最近の子どもたちの食に関する問題点として、その食材のもとの姿をあまり見たことがないということが言われています。昨年、冷凍インゲンに農薬が混入していたという事件がありましたが、そのニュースを聞いたときに、農薬が入っていたというだけでなく、主婦でもインゲンは冷凍物を使うことが多くなったということに少しびっくりしました。そのように、最近は食材を元の姿から家庭で料理することは少なくなりました。大根は洗われ真っ白で売られていますし、肉や魚は切り身で売られています。むかし、「あじ」は開きのままで泳いでいると思っている子どもがいるという話を聞きましたし、本の編集を手伝っているときに、魚の写真を使おうとしたら、魚そのままでは女性の保育者は魚の目玉が怖いという人が多く、その本を読んでもらえないということで却下になった思い出があります。
そんなこともあって、今日園ではあじの三枚おろしのライブを行いました。子どもたちへの告知の張り紙には、「さかなのかいたいショー」と書かれてありますが、あじはマグロほど大きくないので迫力はないのですが、それでも子どもたちは興味をもって眺めていました。
あじは、大衆魚の王者で、新井白石は「アジとは味なり」と言ったといわれているように、味が良いところから「あじ」という説がありますが、実のところはよくわからないようです。また、漢字では「鯵」と書きますが、つくりの「参」という字は3月のことで、旧暦三月頃(今でいうと5月)が「まあじ」の旬であるというところから来ているようです。
ともあれ、あじはとてもおいしい魚です。それは、脂肪が多い割にはくせがありません。それは、真あじのエキス分にはアラニン、グリシン、グルタミン酸などの遊離アミノ酸が多く含まれ、これらのエキス成分と脂肪のバランスの良さが、日本人好みの淡白な味わいを作り出しています。
味だけでなく、栄養的にも抜群です。「あじ」は青背の魚ですので、血液をサラサラにし、血管をしなやかにするEPA(エイコサペンタエン酸)、脳の機能を活性化さるDHA(ドコサヘキサエン酸)を備えています。しかも「あじ」には、血圧やコレステロール値を下げる効果のある不飽和脂肪酸(EPA)を含み、体内の余分な塩分を排出し血圧を下げるカリウムが他の青背魚より多く含まれるので、血栓症、心筋梗塞や脳硬塞などの血管の病気に大変有効な魚です。
今日、園で三枚におろした「真あじ」は塩焼きにして子どもたちに少しだけ味見をしてもらいました。この三枚おろしは魚をおろす基本のおろし方ですが、どんな魚でも3枚におろせるかというと違うようで、いさき、かつお、かわはぎ、きんめだい、すずき、さば、たい、たら、ぶりなどなどだけのようです。そのほかにも、「真あじ」は、新鮮なものはたたきや刺身、酢の物にすることがありますが、フライ、煮物、つみれにしてもおいしいですね。
国内の漁獲量は、島根県と長崎県で50%近くを占め、30%が生鮮、30%が干物などの加工用、40%は養殖魚のエサに使われているそうです。最近問題になっている輸入は以外に少ないようです。干物にすると、水分が減って味が濃縮され、日光によってたんぱく質が分解され旨み成分が増えるためです。
今は特別に旬ではありませんが、「あじ」は味なものですね。
島根県は漁獲量で日本を支えているんですね。知りませんでした。確かにとれたての魚を食べる機会が多いですし、魚がそのままの姿であちこちで売られているのは、島根の特徴でもあると聞いたこともあります。
魚ではありませんが、子どものころ屠殺場に連れて行かれたことがあります。自分の食べているものを生々しく知ることができたことは、今でも記憶に残っています。命を食べていることを知ること、あたり前のことをきちんと知ることは、大切なことだと思えるようになりました。
最近は魚を調理する家庭が少なくなってきたので、「魚の解体ショー」は食育の面白いアイデアですね。こうやって保育園で、魚が人間の口に入るまでの過程を知ることも大事な学習ですね。自分たちが元気に生きていけるのも、魚や動物たちの命があればこそということまで気づいてくれれば成功ですね。食育というと子供に食べ物の栄養素を教えたりすることと考えられがちですが、本当は生命の大切さや相互依存性を食事を通じて学ぶことなんですね。
魚の写真を使うのを却下された理由が、魚の目玉が恐いという理由で却下といういのは驚きました。確かに、一人くらいはそういう人もいると思いますが…。
子ども達の前でアジの解体ショーを行ったのですね。子どもにとってはとてもいい機会だと思います。私は小学校の低学年の時に魚屋さんへ家族と行きました。そしたらタイミングよくマグロの解体をしていた時でした。その時は自分より体が大きいマグロに驚いたのと、そんなマグロが大きな包丁でさばかれているのを見て可愛そうにも思いました。また親から「魚を綺麗に食べないと天国へ行けないんだよ」とよく言われました。魚に限らずお肉も一緒で、生きていたものを食べることによって、自分がその分生きていけるという大切な事を子ども達に理解してもらうことはとても大切な事だと思います。
私自身の本年の抱負のひとつが「お魚を食べる」ということです。生活習慣病の魔の手が着々とわが体を蝕んでいる事実があります。「血圧やコレステロール値を下げる効果のある」鯵は積極的に食べていこうと思います。アジフライはいいですね。骨も気になりますがムシャムシャ食べられるところいい。またおいしいと思います。昨今は「食育」「食育」とちょいと騒々しさを覚えますが、今回のような「魚の解体ショウー」は実に立派な「食育」でお魚をどんなふうにして食べられるようにするか、を子どもたちは学んだと思います。「食育」に必要なことは「食の体験」でしょう。その体験とは「食べる」だけではなく食べられるようになるプロセスを五感で味わうということでしょう。保育園の厨房から漂うお料理の匂いを味わう、これも「食育」です。