星占いの星座

 季節の変わり目は、夜空に輝く星座の移り変わりで知ることがあります。しかし、見る時間帯によって違う季節の星も見ることが出来ます。例えば、煙突を下から覗くと昼間でも星を見ることが出来ますが、そこに見える星は、今の季節は春から夏にかけての星空を見ることが出来るのです。ですから、冬の星座というのは、冬の夜空で見える星のことをいいます。
 今の時期の夜空では、午後8時頃には秋の星座を見ることができ、夜中過ぎになると、冬の星座に変わっていきます。ですから、夜、長いあいだ空を眺めていると、星占いの星座を「おひつじ座」「おうし座」「ふたご座」のほかにもいくつか見ることが出来ます。まず、早い時間に見えるのは、「山羊座」(12/22-1/20)、「水瓶座」(1/21-2/18)があります。この星は、夏に見えるのですが、今の時期でも早い時間には、まだ沈まないでいます。
 山羊座のヤギは、不思議な体をしています。それは、下半身が魚なのです。もともとは、ギリシャの森林と野原の神である牧神パーンです。パーンはギリシャのドリュオブス王の娘ドリュオベスとヘルメスとの間の子どもです。山羊の角と毛がはえ、尖った耳を持ち、足にはひづめがあります。ある日神々がナイル川沿いで酒盛りをしていました。パーンは葦の笛を吹いていました。普段、パーンはいつも仲間のサチュロス達と森のニンフ達を、追い掛け回していました。そんな中で、パーンに追いかけられた一人のニンフ、シュリンクスは川辺の葦に変身しました。パーンは彼女を探しながら、葦を一本折り葦笛を作ります。それをいつも吹いているのです。酒盛りをしているところへ、怪物テュポンが現れたので、神々は慌てて動物の姿などの姿に変えて逃げました。パーンは、山羊になりました。ところがパーンは酒を飲み過ぎて、逃げることが出来ず,川に飛び込んで咄嗟に魚に変身しようとしましたが浅瀬だったため、下半身が魚に変身しましたが、上半身は山羊のままだったと言います。その奇妙な姿が面白いのでゼウスによって星座とされたのです。
また、水瓶座にまつわる神話は、今で言うと犯罪になってしまうような事件が絡んでいます。
神々の住むオリンポスの神殿では食事の時、神食アンブロシアを皿に盛り、アポロンが琴をひき、音楽の女神が舞をまい、神酒ネクタルを飲みました。この神酒を注いでまわるのは、大神ゼウスと妃ヘラの娘で青春の女神ヘベの役目でした。しかし、ヘベがヘラクレスの妻となったため、その代わりがいることになりました。そこでゼウスは、鷲(わし座)に姿を変え、イーダ山で父の羊の番をしていたガニュメデスをさらってきました。ガニュメデスは、トロイの王子で体が金色に輝き、美少年の名が高かったのです。宮殿に着くとゼウスはその正体を現し、ガニュメデスに永遠の若さと美しさを与え、神酒ネクタルを注ぐ役目を告げました。 ガニュメデスは身に余る光栄でしたが、自分がいなくなったことを両親がどんなに嘆き悲しんでいるか思うと、とても心が痛みました。 これを知ったゼウスはトロイの国王夫妻の元に伝令神ヘルメスを使わし、事の次第を告げさせ、その上で息子を失った悲しみを和らげようと、ガニュメデスの姿を星座にしました。この「水瓶をかついだ美しい少年」の姿をかたどっているのが、水瓶座です。
私は、園の夕涼み会で子どもたちに星座の話をします。そのとき、子どもをさらったときの姿がわし座であり、その中のアルタイルという星が彦星なので、説明に困ります。そんなときは、少しやさしく変えてしまいます。

星占いの星座” への5件のコメント

  1. 森永製菓や不二家が販売している果実飲料に「ネクター」というのがありますが、これは神の酒「ネクタル」から来ているようです。とろ?とした甘い飲み口で小さい頃好きでした。「ヘルメス」は商業の神と言われていますが、あの有名ブランド「エルメス」の語源になっています。また、テュポンは太陽系の外側を回る小惑星ですね。ガニメデスは木星の第三衛星で、仲間の衛星にエウロパもあります。語源をたどってみれば、ギリシャ神話にたどりつく名前はまだまだ数多くあるようです。

  2.  山羊座のお話しは確かに面白いですね。上半身がヤギで下半身が魚というのは、今まで一度も想像もしたことがありません。昨日までのギリシャ神話とは違って山羊座の神話は子どもにも、そのまま説明ができますね。ですが、それと打って変わって水瓶座の神話は子どもに話しする場合は難しいですね。夕涼み会だと、ほとんどが親子で聞いていると思うので、確かに説明に困るかもしれません。それを藤森先生がやさしく説明する水瓶座の話しの内容を聞いてみたくなりました。

  3. 冬には冬の星座しか見えないものだと思っていたのでちょっと驚きました。言われてみればそうですね。夜に見えないだけで星は常にあるんですよね。自分中心の見方ではなく自分から離れてみると、見えていなかった当たり前のことが見えてくるいい例だと思います。なんだか無性に煙突から昼の星を見てみたくなりました。

  4. 今日の山羊座のお話は面白いですね。牧神パーンの慌てぶりが想像できます。「サチュロス達と森のニンフ達」は西洋絵画の題材としても取り上げられているようでお目にかかることができます。そしてゼウスが鷲の姿に変身し「ガニュメデス」をさらって行くというシーンはコレッジョ、ミケランジェロ、レンブラント、ルーベンスが傑作を残しています。このうち、レンブラントの作品はドレスデン国立美術館展で拝見し息を呑んだことを思い出しました。ガニュメデスは「美少年」ですが、レンブラントのガニュメデスは幼児?で失禁している姿が描かれています。ルーベンスのガニュメデスは確かに「美少年」です。この「美少年」が水瓶を担いだ姿が「水瓶座」・・・息子に語ってあげられるお話です。

  5. 「下半身が魚に変身しましたが、上半身は山羊のまま」「その奇妙な姿が面白いのでゼウスによって星座とされた」という文を読んで、思わず笑ってしまいました。笑っては不謹慎なのかもしれませんが、面白いからといって星座にされてしまった経緯もあるのですね。ゼウスの行いにはあまり共感はできませんが、ゼウスの遊び心を少し感じることができました。また、悲しみを和らげようとする一面もあったりと、すべての感情をそのままに表に現し、自由に生きている様子は、羨ましくもなりますね。

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