ドイツのクリスマス

 世界の1年間の祝祭日を見ると、その国の歴史を祝う日があります。また、それにちなんだ行事や祭りが各国で行われます。それは、おもにその国の宗教にちなんだものが多くあります。日本は、それぞれの国の祭りや宗教行事を、商戦と結び付けて取り入れるのが上手です。それは、ある意味では、わが国の発展の底力かもしれません。バレンタインデーなどは、そのいわれを知っているいる人はほとんどいなくてもチョコレート交換をします。ハロイゥンなどは、気持ちが悪いもので、日本では根付くかと思っていましたが、最近は児童館や学童を中心に行い始めているようです。
 そんな行事が年末は目白押しです。その中心がクリスマスでしょう。どの家庭でも園でも行うところが多いでしょうが、きちんと生誕劇を行うところは少ないでしょう。クリスマスといえば、まずはプレゼントです。その次にもみの木ツリーの飾り付けです。それから若い人は、彼女、彼氏とディナーや旅行や遊園地などに出かける人も多いようです。しかし、クリスマスは、キリスト教を信じる国では、その歴史が古いだけに、様々なしきたりや祝い方があるようです。
 ドイツのクリスマスと言えば、「シュトレン」といっても、まだ日本ではそれ程なじみがないかもしれません。私は、ここ数年、友人からこの季節になると「シュトレン」をいただきます。最近は、その包みを開けるときにクリスマスが近づいたことを感じるようになりました。
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「シュトレン」は、ブランデーなどに浸けておいたドライフルーツを、たっぷりのバターと一緒に練りこんで焼いた長細いパンですが、普通のパンと違ってかなり重くて日持ちがします。ですから、このシュトレンをク、リスマスを待つ4週間の期間であるアドヴェントの各週末に、身内や身近な友人とささやかにティーパーティをし、薄く切って賞味します。
 シュトレンはその形がトンネルのような格好をしているために、「坑道」とか「棒」という意味があります。もともとシュトレンは、翌年の豊作を祈願して作られる棒状のパンでしたが、より豊作を願って、中にレーズンやアーモンドがタップリと入れられるようになりました。14世紀の文献には、パン屋の誇りと品質管理の伝統である「組合」を認可してもらうかわりに、「シュトレンという白い棒パン」を12月に司教に献上したとあるそうです。こうして「献上するもの」という伝統が始まり、さらにその呼び名は16世紀以降、正式名をChrist stollen(クリストシュトレン)としています。このパンの上に降りかけられた白い粉砂糖の姿が、イエスキリスト誕生時に白い布で包まれた赤ん坊の姿を表現していると言われています。
シュトレン発祥の地、ドレスデンで12月の第一土曜に行われるお祭があります。黒の制服の煙突掃除人、白の制服のパン屋が3.3トンもの巨大シュトレンと共にパレードをするそうです。また現在では、ドイツではクリスマス時期に家庭で焼いたシュトーレンを友人や家族への贈り物としてもつかわれます。
 ドイツのパン屋は徒弟制度が厳しく、マイスターの称号を得てやっと店を持つことができます。 いただいたシュトレンに同封されているほかのパンもとても美味しいパンです。ですから、シュトレンが美味しいというだけでなく、それを作っている職人の腕がいいのでしょうね。