入試問題

 今、受験生は大変でしょうね。私の子どもたちはもう社会人で、身の回りに受験生がいないので、実感がありませんが、私が通勤に使っている東西線は、「早稲田」という駅を通りますので、車内放送で「今の期間は込み合いますので、ご協力をお願いしま?す。」と流れます。ちょうど大学入試が真っ盛りのようです。都立高校の検査日は、来週月曜日のようですが、私立はもう終わっているでしょう。また、私立中学校入試も2月の初めに行われています。
 中学入試問題の試験問題は、時代の変化を感じます。以前のブログでも紹介したように、有名私立中学校の入試問題では、三択問題のようなものはもうほとんど出されず、知識の量を試すような問題から、自分の考えを述べるような問題が増えています。また、国語や社会の問題に出される長文は、その内容がとても面白く、政治家に読んでもらったり、問題を解いてもらいたいものがあります。もちろん、それは漢字テストではありません。
 今年も麻布中学の問題はとても面白かったです。社会の長文は、山形県について歴史や今の農業問題を考えるものでしたが、その一部にこんな個所がありました。山形で農村体験合宿に参加した虫の嫌いなタカシは、東京に帰ってきて、近所のおばあちゃんに農村体験の話をした時の会話です。
 「大変だったねぇ。でも、山形の農家も頑張っているのね。日本の農業はもう限界だ、と言われているのに」それを聞いてぼくは事前学習で調べた日本の農業ついて、得意になって話をした。「第2次世界大戦後の山形は、さくらんぼなど果物の栽培も盛んだし、米の生産もすごかったんだ。でも、最近は米の消費量も減ったし、山形県に進出した企業も海外に工場を移して、だんだんと経済的に困るようになってしまった。その前から若い人は都会に移ってしまっていたし、農地も荒れてしまったんだよ。今、日本の食料自給率は40%くらいだから、支援する政策も必要だと思うな」一気に話したら、おばあちゃんが口を開いた。「よく知っているのねえ。でも、山形県といっても、全部の地域が同じじゃないのよ。おばあちゃんは米沢からお嫁に来たけど、他の地域と十把ひとからげにして考えないでほしいな」ぼくは、意外だった。「えっ、でもあんまり変わらないよ。どこでも農業やっていて過疎化とか、深刻なんでしょ」するとおばあちゃんはこう続けた。「東京から来たお役人がそんなふうに考えていたわ。でも、一つ一つ違う地域にちゃんとあった政策をやってくれないと困るのよ。もちろん、タカシ君みたいに、虫が嫌いで農業が苦手な人がいてもいいけれど、そういう人が地域のことを何も知らないまま、支援する政策を考えても意味がないのではないかしら」
 小学生が考える問題としては難しいですね。しかし、これはきちんと考えなければいけない問題ではあります。今日、学童保育所と保育所の待機児の増加について保護者と話をしました。もちろん、この待機児は都会の問題かもしれません。過疎地では違う問題があります。しかし、それぞれ違う地域で、他の地域の人はわからないということではなく、どちらもどの地域の人も考えなければならない問題です。また、担当する部署だけが考えればいいということでなく、いろいろな部署が、その現象を総合的に検証する必要があります。
 そして、なによりも大切なのは、ただ机上の議論ではなく、きちんと現場を見ることだと思います。

入試問題” への4件のコメント

  1. 麻布中学の社会の問題は、本当に政治家に読んでもらいたいですね。漢字は勉強はいまさらなので、こちらの問題を是非お願いしたいです。そういう自分もこうした問題に向き合うことをしなければいけないと思わされました。自分の身の周りの、それも狭い分野のことにしか向き合えていません。様々な出来事を自分のことと考えず、一方的に流される情報を鵜呑みにして分かったつもりになっていないか、反省させられます。何も知らないことよりも、分かったつもりの方が怖いことなのかもしれませんね。

  2.  中学入試は地方出身の私にとっては、縁のないことでした。一応、入学試験がある中学校はいくつかありましたが、だからと言って皆がみんな受験をする感じではなかったような気がします。
     以前、先生のブログで中学入試の問題が書かれていたのを覚えていますが、それと同様に難しい問題ですね。確かに問題の長文は政治家に読んで欲しい問題かもしれません。地方や都会の色々な問題に対して簡単に解決策を出すのでなく、まずは現場をしっか見てから話し合いなり対策を考えるべきですね。

  3. 大阪のセミナーから、今帰ってきました。まだ興奮さめやらない状態でpcに向かっています。たぶん、参加された先生方も、今日の梅田の高層ビルから眺めた景色のように、これからの保育も視界良好となったのではないでしょうか。さてブログのコメントです。昨日の安家先生のお話にもありましたが、保育界は、2011年の法改正に向けて、大きな変化の波が起きそうです。都会は待機児童の問題ですが、地方は違います。過疎化と少子化による統廃合で、公立の学校や幼保園が減少していくと思われます。それとともに、今日の先生のお話の中で触れられていたように「養護と教育」を年齢で捉えて、幼稚園が就学前教育、保育所は「乳児の託児所」と誤って規定する傾向すらあります。地方では、今、保育所の存在そのものが危機に瀕しています。

  4. たまたま午前9時までに区役所に行かなければなりませんでした。最寄の駅についたところ「本日は政経学部の入学試験日です」とか何とか連呼する方がいて普段でも人の多い駅ですが一段と人ごみがひどくなっていました。雨降りという気象要件も加わっていたのでしょうか。まことにもって今や受験シーズンです。かつて塾をやっていましたのでこの時期は私もドキドキハラハラしていたものでした。さて、「麻布中学」の入試問題を読んでみました。きわめて「時事」的であり、かつ自らモノゴトを考え、調べたり、学習したりしていないとなかなか解けない問題です。こうした入試問題が増えると小学校や就学前施設において子どもたちが学ぶことが今よりは相当異なっていくような気がします。自ら考え解決する力を子どもたちが自ら引き出すことが求められる。そのための学びの環境をおとなたちは真剣に用意しなければなりません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です