ドイツ環境省

 一昨日のニュースで目を引いたものがありました。それは、ドイツの環境省が発表したものですが、07年の温室効果ガスの排出量が90年比で22.4%減となり、京都議定書で掲げられた21%減という目標値に達したというものです。それは、工業、交通などの分野で削減が進んだからのようです。
 今年日本中を大騒ぎさせた北海道洞爺湖サミットでは、主要8カ国は、温室効果ガスの世界全体の排出量を「2050年までに半減する」との長期目標そのものには合意しませんでした。首脳宣言案では、「共有を目指す」との文言にとどめただけでした。それは、新興国が参加しない目標設定に慎重な米国に配慮したためです。
 しかし、ドイツのハイリゲンダムサミットでは、世界全体の長期目標について、日本や欧州連合(EU)、カナダが提案した「50年半減」は、「真剣に検討する」ことで一致されていたはずでした。ですから、それに引き続いて行われた洞爺湖サミットでは、「検討」から「合意」したかったのですが、そこまで行かず、「目指す」という表現にとどまったことが、まだ記憶に新しいですね。
 ただ、中国やインドなど新興国の参加を求める米国の意向を「この地球規模の課題は、世界全体が取り組むことで初めて実現する。特に、すべての主要経済国による貢献が必要だ」と明記することで反映しました。
 京都議定書第 4 条(共同達成)に基づき、EU15 ヵ国1 の温室効果ガス削減目標は2008?2012 年の第1 約束期間において基準年(1990)対比でマイナス8%となっています。その基準に沿って、EU 域内では各国で削減目標を設定していますが、8%の目標を上回って削減する国は、ドイツやデンマーク等だけで、フランスやフィンランドでは、現状維持で、上限は設定されているが排出量を1990 年よりも増加させることが認められている国は、スウェーデン、スペイン、ポルトガル等です。
 一方、現行の政策でこのままで行くと将来達成できると見られているのは、ドイツ、スウェーデン、英国の3 ヵ国であり、フランスとイタリアは追加措置が必要で、スペインの場合は、目標達成はほぼ絶望的であるといわれています。
では、提案国である日本ではどうでしょうか。1997年に採択された京都議定書において、日本は 6 %の温室効果ガス削減を約束しました。しかし、2005年の温室効果ガス排出量は、京都議定書の基準年(1990年)よりも8.1%増加しており、このままでは目標達成は困難であることが示されています。
 日本は世界第5位のCO2排出国であり、また人口一人当たりの排出量も途上国の数倍あります。しかも、日本は高い技術力を持った先進国として、温暖化対策の中で大きな役割を果たすことが期待されています。温暖化の防止は、必ずしも経済成長の犠牲を伴なうものではありません。ヨーロッパではすでに二酸化炭素の排出を削減しながら、プラスの経済成長を続けている国もあります。「制度を整え、国全体が積極的な姿勢に転じれば、日本も温暖化の防止と経済成長の両立を、実現することが、必ずできるでしょう」と提案されています。
 1国の問題ではなく、世界的視野の中での社会のあり方が、いろいろな分野から問われています。