雷魚

 露店でナマズを飼ってきましたが、その店では他には「ウナギ」と「カメ」と「カブトムシ」も売っていました。私が子どものころには、縁日やお祭りの時の露店で売っている生き物は、代表がもちろん金魚釣りですが、そのほかには、釣りとして小さな針のついた釣竿を渡していたのが土用丑の日の主役である「ウナギ釣り」と「ライギョ釣り」でした。
子どものころに見たライギョの姿は強烈でした。体は前後に細長い円筒形をしていますが、口は大きく、下顎が上顎よりも前に突き出ており、鋭い歯が並んでいました。胴の横には蛇のような模様があり、私は子ども心になんだかいかにもその名の通り雷の模様に見えたものです。また、注意事項として、口の中へ手を入れると噛みつかれて出血することがあるので、捕まえるときには気をつけるように言われたことも、この魚の獰猛さを感じた理由でしょう。
自然界では、朝や夕方の薄暗い時間帯、または水が濁っている時に活発に活動します。おもにほかの魚を食べる肉食性ですが、他にも甲殻類、昆虫類、カエルなど水生動物のほかときには水鳥の雛やネズミなどの小動物など幅広く捕まえて食べるようです。水底にじっと潜み、水中や水面を通りかかる獲物に飛びかかっている姿がよく図鑑に載っていました。
また、雷魚という名前からも怖さを感じました。この名前の由来はいろいろあるようです。悪天候時に行動することから「雷を呼ぶ」と見られたからとも、獰猛な捕食行動が「雷が鳴るまでくわえた獲物を離さない」と見られたからとも、「模様が雷の柄」のように見えるからなどがあります。
小さい頃の獰猛で、なんだか怖いと思っていたライギョですが、よく知ってくると、それだけでないことを知りました。産卵の際に水草などを集めて巣を作るものもあるそうですし、卵や稚魚を口内で保護するものなどもいるようです。ライギョといっても、日本では「カムルチー」「タイワンドジョウ」「コウタイ」の3種が分布しています。これらはもともと東アジアに分布し、日本には人為的に導入された外来種で、導入当時には「チョウセンナマズ」とも呼ばれていました。その中で最も大きくなるのが「カムルチー」で、最大90cmくらいまで大きくなります。中国から朝鮮半島に持ち込まれ、日本に持ち込まれたのは割と最近のことで大正の終わりころです。「タイワンドジョウ」は小型で、明治時代に台湾から持ち込まれました。「コウタイ」も全長30cm程度の小型種です。
それにしても、なぜ、縁日などでライギョ釣りがあったのでしょうか。ウナギのように蒲焼で食べることもありましたし、観賞魚として飼われることもありましたが、それにしても不思議です。ただ、私はその恐ろしげな姿故にライギョ釣りはしませんでしたが、今はナマズ同様に飼ってみたいと思います。それは、ナマズ同様、急激に日本から姿を消してしまっているからです。私は、都会育ちですから、魚に懐かしさを感じるのは縁日の思い出と共にあるのかもしれません。
ほかに、飼ってみたいものに「タナゴ」があります。この魚も私の小さかったころの思い出とダブります。懐かしい種は、絶滅危惧種でもあります。大切にしたいものです。

雷魚” への5件のコメント

  1. 雷魚の怒りでしょうか、今日一日、雷は鳴るは、土砂降りの雨は降るは、ひどい天気でした。関東地方は梅雨明けしたようですが、こちらはいつのことになるのか…。梅雨明け宣言もしないうちに夏を迎えるのかもしれませんね。調べてみると、雷魚の一種タイワンドジョウは、今国内では沖縄、兵庫、和歌山と四国の当地でしか生息していないそうです。そう言えば、昔、ため池でよく見かけました。外来種のようですが、最近日本でもずいぶん数を減らしているようです。ブラックバス全盛と聞きますが、魚の世界もなかなか生存競争が激しいようですね。

  2. 子どもたちに心を伝えるのも保育の大切な点だと思いますが、思いやりなどの心だけでなく、日本に古くからいた生き物を大切にする心など、いろんな心を伝えることも大切ですね。大切にしようと思う気持ちは、過去の楽しい体験が基礎となっているのを実感しています。知らない生き物より、知っていて懐かしく思い出される生き物の方が、大切にするために具体的に行動できます。どんなことでも当てはまるんでしょうが、軸がしっかりしていると活動が多様になっていくんですね。イメージとしては、求心力と遠心力の関係のような感じでしょうか。

  3.  「雷魚」は名前や獰猛なことは兄から聞いていました。しかし実際には見た事がありません。と言うわけで今回のブログを読んで、ネットで調べて初めて見ました。確かに蛇の模様がしていて、顔はウツボみたいで、恐ろしいですね。
    そんな獰猛な魚の雷魚や、私の地元の用水では黒メダカやフナが突然、姿を消しました。魚に限らず今まで当たり前に存在していた生き物も時代が進むにつれて、どんどん少なくなっていき、最終的には絶滅危惧種と扱われていきます。例えば今はたくさんいる金魚でも「一匹くらい…」という軽い気持ちが結果絶滅に繋がっていくような気がします。一匹でも大切に育てようとする優しい気持ちを子ども達に伝えていくことができたらいいと思いました。

  4. 日本は広い国です。私は北国生れの北国育ちですから今回のブログ「ライギョ」の実体験は残念ながらありません。「ライギョ」という名前すらピンと来ませんのでましてや「ライギョ釣り」は???とトリプルクエスチョンマークです。流石東京には昔からいろいろなものがあったのですね。「口は大きく、下顎が上顎よりも前に突き出ており、鋭い歯が並んでいました。胴の横には蛇のような模様があり」とあると熱帯魚「アロワナ」を思い出しますが親戚?さて「タナゴ」は子どものころ浜の岸壁に行って釣っていました。本当は「タナゴ」ではなく「鯖」や「トラフグ」を釣るのが面白いのですが釣れるのは「タナゴ」。水が澄んでいて釣り餌に群がるタナゴが見えました。今でも釣れるのだろうか、と故郷の海に思いを馳せます。

  5. こちら九州では
    カムルチーの姿があちこちで見られます。
    が、確実に個体数は減りつつあります。
    自然を破壊する護岸工事が原因だと思います。
    雷魚は水底の泥にもぐって冬眠しますが
    コンクリートで固めてしまうと
    死滅していくしかないのです。

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