トロバス

 ドイツのミュンヘンでは、市内を走る乗り物の主なものは、Uバーンと呼ばれる地下鉄と、路面電車です。Uバーンは6路線で、駅数は96駅あり、日本と同じようにどの路線に乗ればいいのかよく迷うところです。
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路面電車は、一時期、地下鉄への転換がはかられた時期もありましたが、現在では、両方が公共交通の核となっており、23系統が開業されています。
 ミュンヘンから1日シュタイナー幼稚園を見にオーストリアのザルツブルグに行きましたが、そこでの主な乗り物はトロリーバスでした。前を走るトロリーバスを見たときになんだかとても懐かしく感じました。
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それというのも、このトロリーバスは私が子どもの頃に日本ではトロバスブームだったのです。世界では、1882年4月29日に、ドイツのジーメンスがベルリンで試験運行を行ったのが初めとされていますが、日本で最初にトロリーバスが開業したのは、昭和3年(1928年)新花屋敷トロリーバスでした。その後、各地で開業しますが、戦後、東京都でも公営開業し、ブームが到来します。その理由としては、戦後、石油燃料事情が悪く、また、路面電車より建設費が安いからというものでした。
 しかし、昭和40年代になると、自動車の増加による道路の渋滞問題や地下鉄の建設計画などが持ち上がり、昭和47年に横浜市のトロリーバスの廃業を最後にその姿を見ることは出来なくなったのです。現在、日本で唯一運行されているのが、長野県と富山県を結ぶ立山黒部アルペンルートの中の関電トンネルと立山トンネルです。
 そんな事情ですから日本では若い人はトロリーバス(トロバス)という言葉でさえ知らない人が多いかもしれません。このトロリーバスは普通のバスとは違って、ガソリンではなく電気を動力として走ります。いわば、線路のない路面電車のようなものです。ですから、このトロリーバス、実は鉄道の一種として区分されています。「電力で走る」という事は、排出ガスによる公害が全くなく、自然に配慮したエネルギー源を利用していることなのです。しかし、電力を使っている乗り物は、定期的に充電が必要となります。しかし、このトロバスは、架線があればいつでも走れますし、普通の車のようにタイヤで走れるので、線路を引く必要もありませんから、建設費用やメンテナンス費用が削減され、ある程度の障害物も避けることができます。
反面、路面電車のように架線が必要なため沿線の美観を損ねます。ザルツブルグでも、ミュンヘンでも電線はすべて地中化されていますが、このトロバスや路面電車の架線が道の上にはられています。ミュンヘンでは、廃止された路線でもこの架線だけは残っているので、その真ん中に電灯をつけています。そのほかの欠点としては、トロリーポールが届かない場所や架線のない道路へは行くことが出来ず、一般のバスのような自由度はありませんし、3両以上連結しての走行はできないため輸送量にも限界があります。ですから、日本では性能の良いディーゼルエンジンを持った大型バスに変わっていったのです。
しかし、海外では排気ガスや騒音対策に有効とされ、多くの町でトロリーバスが運行されています。そして、欠点を改良し、より発展しています。「架線がないとだめ」という点では、ディーゼル発電機を用いたハイブリッド形や蓄電池併用型の車両を採用することにより、かなりの距離を架線なしで運行できるようになっていますし、無電区間の走行や停電対策のため、エンジンは発電用ではなく、変速機を介し、駆動用としての補助エンジンを持つものもあるそうです。すぐに別のものに変えてしまった日本に比べて、残しておいた海外では、環境の為によかったのかもしれません。

トロバス” への4件のコメント

  1. 立山のトロリーバスは二度乗ったことがあります。大町市の扇沢から黒部ダムまでの途中に、黒部の太陽で有名になった「破砕帯」を通ります。ここを貫通するのに大変苦労したところです。ケーブルカーとロープウェイを乗り継いで大観峰へ。そこから室堂まで再びトロリーバスに乗ることができます。乗り物好きにはたまらないルートですね。もちろん私は立山登山のための交通手段ですが。そう言えば、立山と並んで聳える剣岳登頂の歴史を描いた映画「剱岳点の記」が今月20日封切りです。久しぶりの本格的な日本映画の登場です。今からワクワクしています。

  2. トロリーバスを残した国と変えた国。どちらも決断のときがあったと思います。そのときにどんな決断をするか、自分ならどんな決断をするか、いろいろ考えてしまいます。小さいですが、決断は毎日あります。そのときの決断を支える自分の軸を強くすること。間違っていたことに気づいたらそれを認める強さを持つこと。もっともっと学んで経験したいと、ブログを読みながら思いました。

  3.  トロリーバスは名前くらいは聞いたことがあります。おそらく漫画で読んだのでしょうか。ですが、実際に動いているのはもちろん見た事が無いので、ブログの写真を見て感動しました。確かに電気で走るのは環境にはとても良いですね。しかし、なぜオーストリアではこのトロリーバスを今でも残してきたというか、ディーセルエンジンのバスに変化しなかったのか気になります。やはり環境を考えたからでしょうか?便利だからと言って何でもかんでも変える事は結局、環境の為に良くなく、逆効果の方が多いかもしれません。確かに良いものや、悪いものは、変えるべきかもしれませんが、ただ変えたあとはどうなるか?という先を見通す事も重要だと思いました。

  4. かつて訪れたミュンヘンでは地下鉄を利用しました。回数券の切符はいまだに「記念品」として私のコレクションの中にあります。しかしその時は路面電車は利用しませんでしたね。今から考えると誠に残念な気がします。なぜなら日本の地方都市に行ってそこに「路面電車」があれば必ず乗車することにしているからです。次回ミュンヘン訪問がかなったら是非乗ってみようと思います。「トロバス」は残念ながら懐かしさの対象にならない乗り物です。なぜなら一度もトローリーバスを利用したことがないからです。その名前は聞いたか目にしたことがあるかもしれませんがさほど記憶に残っていない。公共交通機関乗車乗船を趣味の一つとしている私にとっては必ずや試乗することになる乗り物ですね。「黒部」「立山」のトロバスに乗ってみたいです。

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