルなものより形を変えたものの方が、メッセージは伝わりやすいこともあるかもしれません。ね。途切れることなく次の世代にどのように伝えていくかを考えることも、私たちの大事な役目だと思っています。
昨日の広島での平和記念式典の後の記者会見で、わが麻生首相は、「核を持って攻撃しようという国が我々の隣にある。それに対して核で抑止する力を持っているアメリカと日本は同盟を結んでいるという現実を踏まえる必要がある。・・・核が世界で一斉に同時になくなるというのは考えにくい」と語ったらしい。首相たるものが、冷戦時代の遺物である「核抑止論」を未だに信じているというのは悲しい。たとえば、北朝鮮が日本に核攻撃したとして、はたしてアメリカが中国の隣国である北朝鮮に核攻撃をできるか、自明の理だと思う。原爆犠牲者の霊を慰める式典での発言としてはお粗末ですね。もう一度、プラハでのオバマ大統領の演説をじっくり読むことだと思う。
教育とは本当に重要です。しかし、その運用如何では、「大義名分」というエゴを子どもたちに教え込み恐ろしい状況を実現させます。戦争には勝者も敗者もない。あるのは悲惨さのみ。二度の原爆投下を受け無条件降伏によって敗者となったわが国も「富国強兵」「大東亜共栄圏」というスローガンを「教育」の名の元、「赤子」に教え込みました。そして結果は内外合わせて何百万にも犠牲者を生み出すこととなりました。被爆者は今なお数千人単位で毎年お亡くなりになっています。「われわれ米国人は、恐るべき核の破壊力を教えられていない。」これこそまさに米国における教育の現状です。パールハーバーやバタアン半島のことは教え込まれているでしょう。しかし、ヒロシマやナガサキ、そしてトーキョーでの何十万にもの無辜の民の犠牲は恐らく同国のテキストブックにはないでしょう。これこそが恐ろしい教育の現実です。
小学校の頃に「はだしのゲン」を授業で見ました(アニメです)。祖母から戦争の実体験の話しを聞いていましたが、それ以上にショックを受けました。「はだしのゲン」を見てから戦争というものは絶対にしてはいけないし、原子爆弾というものも世界から無くすべきだと強く思いました。自分の国を守る事はとても大事なことだと思いますが、だからと言って核を持つのは本当にどうかと思います。さらには、核実験なんて、どうして行う意味があるのかも分かりません。「はだしのゲン」を通じて世界中に核の恐ろしさを伝える事ができれば、いいと思います。