封切り

 私は映画をたまに見ますが、大体は妻と見ることが多いので、見に行く日は日曜日の昼間です。「夫婦50割引」という、どちらかが50歳以上の夫婦2人であれば、一人1000円というキャンペーンが継続されている映画館が多いので、二人で行っても、ほぼ一人分で見ることができるので助かります。それから、話題作は日曜日は込んでいることが多いのですが、ネットで事前予約ができ、座席指定ですので、日曜日でも見に行くことができます。また、妻が一人で見に行く時は、レディースデーの昼間に行くことが多いようです。私は、今は忙しくて、一人で映画を見に行くことは少ないのですが、行く時は、平日の夜の部です。
 私は、中学生のころから映画をよく見に行きました。住んでいたのが、浅草のロックや、有楽町という映画館が数軒並んでいる街に近いということもあって、気軽に行きました。そのころ見に行く映画は、私の場合、ほとんど洋画で、特に「ウエストサイドストーリー」の影響で、ミュージカルはほとんど見に行きました。
 そのころを思い出してみると、映画を見に行ったのは「ロードショー公開」でした。映画におけるロードショーとは、「映画の封切り」のことをいいます。しかし、もともとは違う意味でした。最初は、おもにアメリカの演劇界で使われていた言葉で、新しい作品をブロードウェイで上演する前に、その作品がどのくらい受け入れられるかを、地方を回って上演を行い、そこでの評判をみました。そのように、ブロードウェイよりも前に行う上演のことを、一般に「ロードショー」といいました。それが、映画では逆に、まず、都市部で先行して上映を行い、そこでの評判や観客動員を見て、全国展開をするかということをきめました。この「都市部での先行上映」のことを「ロードショー」といったのです。私は幸い、都市部に住んでいたので、誰よりも早く封切映画を見に行くのが趣味でした。しかも、その中でも第1回目の上映に行くことを目指しました。
 ロードショーの第1回目は、さまざまな特典がありました。よくあるのは、その映画のポスターをプレゼントされます。ですから、私の部屋は、映画ポスターをパネルに水貼りをしたものが何枚も飾ってありました。また、出演者たちが舞台あいさつをする時があります。そのほか、特に面白い経験をしたことがありました。「最高にしあわせ」というミュージカルを見に行ったときに、その映画の鑑賞者みんなが立ち会いをして人前結婚式を挙げた時です。会場が映画館で、仲人が高島夫妻でした。
 私がロードショーの封切り日に見に行ったということは、何曜日だったのでしょうか。私の高校は、そのころから隔週土曜日が休みだったので、土曜日だった気がします。今も、封切り日は土曜日のことが多いようです。それが最近変わってきつつあるということが、先日の新聞記事に書かれていました。
最近、大手洋画配給会社の注目作を中心に、金曜封切りが目立っているというのです。次回作の「ハリー・ポッターと謎のプリンス」も世界同時の金曜公開が決まっているそうです。この作品が世界同時ということは、ほとんどの国での初日は金曜日なのです。日本でも、1990年ころに金曜日封切りにしたことがありましたが、当時は定着しなかったようです。それがまた金曜公開になったのは、「週休2日制が根付いて、金曜夜はゆったり過ごす人が増えてきた。そんな社会環境の変化への対応」と言っています。劇場側からも「金曜夜は映画、という生活リズムを確立したい」という機運が出てきたようです。ただ、金曜封切りとなると、映画初日の“主戦場”は夜の上映になるために、ファミリー向け作品などには適さないとみられ、どうも作品ごとに判断するようです。
生活様式の変化は、いろいろなところに影響するのですね。