ゾーン

保育室という空間は、子どもの生活と活動にとって欠かせないものです。 子どもたちは、園に来ると「何をしようか」を考えます。そして「誰としようか」「どのようにしようか」「何を使おうか」ということを考えます。それが、動機であり、意欲です。この心は、子ども自らわき出る気持であり、指示したり、やらせようとした途端に、その意味は違ってきます。しかし、子ども自らやろうとしても、自ら使えるような時間、空間、物などが用意されていなければなりませんし、一緒にやりたいと思える友達がいなければなりません。そのための用意がコーナーと呼ばれるものかもしれません。
外国では、保育室の真ん中に広場的なものを置き、部屋の隅に様々な子どもが自ら選択し、活動する場所を作りました。そこで、そのような場所を「コーナー」と呼びました。また、アメリカなどでは、一斉に何かをやらせるのではなく、子どもが興味関心をもったことが自らやれるような場を用意しました。そこで、そのような場を「インタレストセンター」と呼んだりしました。しかし、「コーナー(かど)」も「センター(中心)」も子ども主体と言っても、結局はある閉じられた空間を用意し、そこでの活動を固定してしまうような気がします。もっと、子どもによって流動的に空間が構成されたり、他の空間と融合したり、小集団から広がりのある人間関係が作れるような空間を用意する必要がある気がします。それは、コーナーの作り方であり、そこでの子どもの過ごし方ではあるのですが、コーナーという言葉を使うと人によってとり方が異なってしまうこともあるので、私はそれを、ゾーンと呼ぶことにしました。そして、そのゾーンは子どもによってゾーニングされていきます。
今回、ドイツを訪れて、そのコーナーの使い方に微妙な変化が見られました。以前のように細かく家具などで仕切らず、大まかに分かれているだけのところが多くなっている気がします。ままごとコーナーとか癒しの空間などは仕切られていることが多いのですが、他はそれほどわかれていません。どうも、私がゾーンと位置付けたような使い方をし始めているようです。
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今回のドイツでも、何年か前に見た「学びの部屋」の部屋を作るために改装している園を見学しました。そこは、科学の目を養うこと、そして「数」「文字」などを遊びの中から体験していけるような空間です。人格形成を重視するドイツでは、物事を論理的に見つめ、それを論理的に人に伝え、説明能力を養いことであり、心豊かにするといった抽象的なことではないのです。
そのほかに今回のドイツ研修で面白いコーナーを見つけました。その場所はやはり明確には区切られておらず、イスと机が置いてあるだけの場所ですが。そこでも、論理的に人につてることを学ぶ場所です。それは、「喧嘩コーナー」という場所です。
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他の子どもといさかいが起きた時、その場所に行って、話し合いをする場所です。その横の壁には、反しあいの手順が子どもの絵と言葉で書かれています。人の話に耳を傾けることということで、大きな耳をもった顔が書かれていたりします。このような場所の用意は面白いかもしれませんね。私の園でも作ってみることを提案しようとおみます。今でも、私の園の園児は、喧嘩が起きると、先生は椅子を用意して、2人で話し合いをするように座らせて、その場を去ってしまいます。最初は、2人でふてくされたように見合っていますが、そのうちに自分を主張しあい、次第に相手の言い分に納得するようになっています。
ドイツの喧嘩コーナーを用意しているこの園では、だいたい1日に1回は利用されていると言っていました。

ゾーン” への5件のコメント

  1. ドイツ視察お疲れ様です。このブログのお陰で?このブログのせいで?ドイツ視察組が帰国後喧嘩コーナーを設置する前に日本で喧嘩コーナー?喧嘩ゾーン?が生まれるかもしれませんねp(^^)qでは、残りの視察頑張って下さい。

  2. 1枚目の写真の環境で子どもたちがどのように活動するのか、とても興味があります。人間関係の広がりを考えたコーナーからゾーンへの変化を見ていると、課題は同じなんだと感じます。世の中の変化や子どもの変化をよく見て幼稚園もどんどん変わっていくバランス感覚はとても勉強になります。
    2枚目の喧嘩コーナーも驚きです。そうした場所もきちんと保障しているのは、人間関係を大切にしているからでしょうし、子どもの持っている力を信じているからなんでしょうね。早速検討してみます。

  3. 昨年の新宿せいが保育園の見学の時、初めて「ゾーン保育」の保育環境を体感することができました。藤森先生に「どうですか?」と聞かれたのですが、正直あの時の私はどう返答していいかわかりませんでした。頭の中の整然とした「コーナー保育」のイメージが一瞬にして崩れていくのを感じていたからです。でもよく考えれば、その「整然とした」というのが、実はくせもので、それはまだ大人(保育者)の決めた枠の中での自由にしかすぎない。子ども主体というからには、保育環境も子どもの遊びとともに変わらないといけないんですね。今、ドイツでも期を同じくして「コーナー」から「ゾーン」への動きが起こっていることは、とりもなおさず藤森先生の保育の進化が正しいことへの証左です。「喧嘩コーナー」は目から鱗です。

  4. 文字・数ゾーンはとても重要だと思います。「科学の目を養うこと、そして「数」「文字」などを遊びの中から体験していけるような空間」を何だか学校の授業の先取り、と思ってしまう方もあり、その存在意義をあまり評価しません。実は文字・数の抽象を概念化した遊具・教具を置くことは、子どもたちが将来論理的にもの事を考え、自らの思いを客観へと導く土台作りを行っていることと同義です。日本では「先生」と関わることを奨励していますから、引き出してくれる「先生」に会えばいいのですが、教えることに生きがいを感じている「先生」に会うと依存症の子をつくりますね。

  5.  「喧嘩コーナー」はとても良いアイディアですね。喧嘩が起きても、「二人であそこの椅子に座って、話し合ってきなさい」と先生が指示をしなくても、そういう場所があれば、まわりの子ども達や、喧嘩をした本人が自ら、その場所へ行き、話し合う事ができます。実践してみようと思います。
     やはり、コーナーのような区切られた中での遊びから、子ども達同士の関係、コミュニケーション能力を向上させる為にドイツも藤森先生が考えられたゾーンのような環境に変わってきているのですね。ドイツもそういう風に変わってきているという話しをブログからライブで伝えられると、つくづく藤森先生の考える保育に触れることができ、心から嬉しく思いました。

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