主人公

朝日新聞の朝刊に、月1回程度、様々な事象について、各界で活躍する100人のメンバーに質問を投げかける「100アンサーズ」という特集が組まれています。その特集で、昨年暮れのアンケートでは、「主役にしたい大河ドラマの人物」は、という問いに対する答えが掲載されていました。
まず、複数の人が挙げたのが昭和天皇でした。100人の中で生活経済ジャーナリストの和泉昭子さんは「タブーがあって実現できないとは思いますが、NHKがやったらチャレンジですよね」。名古屋大教授の坪井秀人さんはイッセー尾形、映画監督の森達也さんは平幹二朗の配役で、と回答しています。
 私が以前このブログで紹介した映画「太陽」は、アレクサンドル・ソクーロフ監督が、ヒトラーやレーニンを描いてきた3部作「20世紀の権力者」のひとつとして、これまで誰も描いて来なかった昭和天皇をテーマに据えた作品で、このアンケートで誰がやればいいかという問いの答えに挙げられているイッセー尾形が昭和天皇を演じています。その時に、あまりに昭和天皇役のイッセー尾形は、出で立ちから話し方に至るまで昭和天皇の雰囲気を見事に再現していてとてもびっくりした思い出があります。
 そういえば、駅構内の通るときに目につくポスターがあります。それは、東条英機を演じているビートたけしの写真です。それは、放送日は未定のようですが、TBS系特別ドラマ「あの戦争は何だったのか(仮題)」にビートたけしが主演し、東条英機を演じるのです。写真を見る限りでは、眼鏡とひげをつけた程度で、東条英機本人にそっくりで、同局関係者によると、たけし本人も扮装した自分と東条の写真を見比べて驚いているそうです。また、ちょっと高い声質も似ていると言っているそうです。八木プロデューサーは、「たけしさんは東条に対し、築いた地位や名誉を国の将来より優先した人間の弱さを感じているようです。それを演じることに意味を感じているのではないか。東条を演じるのは彼しかいない」と起用のいきさつを説明しています。
 アンケートでは、ほかにも黒岩比佐子(ノンフィクション作家)は、「むずかしいだろうが、明治天皇。」と答えています。昭和天皇同様、天皇を主人公にするのは難しいと思っているようです。それは、時代があまりに最近だから主人公になりにくいのかわかりませんが、ほかにも持統天皇と答えた人もいるように、どうしても日本の歴史には天皇が関係してくるのは仕方がありませんね。ただ、NHK 大河ドラマは、原作者がいるドラマであり、史実とは限りませんが、どうも見ている人は、それが史実かのように錯覚する人がいて、悪い人、良い人を区別しがちです。娯楽ドラマとして楽しむ見方をしないといけませんね。
 ただ、歴史的に偉業をなした人の生き方、考え方から学ぶことはたくさんあります。そんなことで、今の時代らしいアンケートの答えとして、二宮金次郎を二人が挙げています。理由は「100年に1度の大不況期、この人しかいない。節倹、殖産、町おこし、実行主義。金次郎は六百数十町村を復興した」からです。しかし、実際は視聴率の関係もあるので、どうかわかりませんが、私も二宮金次郎は見てみたいですね。

主人公” への4件のコメント

  1. 明治時代のキリスト教思想家の内村鑑三の『代表的日本人』のなかに登場するのは、西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮上人の5人ですが、大河ドラマの主人公になったことがあるのは西郷さんだけですね。藤森先生ご推薦の二宮尊徳も観てみたいですが、個人的には上杉鷹山を取り上げて欲しいですね。このブログでも以前紹介されていたかもしれませんが、「なせば成るなさねばならぬ何事も・・・」という彼の教訓をかのケネディ大統領も座右の銘にしていたといいます。破産寸前の米沢藩を立て直した彼のドラマは、今の時代にぴったりだと思いますが・・・。

  2. 娯楽ドラマとしてでも天皇が主人公のものは観てみたいですね。なかなか知ることのできない世界ですし、歴史に大きく関わってきた存在にはやはり興味があります。こうしたアンケートが、大河ドラマでなくてもいいので形になっていけばおもしろいですね。
    私の住んでいる辺りで有名な井戸平左衛門の話があります。サツマイモを普及させ飢饉から人々を救った人として毎年あちこちで法要まで行われるのですが、こういう人の精神から学ぶところは多いです。大河ドラマに取り上げられなくても、行動で社会を動かしてきた人の精神は語り続けていきたいですね。

  3.  主役にした大河ドラマの人物というアンケートは面白いですね。確かに、天皇を主役にした大河ドラマというのは少し見てみたい気がします。よくテレビなどで天皇陛下が映りますが、実際はどういう仕事を毎日行っていて、どんな生活をしているのか、さっぱりな部分がたくさんあります。そういう意味では個人的に見てみたいと思います。
     家に二宮金次郎の漫画本があったので、昔読んだ覚えがあります。二宮金次郎といえば、まっさきに思い出すのは、背中に薪を積んで本を読みながら歩いている姿で、よく学校に銅像がありますね。多くの人は何をしたか知らないと思います。実際に私も漫画本は読んだものの、内容を覚えていないので…。案外身近な人物なので、視聴率も取れるような気がします。少々、安易に考えすぎかもしれませんが。

  4. NHK大河ドラマの「主人公」を考えるのはおもしろいですね。今年が「直江兼続」昨年が「篤姫」そして一昨年が「山本勘助」そしてその前が山内一豊の室「千代」。どちらかというと日本史を勉強していても余程のことがない限り記憶に残らない方々が「主人公」に抜擢され、私たち茶の間に新しい日本史を提供してくれた、あるいはこれからしてくれる、そんな思いがします。来年の大河ドラマは坂本竜馬、三菱財閥の祖岩崎弥太郎が主人公のようです。今年が戦国時代そして来年は幕末維新。やはり「視聴率」が制作担当者としては気になるのでしょうね。私個人としては、平安時代または室町時代を取り上げてほしいな、と思っております。平安時代なら菅原道真または藤原道長。室町時代なら足利義満。まぁ、資料考証の難しさとやはり視聴率への懸念が容易に想起されますが・・・。

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