園庭

 今月の園だよりの巻頭言で、私は「子どもの遊び」について書きました。そこでは、「子どもたちの活動は、遊びであり、物事を学ぶのに最適な方法であることが、脳科学からもわかってきています。聞く、触る、味わう、臭いをかぐという動作をする度に、脳と神経細胞の連結部分シナプスの効果を増す信号が25回、脳に送られます。さまざまな最良の遊びが、より良い効果を促します。そして、活動が繰り返されるごとに、連結箇所が強化されます。これは、子どもたちが新しいものを発見し、興味を抱いたときに、神経への刺激が繰り返されるのです」ということを書きました。
 環境庁から出された環境白書の中でも、「遊びは、運動能力の向上はもとより、自然の科学的理解の基礎を与え、また、協調性や創造性、判断力その他の人格形成や社会生活の訓練等、極めて重要な役割を有する行為であると考えられる。特にこれまでの遊びは、年長、年少を含む遊び集団に各人が属し、その集団が自然の中で活動的に動き回っていたこと等が特徴とされる」と書かれており、しかしその遊びが、近年の環境の変化、とりわけ遊び場としての自然の喪失等に伴って、質的にも、量的にも変化してきたと指摘しています。たとえば、季節を感じる時に連想するものは何かというアンケートでは、植物に関連した回答のうち、挙げられた具体的な花等の名称を見ると、成人世代の方が子ども世代(小学5年生及び中学2年生)よりも非常に多くの花を回答している結果が出ていますが、それは、生活体験の長さ、行動範囲の広さ、自然に対する知識量などを反映しているものであろうと指摘しています。このことは、季節感の豊かさ、例えば、様々な花に季節の訪れを感じるためには、その前提として身近なところで多様な生態系が保全され、また、大人から子どもへと環境や生活の中で季節の変化を感じる経験が伝承されていくことの大切さをうかがわせるとしています。
また、白書では、「児童期における自然とふれあう遊びは、自然への親しみ感や愛情を醸成させ、人間と自然とのかかわりを知覚させるものと考えられる。さらに、自然とのふれあいが遊びという行為を通じてなされることの意味も大きい」としています。
今回、ドイツ研修で参加者の目を引いたものの一つに「自然体験」でした。「モグラの家」や「羊との触れ合い」は、課外での体験ですが、園内における園庭の作り方、子どもたちの園庭での過ごし方を見ると、自然への取り組みがわかります。勿論、園庭は人工的であり、よく整備されている環境ですが、そこでは、子どもたちが自然と触れ合えるような工夫がしてあります。たとえば、地面にしてもすべて芝とか、平らに整備されている場所ではなく、砂場のほか、石ころが敷き詰めてある場所があったり、敷石が敷き詰めてある場所もあります。まさに、街の中を歩く時に子どもたちが経験するであろう地面を体験させているのです。
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また、みんなで群れあって遊ぶだけでなく、一人でじっと空想にふけることのできる空間も用意されています。
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室内での癒し空間にも似ているものです。そして、自然とのふれあい遊びを子どもたちが体験するために、緑だけでなく、大きな石が積まれていたり、自転車などの乗り物を使う日は1週間に1日と決めてある園もありました。
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そして、遊びの特徴は、自発的な行為・活動であるために、先生は特に積極的に子どもとは関わっていませんでした。
園庭の整備の仕方にも、ドイツから学ぶことがありました。

園庭” への5件のコメント

  1. 何で季節を感じるかが子ども時代に体験してきたことが基本になっていることは、自分のことを考えてもよくわかります。周りに自然が豊かにあったというより、季節ごとに山や海に連れて行かれ体験させてもらったことが基礎になっていると思っています。そう考えると、保育者がどんな意図をもって体験の場や環境を用意するかが、自然との共生に向けての一歩に大きな影響を与えるんでしょうね。今回のドイツ報告から感じたことを、室内外で形にできるまで考えてみます。

  2. 確か、昨年のドイツレポートでは園庭に積み上げた大きな岩の上で子どもたちが遊んでいる様子が紹介されていましたが、今回の園庭もすごいですね。子どもの安全第一の日本の園庭と違って、砂場もあればわざわざ石ころや敷き石まで敷き詰めるなんて、う~ん、なんてことを(笑)!それだけでなく、「一人で瞑想にふける場所」まで用意されているなんて、まるで室内の「デン」のコーナーのようです。そう言えば、以前藤森先生が八王子のせいがの森の園庭は、外遊びのコーナーを意図しているとお話していました。園庭を運動会や大人の行事の時の臨時駐車場に使うのではなく、そろそろ子どもの育ちを保障するための園庭を考えないといけませんね。

  3.  園庭一つにしてもドイツからはたくさん学ぶ事がありますね。園庭と聞くと地面は平坦で、ブランコや滑り台、ジャングルジムなど基本的な遊具があるイメージですので、ドイツのような芝生の場所もあれば、砂利やトンネル、そして一人で静かにいることが出来る場所これは日本にあるでしょうか?そして乗り物は一週間に一度だけのルールなど、初めて聞く事ばかりです。ただ広い園庭が良いのでなく、一人ひとりの子どもが自分の居場所を保障でき、色々な体験ができる環境に園庭が整備されているのですね。

  4. 子ども自ら働きかけられる環境がどれほど、そしてどのようにあるか、ということを子どもが集う施設の大人は考えなければならないでしょう。紹介されるミュンヘンの園の「園庭」は前回もそうでしたがとても刺激的です。遊びを通して様々な力が発揮できると同時に「危険回避能力」も培える。そして何もしないでポツンと1人で座っていられる場所も保障されています。日本のおおかたの園では子どもがひとりで「空想にふけ」っていようものなら保育士がすぐに寄って行って「どうしたの?」とか「〇〇ちゃんたち向こうで遊んでいるよ、一緒に行こうよ」とありがたくも迷惑な介入をします。園長は園長で「安全第一」です。危険と判断されるものは石ころのひとつでも取り除きます。木を植えれば虫や蚊のクレームを保護者の何人かは言ってきます。しかし保育目標には「意欲的な子」とあります。目標と現実の環境が乖離している場合が多いですね。

  5. 子ども自ら働きかけられる環境がどれほど、そしてどのようにあるか、ということを子どもが集う施設の大人は考えなければならないでしょう。紹介されるミュンヘンの園の「園庭」は前回もそうでしたがとても刺激的です。遊びを通して様々な力が発揮できると同時に「危険回避能力」も培える。そして何もしないでポツンと1人で座っていられる場所も保障されています。日本のおおかたの園では子どもがひとりで「空想にふけ」っていようものなら保育士がすぐに寄って行って「どうしたの?」とか「〇〇ちゃんたち向こうで遊んでいるよ、一緒に行こうよ」とありがたくも迷惑な介入をします。園長は園長で「安全第一」です。危険と判断されるものは石ころのひとつでも取り除きます。木を植えれば虫や蚊のクレームを保護者の何人かは言ってきます。しかし保育目標には「意欲的な子」とあります。目標と現実の環境が乖離している場合が多いですね。

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