空間

子どもにとって生活するうえでの空間は必要です。それは、最近の子どにかけている三間と言われる「仲間」「時間」と「空間」は少し違います。昨日のブログのように「仲間」や「時間」は子どもが主体的に過ごす仲間や時間がなくなってきたということですが、「空間」は必ずしもそうではありません。たとえば、食事をする場所が必要だかといっても、なにも主体的に食事をしようが、給食のように与えられて食事をしようが空間的な広さにはそう関係ありません。しかし、空間のしつらえである子どもの発達に影響するような環境としての「空間」は、変わってきます。
問題は、まず、空間が広さとしてどの程度子どもにとって必要であるかということです。そのときに、まずその空間でどのようなことをするかによって広さが決まります。たとえば、多くの保育所では、0~6歳までの子どもを11時間以上保育しており、そこでは養護と教育の一体提供としての保育、食事やお昼寝、排泄等、さまざまな営みが行われています。そのなかで食事をする場合は、どのくらいの広さが必要であるかということはほぼわかっています。平均的スケールは、「建築資料集成」という本に載っていますし、実際に子どもが食べている場面で計ってみればわかります。しかし、そのときに、子どもがひとりで食事をするときと、数人で食事をするときの一人あたりの面積は若干違いますし、子どもの食事を大人が介助する場合の広さも違いますし、食事の前に配膳したり、終わって片づけをしたりする場合も違ってきます。ですから、食事をするときに必要面積は、決まってくるといっても、どのように食べさせるかということで違ってきます。
お昼寝に必要な面積もほぼ決まってきます。しかし、一斉に同じ時間に寝かせるときと、個々によって眠くなる時間に合わせて寝に行くようにしたり、自分で起きてきたりする場合はベッドの間に通路を作らないといけないので、必要な広さは若干違ってきます。ですから、子どもの生活に必要な広さは、子どもの体位や動作に必要な空間の大きさ等に違いがあるだけでなく、本来は子どもの活動と保育内容に必要な環境・空間として、面積に加え環境の質で規定していくことが必要になってきます。
そんな子どもにとって必要な空間について難しいのは、子どもにとって最も重要な「遊び」の空間です。子どもの遊びにとって、どのくらいの広さが必要であるかという議論はとても難しいです。しかし、保育室では、その使用はほとんど子どもの「遊び」ですから、厄介です。それは、園庭の広さも同様です。子どもの遊びは、単純に「広いからいいね」といって、いつも学校の校庭で遊ばせればいいわけではありません。私の園で、押入れを改装して、子どもの遊び空間を作りましたが、その狭い中に入って、子どもが遊ぶことも子どもにとっては興味深いようです。
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保育園では、年齢によって、保育室の広さの最低基準が決められています。いちばん小さくていいのは、もちろん、まだ寝返りがやっとの赤ちゃんです。「乳児室の面積は、乳児又は前号の幼児一人につき一・六五平方メートル以上であること」と決められています。赤ちゃんは次第にハイハイをするようになります。すると、這う距離が必要になります。ですから、「 ほふく室の面積は、乳児又は第一号の幼児一人につき三・三平方メートル以上であること」となり、少し大きくなります。しかし、じっと座れるようになると、また、必要面積は小さくなります。そのかわり、園庭が必要になります。「保育室又は遊戯室の面積は、前号の幼児一人につき一・九八平方メートル以上、屋外遊戯場の面積は、前号の幼児一人につき三・三平方メートル以上であること」この広さを見ると、国は乳幼児にはどのようなことをすればよいかがわかります。では、外国ではどのように考えるのでしょうか。以前に少しブログでも書きましたが、もう一度整理してみたいと思います。(続く)

空間” への5件のコメント

  1. 文書の性格上仕方ないのかもしれませんが、最低基準の文章を読んでいて、子どもの生き生きした姿を想像するのが難しいです。どのような空間を子どもに保障するかは国にとって大切なことという考えで、保育室の広さを定めることは、どのような経験が子どもには必要かということを定めることとも言えると思います。そうなると、現場からの提案も重要になってきますね。

  2. 最近、「リノベーション」といって、中古住宅やオフィスビルを大規模改修して、用途や機能を変更して性能を向上させることが盛んになっています。建物を取り壊して新築するよりも、経済的で環境にも優しいからでしょうか。今、私どもが顧客にしている園さんの建物も、大概老朽化が激しくて、耐震工事も含めて大改修をするか、新築するかの選択を迫られています。財政状態が厳しい自治体が多いので、それも遅遅として進んでないようですが、時代の変化(少子化時代への対応)にあわせて、子どもの主体的な活動ができるような空間を持った園舎に生まれ変わるといいですね。2月に見学した堺市の保育園は園舎のリノベーションの成功例ですね。

  3. 押入れ改装のお部屋は、おじゃまするたびにこっそり入ります。
    癒されます。
    3畳一間の小さな下宿…若かったあのころ…
    そういえば「窓の下(向こう?)には神田川」ですね。
    先生方と従業員によく笑われますが気にしません。

  4.  子どもにとっての遊びや午睡などの「空間」というのは、場合によって違うので、難しいというのが分かりました。とくに遊びの場合は子どもによって違うと思います。広い空間で遊びを好む子もいれば、写真の押入れのような空間で落ち着いて遊ぶのを好む子もいます。年齢によって最低基準の面積の数値がありますが、もちろん狭い面積より広い方が断然いいかもしれません。ただ、どうして3.3平方メートルでないといけないのか?と思いました。その辺の外国の考え方というのはとても気になります。

  5. 今回のブログの内容からは離れるコメントです。私たち家族は現在50平米ほどの狭い空間に居住しています。「狭い」というのは以前に住んでいた家が相当大きく各部屋も適当な広さを有していたからそう表現しました。庭もあり離れもありました。ところが家族3人がそうした広い空間に居住していると、おかしな話ですが、「親密さ」という点でどうだろうか、と思えることがありました。まぁ、気持ちの問題なのでしょうが・・・。今は3部屋にトイレ洗面所風呂場です。いつも一緒にいる感じですね。しかし、それでも家族それぞれが自分の興味関心に沿って活動するには「三畳一間」はいけません。そうした意味で「空間」をどう確保するか、とても重要です。家族3人・50平米には現在満足しています。しかし同じ広さの部屋面積に20人の子どもと先生がいる保育室空間。子どもも先生も満足しているのでしょうか。

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