「星」の次は、「風」の話です。先日のアメリカ大統領オバマ氏の就任演説の中で、「太陽、風や土壌を利用して自動車を動かし、工場を動かす。」ということを言いました。これは、ソーラーや風力発電によるエネルギー革命や地球環境というよりも、雇用対策として打ち出されたことは、とても興味深いことです。
この日に先立って、オバマ氏は、米中西部オハイオ州の風力発電部品メーカーを訪れ、環境対策で景気も回復させるグリーン・ニューディール政策の重要性を指摘し、代替エネルギーの生産増などが「50万人近くの雇用につながる」と述べ、実施を急ぐ景気刺激策の利点を強調しました。そして、再生可能なエネルギー対策の先進国としてスペインやドイツ、日本を挙げて「米国でも同じ取り組みができないことはない」と政策を強化する方針を表明し、2月中の実施をめざす景気刺激策にも代替エネルギー産業の育成と支援に約520億ドル(約5兆円)を計上しており、「風力タービンや太陽光発電パネル、エネルギー効率のいいクルマや建物をつくり、技術開発などで地球をもっとクリーンにする」ことで50万人近い雇用が生まれる、と力説したのです。
その声明を待つまでもなく、今週初めの新聞に、「米国は2008年、風力発電の出力(発電量)を50%も拡大し、総出力でドイツを抜いて世界最大の風力発電国となったことが、世界風力エネルギー協会(GWEC、本部ベルギー)の統計で3日までに分かった。」という記事が掲載されていました。AP通信によると、再生可能エネルギーへの関心や地球温暖化への懸念の高まりを受け、世界の風力発電量は08年に29%増加しました。そのうち米国の総発電量は世界全体の約5分の1(20.8%)を占める25.17ギガワットに上ったようです。2位のドイツは23.9ギガワット(19.8%)、3位のスペインは16.8ギガワット(13.9%)です。
オバマ氏が取り組みのモデルとして挙げたスペイン、ドイツは3,2位ですが、4位は日本ではなく、風力発電の先進地である欧州メーカー並みにタービン生産を拡大し始め、発電量も12.2ギガワット(10.1%)と倍増した中国です。09年もさらに出力倍増が見込まれているそうです。昨年に新規に導入された風力発電による出力量も、1位の米国(31%)と2位の中国(23%)で半分以上を占め、2国が急激に増やしています。それに比べて、日本の新規導入は、アメリカの20分の1にも満たず、国別でも上位10位以内には入っていません。
オバマ氏は、2011年1月までに250万人分の雇用を創出し、米経済の回復の基礎を築く取り組みが必要だと考えを示しました。雇用を増やせる分野としては、道路や橋梁の修復、学校の近代化、風力発電所建設や太陽エネルギーパネルの設置、低燃費車の製造などを挙げています。新しい産業を興すことは、その分野に人が必要になるので、雇用は創出されます。別の方法は、一人の人の働く時間を減らすことです。そうすると、当然人は多く必要になります。それは、日本でも進めようとしているワークシェアリングといわれる、仕事を掛け合うという考え方です。その他の方法に、採算の合わない分野を支援するという考え方があります。ある意味では、合理化を推し進めると、人手は必要でなくなります。逆に、採算の合わないような分野は、人手が多くいりますから雇用は促されます。
保育を含めて、福祉という仕事は、非常に人手のいる仕事です。これに国として力を入れれば、雇用は創出され、国民は安心するので、いいと思うのですが。
去年から市内に20基の風車が設置されました。「風力発電施設を建設することによる地域での経済効果や新たな関連産業の創出、風車を核として既存施設と組み合わせた観光ルートの開発、新エネルギー導入による環境保全と意識啓発」が目的となっていますが、地域の人がそれをきちんと知っているかどうか分かりません。何のために風車の建設が行われたのか、その意味が広く知らされることが大切なことではないかと思います。昨日は、市がどのような方向に向かうべきかを、数人で勝手に熱く語り合いました。新しい産業や働き方など、小さな力でも動いていかなければいけない時ですね。
100年に一度の経済危機とよく言われますが、これを契機に風力発電をはじめ、太陽光発電などの代替エネルギー産業に目を向けることはいいことです。ただ、風力発電は、環境破壊にならないような配慮が必要ですが。また、最近、非正規労働者を雇用しようと、第一次産業の関係者が積極的に動いているという話を聞きました。大自然のなかで額に汗して働くことは、また違う生きがいを与えてくれると思います。「災い転じて福となす」ー経済危機が、世界のあり方や個人の生き方を見直すチャンスになればいいですね。
風力発電の存在そのものは知っていましたが、そこまで詳しくは知りませんでした。風力発電に対してのイメージは、風の力で電気を発電しているので、とても環境に良い方法だと思います。現在世界で不景気が続いていますが、そんな時こそ新しい発想で乗り越えていくことが大切なんですね。そうなると藤森先生の言われるように、日本は教育に関してもっと力を入れるべきですね。
こうしてデータを示されるとこれまで思い込んできたことを修正しなければならないことに気づきます。石油や石炭にのみ依存して新エネルギーにあまり関心がないのかと思われた米国が「世界最大の風力発電国」、そして「発電量も12.2ギガワット(10.1%)と倍増した中国」が4位。何だか先を見通した勢いを感じます。米国も中国も広大な面積を持つ国ですから発想を転換するといろいろなことができてしまうのですね。日本は229か国中61位でドイツとほぼ同じですが、当のドイツは風力発電世界第2位。どうやら「先見の明」ということが問われているのでは、とそんな気がしてきます。変える時には一挙に変えないと事の是非が見えてこない、と思っています。