男女

今年の初め、NHK総合テレビで、NHKスペシャル「女と男」という番組を3回シリーズで放送していました。その第2回目のテーマは、「何が違う?なぜ違う?」ということで、男女の差についての放送でした。その番組の中で、男女平等の国の代表であるアメリカで新たな“男女区別”がはじまっているという内容で、小学校や中学校の義務教育現場で、男女別授業を行う学校が増えていることを紹介していました。私が子どものころにも、男女別々に授業をしたことがありました。それは、家庭科とか保健体育の授業です。なぜ分けたかというと、男女に対して教える内容が違っていたからです。それは、ある刷り込みによって、男女の役割分担をしていたからです。それはおかしいということで、男女が同じ内容を、同じ教室の中で授業を受けることになりました。しかし、同じといっても、成長期には特に男女の差=性差が出てきます。そこで、それぞれの性に合った教育をしようという試みです。すなわち、教える内容は同じでも、その教え方、学び方に男女差があるのではないかということです。
この性差について医学の分野でも、病気の男女の違いを重視する動きが広まっています。こうした動きの背景にあるのは、最近、次々と新たな男女差が見つかっているからのようです。特に、脳は、性ホルモンなどの影響で性差が生まれていることが最近になってはっきりしてきました。そして、その差は、「同じことをしていても、脳の使いようが男女で異なっている」ということがわかってきたからです。では、脳の使い方が違うというのはどういうことかというと、「男女それぞれで得意なことが違う」ということです。では、なぜ人間は男女で得意なことをわざわざ違うようにしたのかというと、「ともに生き延びる」ためであるといいます。狩猟採集時代では、ヒトの祖先はいつも飢えとの戦いのなかにあったために、役割分担をしていろいろな食糧を確保する生存戦略を採ったといわれています。
脳の使い方に男女差があるということは、教育方法を変えてみようと思うかもしれませんね。番組の中では、授業を女子はみんな仲良く、みんな友達だと言って姿勢を正しくして話を聞くと身になるようですが、男子は、ハイハイと競って手を挙げて、床に転がったり、姿勢を悪くしたほうが身になるというのです。ということで、園や学校で、「姿勢を正しくして、前を向いてきちんと先生の話を聞きなさい!」というのは、女子には通じますが、男子の場合は、そうすることで耳を素通りしてしまって、身にならないといいます。ということは、園や学校では、女性脳に向いているような授業がされているのではないかということが言えそうです。
知能テストを解くときに使った脳の場所を調べたところ、男女で違っているらしいという事実が浮かび上がってきています。得意な能力を生かせるように、男女では脳のネットワークが異なっている可能性が高いということがわかってきた今、ただ、大人の一方的な論理から子どもに「きちんとしなさい!」「背筋を伸ばして!」という声かけは、子どもの得意なことを失わせているかもしれません。思い思いの格好での学びを寺子屋ではおおらかに認めていたようです。それが、江戸時代の日本が、世界最高の教育水準を誇る教育先進国であったゆえんのような気がします。

男女” への4件のコメント

  1. 習熟度別教育が、生徒の理解度の違いを踏まえた教育であるのに対して、アメリカの男女別教育は、男女の性差に注目した新しい教育法ですね。ジェンダーフリーのお国柄なのに、こと教育については、脳科学に基づいてきわめて合理的に考えられていると思います。NHKスペシャル「女と男」では、第1回「惹かれあう二人 すれ違う二人」が印象に残っています。夫婦喧嘩の典型的な口論のパターンは『批判→防御→批判→防御→見下し』である。大昔、狩りをしていた男は、常に周りに注意を向けていたので、批判されると攻撃されたと思いこんでしまう。女は子育てをするので、ストレスに強い。確かに、うちも夫婦喧嘩はいつもこうです(笑)。この悪循環を防ぐにはどうするか。それは男が女に質問をすることだそうです。家に帰って、妻が髪を切っていたら、「きれいだね。どこの美容院?」なんて聞くと、うちの家内はイチコロです(笑)。

  2. 男女の違いはすごく大きいんですね。この違いだけでなく、ひとりひとりが根本的に違っているので、違いを認めることがいかに大切か分かります。教育や保育だけでなく、大人の社会でも絶対に大事で、自分の基準で人を見ないようにしなければいけません。寺子屋はすごいです。

  3.  男女の違いというのは、体型など見た目と授業で習う内容が違うことくらいだけだと思っていましたが、まさか脳に違いがあるとは思ってもいませんでした。脳の使い方というのも面白いですね。授業中に仲良く聞いたほうが身になるのは女子で、競ったり、ごろごろと寝転がった方が身になるのが男子というのは何だか納得しました。確かにそう見ると日本の学校や教育というのは女性脳で出来ていますね。だからと言って急に授業は好きな体勢で聞いても良いという風にしたら、色々なところから反発が来そうですね。それを躾と言っていまっては、そこで終わってしまいますが、そういうデータがあるというのは理解しておくべきだと思いました。まだまだ日本の寺子屋から学ぶべきことはたくさんありますね。

  4. 私もNHK特集「女と男」シリーズを観ました。今回のブログで紹介されていた「女子クラス」「男子クラス」は確かに興味深く拝見することができました。またとても勉強になりました。私の小2の息子も決してきちんとしているほうではなく、私たちが授業参観に行ってもあくびはするはふにゃふにゃするは、で何だか情けない思いをしたこともありました。なにせ先生が「姿勢の良い子はかしこい子!」と号令口調です。そのような「号令」に一瞬ピンと背筋を伸ばしますが次の瞬間また元に戻ります。どうしたものか、と思い悩んでいた矢先の「女と男」でしたから随分救われた気になりました。保育園も幼稚園も小学校も「女子クラス」のような指導をしていることが気にかかります。なんとかならないものでしょうか。

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