ここ数日の新聞には、「フグ」についての新聞記事が目立ちます。
7日のニュースですが、今年の1月にフグ料理を食べた7人が手足のしびれを訴えた食中毒事件で、店の営業禁止処分が解除されたというものです。この事件は、山形県で起きたのですが、県はフグ取扱指導要綱を改正して、有毒部位が取り除かれていないフグを扱う店に、営業届を県に提出したことを示す証書を店内に掲示するよう指導するというものです。そして、今月中に実施するフグ処理施設への一斉点検の際に、証書を交付するそうです。ということは、今まで山形県ではそんなものがなかったのですね。現時点で、ふぐ条例を制定して営業施設・処理施設・調理師等を管理しているのは、19都道府県だけだそうです。
この事件だけでなく、最近、食品衛生法や各自治体の条例に違反する、不適切なフグの取扱い事例が相次いで発生しているようです。フグの消費量は、圧倒的に冬季がピークということもあって、厚生労働省では昨年12月に「フグの取扱いに係る監視指導の強化について」という通知を出しました。このように神経質になるのは、フグ毒は青酸カリの500倍の強さがある猛毒だからです。残念なことに高級魚として有名なトラフグやマフグにもフグ毒があります。また、フグの中毒に効くワクチンや血清,解毒剤等はありませんし、熱によってなくなるわけでもありませんので、除くしかないのです。
このニュースは、6日に流れましたが、山口県下関市の水産加工卸売会社が中国産のフグやアンコウを国産と偽って販売していた事件です。中国産冷凍トラフグの「ふぐ薄造り」に「熊本県」と印刷したラベルを張り、東京や大阪などのスーパーに販売した疑いです。フグは、養殖もあるので、ほとんど国産と思っていたのですが、2002年、初めてフグの輸入量が国内生産量を上回っています。その年の輸入先の99%は中国であり、残りは韓国です。これらの国でも養殖フグだそうですが、ほかの食品同様、近年の中国産食材安全性の問題はフグ関連でも発生しているようです。
フグというと、「下関」というイメージがありますが、どの県の漁獲量が多いのでしょうか。普段は高くてなかなか食べないフグですが、先月フグを、大阪でいただきました。難波あたりでしたが、その辺りにはフグの店が何件も並んでいました。その次に食べたのは、長崎でした。以前も、長崎に行ったときにいただきました。あと、いただいたことがあるのは意外にも愛媛や熊本でした。それは、冬の時期にその地に行ったということもあるのですが、データを見て納得しました。
まず、食用ふぐの7割が京阪神地域で消費されており、特に大阪での消費量は全消費量の6割に達するほど大阪の人はフグ好きのようです。
天然フグの漁獲量は、1位は石川、2位長崎、3位福岡、4位富山、5位愛媛です。養殖では、1位が長崎、2位熊本、3位愛媛、4位香川、5位福井です。山口も天然、養殖とも10位以内に入っていますが、意外ですね。
明日2月9日は、「ふくのひ」ということでフグの日です。味も美味ですが、興奮したときに腹部を膨らませる姿も愛嬌がありますね。英語の「Pufferfish」とは、「膨らむ魚」という意味です。しかし、漢字で「河豚」と書くのは、膨れた時に「豚」のように見えるからと思っていたのですが、そうではなく、フグは身の危険を感じると豚のような鳴き声を発することからだそうです。「河」と書くのは古代中国では黄河など河川に生息していたからのようです。
ニュースを見ても、その背景を知るともっと事情がわかってきますね。
フグが鳴き声をあげるというのは初耳です。イルカやクジラなどの哺乳動物しか泣かないと思っていました。検索で調べると、日本ではイシモチとかホウボウという魚が「ぐぐっ」という鳴き声をだすことが知られていて、アメリカでは200種類以上の鳴く魚が特定されているそうです。敵を威嚇するために鳴くのでしょうか。魚のこんな生態ひとつとっても、まだまだわからないことがいっぱいあります。それから意外にも四国がフグの養殖が盛んだったとは。はまちの養殖は有名ですが、地元の人の知らないところで、密かに養殖されて都会に出荷されていたんですね。道理で私たちの口に入らないはずです。
隣町で「2月9日はフグの日でフグ鍋が無料!」と書かれた看板を見ていたのでフグの日のことは知っていましたが、当然昨日我が家にフグの姿はありませんでした。でも、なぜフグのことを「河豚」と書くのか疑問に思っていたのでスッキリしたのでよしとします。
それにしてもあんな姿で毒のあるフグを初めて食べた人やフグを広めた人はすごいと思います。毒にやられた人は少なくないと思いますし、長い年月をかけて食べ方をさがしてきたことを考えると、食はやはり文化だと思わされます。
今回のテーマはなかなかご縁の無い物なのでコメントが難しいのですが、別なところに切り口がありました。2月9日は「お肉の日」と思い込んでいました。するとなんと「ふぐの日」。たしかに2はひぃ、ふぅ、みぃ、で「ふ」、9は、はち、く、じゅう、で「ぐ」に通じる。ご縁はないものですが2月9日になると「ふぐ」を思い出しそうです。「ご縁が無い」というのは「食べない」ということです。子どもの頃は海岸に釣りをしにいっていましたが、小さい鯖ととらふぐを釣り上げていました。ふぐを釣り上げるたびに何だか「ハズレ」くじを引いたような心境に陥りました。下関のふぐセリをテレビのニュースで見ることがありますが、ユニークな方法ですね。印象に残ります。
むかし父と海へ釣りに出かけたときに、よく小さなフグが釣れたのを思い出しました。ですが調理ができるわけでもないし、小さいのでリリースしていました。またフグは高価なものなので、今まで数回しか食べたことがありません。
フグは身の危険を感じた時は膨らんで、針が出るだけだと思っていたので、まさか豚のような鳴き声で鳴くとは驚きです。ぜひ聞いてみたいです。また天然のフグの漁獲量も山口県が1位と思っていたので、その事実も驚きました。私の中でフグは高級魚として扱われ、また日本料理でもメジャーな部類に位置して、誰でも知っているような印象がありますが、漁獲量にしても、名前の由来というのも詳しく知らなかったです。