教師

最近の小学生も偉人伝などの伝記を読むかわかりませんが、私の子どものころは、偉人伝はよく読まれていました。最近読まれないのは、それは事実ではなく、偶像化していることが多いからかもしれませんが、私は、偉人の小さいころのエピソードなどは、事実は別として、今の生き方の参考になることが多いので、それでもいいと思いますが。
偉人伝のなかで、よく取り上げられる人に「エジソン」がいます。彼は、波乱万丈な青少年時代を過ごしていることと、のちに彼の発明によると言われているものが多いことなどから取り上げられるのでしょう。その伝記の中で有名なのが、小学校を退学させられたことです。入学してから、わずか3カ月で放校処分になるのです。とても先生の手を煩わせたようです。たとえば、「1+1=2」を教師が粘土を例にして教えていた時、エジソンが「1個の粘土と1個の粘土を合わせても、1個の粘土になるだけなのになぜ2個になるのか」と聞いて、教師がエジソンを「腐れ脳ミソ」と罵倒したというエピソードが残っています。
また、エジソンの知りたがり屋は学校内だけでなく、家庭でも同じでした。「なぜ物は燃えるのか」を知りたくて、藁を燃やしていたら納屋に延焼してしまったという逸話も伝記には必ず載っています。これは、彼がLD(学習障害)やADHD(注意欠陥多動性障害)であったからではないかといわれています。
こんな彼は、学校からだけでなく、父親からも見放されてしまいます。しかし、こんな彼に徹底して味方になったのが彼の母親でした。母親は、元教師でしたので、学校の対応に不満を持っていました。ある時、学校側が「そんなにエジソンをかばうのならお母さんが教えたらどうか」と言ったのに対し、母親は「そうですね、もうこの学校にトーマスを通わせる必要はありません」と言って、学校をやめさせてしまうのです。その後、トーマスの教師は、母親でした。母親の授業は、トーマスが理解するまで徹底的に教えることの出来る個人授業でしたから、知りたがりのトーマスにとってはとても納得のいくものであったようです。そして、母親の知識はトーマスの知的好奇心を満たし、抱いていた疑問や好奇心が科学の根本であることに気付かされていきます。エジソンが後に「母が私の最大の理解者であった。母が居なければ私は発明家になっていなかっただろう」と語っています。
先週の土曜日の読売新聞に「“自宅が学校”米で急増」(教師は親 背景に教育不信)という記事が掲載されていました。子どもを学校に通わせず、自宅で母親らが教師を務める「ホームスクーリング」(家庭学習)が全米で急激に広まっているというものです。その理由は、1、安全性の欠如、薬物使用など学校環境に関する懸念(88%)2、宗教的、道徳的教育を重視(83%)3、教師の教え方への不満(73%)などだそうです。1,2の理由は、あまり日本では考えられないかもしれませんが、3番目の理由は、日本でもいえるかもしれません。
アメリカでも多くの州で小、中、高校と義務教育とされていますが、家庭学習もアメリカでは公式に認められており、大半の大学では、家庭学習者の入学も受け入れているそうです。新聞には、最近は、ネットで簡単に教材が手に入るようになっているため、今後も増えると予測されているそうです。
「他の子ども」という子どもにとって一番大切な教材は、ネットでは手に入れることができないのにと思ってしまいます。