冬眠

先週末「冬眠から、お目覚め…立山ケーブルカー整備進む」というニュースが流れました。これは、北アルプスの立山黒部アルペンルートの富山県側玄関口となる立山ケーブルカーが冬季に中止していた運転を再開するのを前に、整備をしている姿が公開されたということです。そろそろ、いろいろなところで冬眠から覚めるものが多くなる季節になりました。
こんなニュースが、地方版で掲載されていました。「注意! ヒキガエルひかないで」という看板が設置されたというものです。この時季になると産卵期を迎えたヒキガエルが、ねぐらとする近隣の雑木林などから池に向かってノソノソ歩いていきます。ところが夜間は車の犠牲になることも多く、昨年は夜間見回りのボランティアが5匹を救出して安全な場所に保護したそうです。それでも、確認されているだけで9匹が犠牲になったために、 手作りの看板を立てたのです。カエルも冬眠から覚めて、産卵期になってきたのです。
メダカも冬眠をするそうですが、園のメダカは、冬眠した様子はありません。屋外なので、水が冷たくなっていますので、活動は緩やかになったり、ほとんど餌も食べずにじっとしていると本などに書いてありますが、水がわき水ということもあってか、普段通りに泳いでいます。
冬眠する動物として有名なカメとかカエルなどのような変温動物は、気温が下がると体温が下がり、活動量、代謝量も減ってきます。寒くなると、動くことすらできなくなってしまいます。そこで、安全な場所に身を隠して、冬の間じっとしています。冬眠中は、体の中にたくわえたブドウ糖やグリコーゲンを分解して、乳酸を作るときに発生するエネルギーを使って生きています。その行為を「無気呼吸」といって冬の間、息を吸わなくても大丈夫なのです。これらの行動である「冬眠」は、自然の動物達にとっては厳しい冬の間、寒い上に食べ物が少なくなるための自衛手段でもあるのです。
また、リスやヤマネやコウモリやモルモットなどの恒温動物では、変温動物と違って気温によって体が動かなくなってしまうことはありませんが、冬眠に入ると体温が下がり、心拍数(脈拍)もふだんの1/10以下に下がりますが、呼吸はごくわずかですがしています。体が消費するエネルギーをなるべくおさえることで、冬の間、飲まず食わずで、じっとして冬を越す事ができます。 「冬眠」という方法で エサがうんと少なくなる冬の間、エサがなくても生き延びる手段を身につけたと考えられています。しかし、本当のことはまだはっきりとわかっていません。
特に熊の冬眠についてはわからないことが多いようですが、恒温動物の中で、熊だけは自分の意思で目覚めることができるそうです。ですから、正確に言うと熊の場合は「冬眠」ではなく「冬ごもり」というそうです。変温動物の場合も、正確に言うと「休眠」と言ったほうがいいようです。
太古の昔は、地球が温暖でした。その時は、いつも活動し、どんどん大きくなり、成長を続けました。しかし、地軸が変化し、四季が生まれます。すると、寒い冬が訪れます。エサもなくなり、寒さが襲う冬をどう乗り越えるかということで、生物は体の機能を低下させ、代謝を減らすことにしたのでしょう。それは、エサの問題だけでなく、冬眠中は、細菌や放射線などのへの抵抗力の増加、腫瘍等が発生しにくくなることも観察されています。冬眠する動物は冬眠しない動物に比べ死亡率が著しく低く、また寿命も長いことが確認されています。
ですから、もともと冬眠するようなペットは、長生きしてもらいたければ冬眠をさせてあげたほうがいいかもしれません。寒い時期に、人工的に暖かい部屋の中だけで過ごさせるのは、思いやりではなく、寿命を縮めているということは、人間にも言えることかもしれません。