舞台上で、演技者が上手に演技ができないときには、誰のせいでしょうか。もちろん、その演技者の生まれつきの才能が影響するでしょう。しかし、それをどう引き出し、他の演技者と関係をつけていくのかは、演出家によりますし、それ以上に監督の力によるところがあります。
私は、いつも肝に銘じているのは、あの「旭山動物園」の再生です。来場者がどんどん減ってきて、廃園まで迫られていた動物園を、上野動物園に匹敵する来場者を迎えるようになった経緯です。その劇的な変化、次々と出される新鮮な企画、動物への深いまなざし、それは、スタッフの交代や、一新ではないのです。同じスタッフで、同じメンバーで、同じ環境の中で変わっていったのです。それは、いろいろな要因があったと思いますが、その中心は、動物園の園長の交代でした。
また、先日のテレビ東京の「カンブリア宮殿」で「餃子の王将」が取り上げられていました。このチェーン店は、低迷する外食産業の中、4年連続全直営店黒字を達成しているそうです。それまで赤字低迷が続いていた中、たたき上げで社長に登り詰めた大東社長に変わったときから見事に建て直っていきます。やはり、同じスタッフですが、各店舗の店長が、言われたとおりに動くことから、自分自身の裁量で決めたメニューやサービスを認めることによって、率先して、現場に立ち、店舗を指導っしていきます。大東社長を筆頭に徹底したこの率先垂範と現場主義が店を変えていきます。
和田秀樹さんの公式 HIDEKIWADA.COMマガジンで「道の教育より徳の教育を」ということが書かれてありました。
「私が研修医時代、最初に入った内科の医局は、国家公務員であるはずの教授がベンツのSクラスとジャガーに乗り、広尾のガーデンヒルズに愛人を囲っていたことを週刊新潮に実名報道されたような人だったが、患者に謝礼を要求するのが恒常化していたし、とにかく権威主義だった。結果的に、そこにいた医者もみんな謝礼をもらうし、患者に威張るし、研修医にろくに指導をしなかった。 次の医局は、教授が二代続けて東大教授の学者家系の人だったが、親の家に住んでいたのに10年落ちのカリーナに乗るような私服を肥やす人でなかった。学者肌の教授のおかげで、指導はものすごくしっかりしていた。
東北大学の老人科の非常勤講師をしていた頃の教授も、腰が低く、患者に呼ばれたらすぐに走っていくような人だったが、部下の医者も総じて腰が低かった。東北大学は医者が威張ることで有名な病院だったので、そこだけが際立っていた記憶がある。
医者の態度が悪いので、入試面接を課すようになったが、医者の態度が悪い理由の90%は指導教授のせいだと私は信じている。なのに、その指導教授が「医者に向かない」と判断したら、入試面接で落とすことができるようになった。東大をはじめとする心ある大学が入試面接を廃止したのは、まさに「徳」である。」
人の上に立つような人は、いくら地位があっても、いくら言っていることが立派でも、知識が豊富でも、自らの徳がなければ、スタッフを育てることはできませんし、そのスタッフは人への思いやりに欠け、新しいものを創造していくことはできません。
『旭山動物園物語ーペンギンが空を飛ぶ』が絶賛上映中ですね。この映画は見逃せませんね。「夢はいつか必ず叶うー北国の小さな動物園から届いた、大きな愛の物語」ーこの歌い文句だけでウルウルしそうです。西田敏行演じる滝沢園長がどうやって動物園を立て直していくかが見ものですね。私は、これまで多くの園長先生とおつき合いしてきましたが、心に残る方に共通するのは、誰に対しても腰が低いこと。信義に篤く、人に受けた恩を忘れないこと。そして何より人一倍研究熱心であることですね。この3点は、どの組織のリーダーの条件にも当てはまると思います。
上に立つ人によってその集団が変わってくることは、たくさんの実例があります。その人がそのまま表れてしまう立ち振る舞いが周りに与える影響は大きいんですね。医者の話を読んでいて怖くなりました。上に立つ人に求められる力は、生き方を磨くことで身につけなければいけないものなんですね。傲慢にならず自分自身を謙虚にみつめることを忘れないようにします。
「旭山動物園」にはまだ行ったことがありませんが、先日知り合いから園のパンフレットを頂きました。ますます行ってみたくなりました。「餃子の王将」には時々行きます。値段が安くしかも味はそこそこです。この前の日曜日久々で近場の「王将」に出かけましたが行列ができていて断念して帰りました。「和田秀樹さんの公式 HIDEKIWADA.COMマガジン」も時々拝読して共感したり反発したりしています。ということで「上に立つ」人によってその下の人々は如何様にも変わります。現在お世話になっている仕事場においてももしこのスタッフを束ねる長が違っていたら・・・と思うことがあります。私を始めスタッフ各位の長所が活かされずに不満と諦観の中年々歳々夢や希望を失って行くことでしょう。私自身こんな年齢になっても夢や希望が持てしかも日々がワクワクできるので誠にもって有り難い環境で仕事をすることができています。実に「上に立つ」方のおかげです。
よく藤森先生のブログで旭山動物園の話題がでてきますが、読む度に訪れてみたくなります。テレビなどで動物園の映像が放送されますが、きっと生で見たらかなり感動するでしょうね。そんな旭山動物園も園長が変わっただけで、あんなに人気がある動物園に変貌したのは、誰もが驚くことだと思います。
私もたまたまカンブリア宮殿で「餃子の大将」が取り上げられたのを見ましたが、その社長にしても、「旭山動物園」の園長にしても、現場のスタッフは変わっていないのに各店舗の売り上げが上がったり、日本で一番人気になったのも、ブログにも書かれていますが、その人の「徳」のような気がします。とても優秀なスタッフをかき集めたとしても、トップにたつ人間が慕われなければ、全く意味もなしません。これからの時代はそのような人たちが成功していく時代になったいくような気がします。