先日、こんなニュースが流れました。「秋田杉を外装に使い、曲げわっぱの技術も駆使した木製自動車を、秋田県北秋田市綴子の県立鷹巣技術専門校の生徒たちが製作した。」
秋田杉といえば、日本三大美林の一つといわれています。しかし、秋田杉といっても、天然杉のことをいいます。人の手をかけないで自然に育った杉を「天然秋田杉」、人の手をかけて育てた人工の杉を「秋田杉」と呼んで区別しています。杉の語源ははっきりしていないようですが、アイヌ語のシンクニー(真っすぐな木の意味)から転じたものといわれています。和名では「スギ」と呼ばれ「マキ、イヌスギ、ホンスギ、ベニアカ、ヤマトスギ、ヤブトウシ、エゾスギ」などの品種を含む名称が四十種もあります。
杉のイメージは、真っすぐのびるというイメージと、早く大きく育つということと、様々な用途があるということで、植林されました。このイメージで、作られた歌が、作詞が吉田テフ子(補作詞:サトウ ハチロー)、作曲が佐々木すぐるの歌「お山の杉の子」があります。この歌は、第二次世界大戦も末期の昭和19年、小国民文化協会が行った少国民歌の懸賞募集の第1位入賞歌でしたが、終戦とともに放送やレコードの販売が禁止になり、この歌をもう一度復活させようと、サトウハチローが改作したものです。
なぜ、販売禁止になったかというと、その歌詞を見ると分かります。2番には、杉を何に使うかが歌われています。「大きな杉は 何になる お舟の帆柱 梯子段 とんとん大工さん たてる家 たてる家 本箱 お机 下駄 足駄 おいしいお弁当 食べる箸 鉛筆 筆入 そのほかに たのしや まだまだ 役に立つ 役に立つ」という歌詞が歌われていますが、作られた当時は、「大きな杉は 何になる 兵隊さんを 運ぶ船 傷痍の勇士の 寝るお家 寝るお家」そのあとは、同じです。このように、杉に託して、子どもが将来立派な兵隊になることを目指しているからです。
しかし、杉は様々なものに使われますが、特に天然秋田杉は、その柾目と香りが冴え、木目まっすぐで弾力に富んでいます。軽さと、明るく優美な木目が生かされた製品には、シンプルな味わいと気品があります。ですから、ニュースで流れたように自動車も作れるのでしょう。この自動車のモデルは、そうは言っても昭和40年代に生産され、箱形のがっちりしたボディーから「ハコスカ」の愛称で人気を集めた日産スカイラインGT―Rだそうですが、それでも曲線部分は多くあります。例えば、バンパーなどの曲がった部分では曲げわっぱの技術を使い、滑らかな曲線を浮かび上がらせたそうです。
大館曲げわっぱは、秋田民謡の『秋田音頭』にも謡われています。「コラ、秋田名物八森ハタハタ、男鹿で男鹿ブリコ(アーソレソレ)能代春慶、桧山納豆、大館曲げわっぱ 」
この曲げわっぱの製品を秋田の友人からいただきました。その手触りや軽さにびっくりするとともに、木目の美しさには目を奪われます。天然秋田杉を手割り、または製材により薄く剥いで、熱湯につけ、板が柔らかくなったところで巻き込んでいきます。とじ穴は、桜皮で縫いとめます。

藩政時代に大館城主佐竹西家が、当時杣夫が杉の柾目板を割って、曲げ物の器を作りそれを弁当として利用していたのを見て、領内の豊富な森林資源を利用して、窮乏を救うため下級武士達に命じ副業として、曲げわっぱの製作を奨励したといわれています。
いくらプラスチックが出廻っても、その本物の味わいは残していかなければいけないですね。
先日、NHKの「美の壺」という番組で、秋田の「曲げわっぱ」が紹介されていました。日本の伝統的な「弁当箱」の一つですが、その形の美しさもさることながら、ご飯のおいしさを際立たせる特徴があるという話が印象的でした。プラスチックと違って、曲げわっぱはその木肌が炊き立てのご飯の余分な水分を吸収するので、ご飯を長時間おいしく保ってくれるそうです。かまどで炊いたほかほかのご飯を曲げわっぱにいれて、いぶりがっこをおかずにしてお昼に食べたらどんなにおいしいでしょうね。昔の日本人の知恵をもっと見直したいものです。toshi先生、久しぶりのコメント拝見しました。お元気そうでなによりです。
曲げわっぱの製品は美しいですね。杉でここまでの曲線が作れる技術はすごいと思います。プラスチックはプラスチックの利点があり、それを利用してプラスチック製品が本当に多くなっていますが、だからと言ってこの技術が必要ないというものではないと思います。プラスチックの特性は十分に生かして利用し、それとは別に曲げわっぱのような技術は大切にしていかないといけないですね。
秋田には大学の友人がなぜか多かったので、よく遊びに行ったり、部活の合宿に行きました。なので秋田県は色々な思い出があるので私にとって親しみのある県の一つです。
写真の秋田杉を使ったコップは素敵ですね。よく店などで木のコップなどを見かけますが、それよりも遥かに美しいと思います。何気に「グッドデザイン賞」のマークもついていますね。家や保育室、食器などを木で作られていると、とても温かみを感じます。保育室にある玩具や装飾など最近はプラスチックの素材が多くあります。木の本来の「味わい」を子ども達に少しずつでも伝える事ができればいいと思いました。
秋田民謡の『秋田音頭』は懐かしいですね。かつて故郷で親戚が集まって宴会が始まり、佳境に入ると手拍子とお皿を箸でたたいて拍子をとって、この『秋田音頭』を叔父やご近所の方々が歌っていました。父の車に乗っている時BGMとして流れてくる音楽にも民謡は多く、特に秋田民謡はよく流れていました。杉と言えば、確かに秋田杉です。高級木材の代名詞です。秋田杉は香りや柾目が良いのはブログで紹介されていた通りです。しかし、今や杉は日本人の目の敵になっています。「スギ花粉」の存在です。このスギ花粉も植林した杉林を適切に管理していたら果たして起こったかどうか。スギの値段が下落して放置された結果ではないでしょうか。写真の「曲げわっぱの製品」は見事ですね。