28日という日

 昨日の28日は、オートスリアがセルビアに宣戦布告し、第一次世界大戦が始まった日です。1914(大正3)年のことでした。この戦争は、長期にわたり、世界中を巻き込んだのですが、幸いにも日本は戦場とならず、直接の被害にはあいませんでしたので、あまり話題になりません。最後は、ドイツが18年11月に降伏し、翌年ヴェルサイユ条約によって講和成立して終わりました。
この戦争で日本が関わったエピソードとして伝えられていることを、以前徳島県板東を訪れたときにブログに取り上げたことがありました。青島で捕獲して徳島県板東など12か所の収容所に送られたドイツ軍捕虜約4,700名を、特に板東捕虜収容所で丁寧に扱い、地元住民との交流から、ドイツ料理やビールをはじめ、数多くのドイツ文化が日本にもたらされたという話です。ベートーベンの「交響曲第9番」も、このときにドイツ人捕虜によって演奏され、はじめて日本に伝えられたのです。この顛末が「バルトの楽園」という映画になっています。
そのほかにも、海外ではこの戦争を題材にして多くの小説や映画がつくられています。有名なものに「西部戦線異状なし」があります。この映画の原作は、第一次世界大戦の敗戦国ドイツ出身のエーリッヒ・マリア・レマルクが1929年に発表し、世界的な大ベストセラーになった反戦的な小説ですが、映画はアメリカ映画です。しかし、原作同様、戦争の過酷さをドイツ側から描いています。印象に残っている場面は、最後の場面です。長雨の後の晴れた日、静かな戦場からハーモニカの音が聞こえてきます。そこへ一羽の蝶が飛んできたので、塹壕の中にいる常々戦争の悲惨さを訴えているドイツの志願兵であるポール(原作ではパウル)がそっと手を出します。その瞬間、銃声一発しました。それは、敵の弾丸がポールの若い命を吹き消した瞬間でした。しかし、司令部報告では、「西部戦線異状なし、報告すべき件なし」というものでした。
また、映画化もされましたが、アーネスト・ヘミングウェイの長編小説「武器よさらば」があります。この小説は、ヘミングウェイ自身の、イタリア北部戦線の従軍記者時の体験をもとにして書かれており、第一次世界大戦のイタリアを舞台に、アメリカ人のイタリア兵フレデリックとイギリス人看護婦キャサリンとの恋が描かれています。やはり最後が印象的で、キャサリンの妊娠が分かり、二人はスイスへと逃亡しますが、難産の末、子と共にキャサリンは死んでしまい、最後は雨の中をフレデリックは一人立ち去ってゆくところで終わります。
ほかに、私が好きな映画「アラビアのロレンス」も第1次世界大戦の中、オスマントルコからのアラブ独立闘争を描いた歴史映画です。1962年のイギリス映画で、第一次大戦下、イギリス人でありながら、アラブ独立の為にアラブ人を指揮して戦ったT・E・ロレンスの半生を描いた大作史劇映画です。アカデミー賞の10部門にてノミネートされ、7部門で受賞しています。延々と続く広大な白い砂漠と地平線を背景に手を上にあげて兵士を鼓舞するかのようにロレンスが跨ったラクダが駆ける場面が印象に残っています。
20090103_460547.jpg
「ジョニーは戦場へ行った」もいろいろと賞をとっています。第一次世界大戦に出兵したジョニーは、戦場で爆撃を受けて負傷し、病院に搬送されます。無事だったのは延髄と性器のみで、目も耳も口も鼻も失い、手足は切断されてしまい、ジョニーは過去を回想しつつ、現実に絶望し、自らの死を望むのですが。
戦争は、どんな場合でも悲惨です。

28日という日” への4件のコメント

  1. NHKのニュースで見たんですが、7月25日、第一次世界大戦の最後の生存者だったイギリスの退役軍人、ハリーパッチさんが111歳で亡くなったそうです。1898年生まれのパッチさんは18歳で徴兵され、1917年に西部戦線の激戦地で重傷を負いました。彼は戦争を「組織化された殺人」と呼んで、戦争の悲惨さを語り伝えてきました。イギリスでは今月18日、同じ第一次世界大戦の退役軍人で最高齢だった男性が113歳で亡くなって、パッチさんが最後の生存者だったとか。人類が史上初めて体験した「組織化された殺人」、彼らの願いもむなしく、あれからどれだけの人間の血が戦場で流されてきたのでしょう。人類の英知がいつかは戦争のない平和な世界を築きあげることを信じたいと思います。

  2. 核を持つことが抑止力になるとか沖縄にF22を配備することが日本にとって有益だといった意見を聞くと、言っている意味はわかるのですが、すごく違和感を感じてしまいます。それが戦争をなくすための具体的な方法だと言われると、すごく抵抗があります。国や人種や宗教などの様々な違いをもっと認め合う必要があると思っています。

  3.  私が見た戦争の映画で印象に残っているのは「プライベート・ライアン」「シンレッド・ライン」、日本が絡んでいる映画では「パールハーバー」「男たちの大和」でしょうか。どの映画も悲しい内容で、戦争の悲惨さ、というのが本当に分かります。実際に現在も世界のどこかで、人間同士で争い、多くの犠牲者が出ています。そんな悲しい事を続けて、何が生まれるのか?と感じます。綺麗ごとかもしれませんが、もっと平和的な解決方法というのを、世界中で検討していく必要があると思いました。

  4. 「アラビアのロレンス」は私もよく観ました。この映画に関心を寄せるようになったのは、同映画音楽からです。父所有のカセットテープ「映画音楽全集」の中にありました。中東の音楽を髣髴とさせる短調のメロディーが子ども心に響きました。洋の東西で始まった「世界戦争」。東洋での主役は「大日本帝国」でした。日清日露の戦争に勝利し第一次世界大戦では英国側につきドイツと敵対します。この大戦の最中ロシア革命が起こり「ソ連」が成立します。そして同大戦は「インフルエンザ」のおかげで終焉します。そしてこの大戦終結後20年もしないうちにまたまた悲惨な世界戦争が始まります。私は戦争に反対します。子どもを持ち、子どもたちと共に日々を過ごしているとなおさらその思いを強くします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です