最近は、なんとなく映画を見ていなかったのですが、ここ2週続けて映画を見ました。昨日は、ブログで取り上げた「まぼろしの邪馬台国」です。映画は、邪馬台国がどこにあるかということではなく、宮崎康平の夫婦愛を描いています。その映画の中で、宮崎が自分の書庫に妻になる和子を案内します。そして、そこにある書物を次から次に指し示し、盲目になった今、それらを読むことができなくなったことを訴えます。その中で邪馬台国がどこにあるかが記された「魏志倭人伝」は、この書物に書いていると指し示したのが「三国志」でした。
三国志というと、先週見た映画「レッド・クリフ」のような、曹操・孫権・劉備らが争い合ったことが書かれている書物という印象があります。ですから、魏志倭人伝とはどうも結びつかない気がします。しかし、「魏志倭人伝」の正式な名前は「『三国志』魏書東夷伝倭人条」といい、全文で1988(又は2008)文字からなっている書物です。中国の正史「三国志」は、「魏国志」30巻(「本紀」4巻、「列伝」26巻)、「蜀国志」15巻、「呉国志」20巻、計65巻から成る書物です。その中の「魏書」(全30巻)に書かれている東夷伝の中に、倭人の条があり、それを「魏志倭人伝」という略称が普通に使われ、特に日本では授業のなかではこの呼び方を使います。
区別するために、この歴史書である「三国志」を「正史」とか「正史三国志」と呼ぶようになりました。この「正史」とは、王朝が正式に認定した歴史書の事で、中国の西晋代の人陳寿により西暦280年~290年頃に編纂されたものです。映画レッド・クリフで描かれている曹操は、魏書30巻の中で「武帝紀第一」に書かれており、劉備は、蜀書15巻のうち「蜀書三先主伝第二」に書かれ、諸葛亮は、「蜀書五 諸葛亮伝第五」に書かれ、関羽・張飛・趙雲は、「蜀書六 関張馬黄趙伝第六」に書かれ、孫権は、呉書20巻のうち、「呉書二 呉主伝第二」に書かれているという具合です。
一方、歴史書の「三国志」やその他の民間伝承を基として唐・宋・元の時代にかけてこれら三国時代の三国の争覇を基とした英雄や、様々な説話が好まれ、その説話を基として明の初期に羅貫中らの手によって書かれたのが、「三国志演義」です。この講談などから発展して作られた通俗小説である「三国志演義」が、日本では「三国志」として流通しました。これは、何も日本に限ったことではなく、世界中で、「三国志」の世界は「三国志演義」を基として発展を続けていったのです。しかし、この演義は、面白おかしく書いた部分があり、そのために創作された部分も多くあり、史実とは異なる場合も多いようです。また、登場する地名・官職名・武器防具などにも三国時代の時代考証からみておかしいものもあるようです。
日本では、この演義を基にしていくつかの文学作品がかかれました。私が、三国志に夢中になったのは、作家吉川英治が演義を元にして著した小説「三国志」と、これを元にして独自の解釈等を織り交ぜて描かれた、横山光輝による全60巻(文庫版は全30巻)(潮出版社)の歴史漫画です。吉川英治の「三国志」では、諸葛亮の死で終わっていますが、漫画のほうは、蜀が滅亡するまでを描いています。
2週続けてみた映画は、奇しくも、ともに「三国志」に関係がありました。
三国志は、学生時代に読みました。あまたの英雄・豪傑たちが覇権をめぐって、権謀術数の限りを尽くして戦う大長編小説ですね。劉備・関羽・張飛の三人も魅力的ですが、やっぱり稀代の軍師・諸葛孔明が一番好きでした。清廉潔白な人間性、主君への厚い忠義心、戦いに臨んでの周到な計略と大胆な采配、すべてにわたって完璧な戦略家だと思います。土井晩翠の「星落秋風五丈原」という歌を聴くと、彼が死を前にした時の苦衷をしみじみと感じ取ることができます。今月末より、当県で「大三国志展」が開かれます。今から楽しみにしています。
魏志倭人伝は学校で少し習い、三国志の漫画は病院の待合室で少し読んだだけなのでほとんど知りませんが、それらが正史三国志の中のほんの一部とは思いませんでした。ある程度分かったようなつもりでいましたが、ほとんど分かっていなかったということですね。それだけ奥の深いものだから夢中になる人が多いんでしょうか。とてつもなく多くの人々がつくってきた歴史の重みを、少しだけですが、このことからも感じることができました。歴史を研究する人は楽しいでしょうね。
私も友人と「レッドクリフ」を見に行きました。高校の時に友人の家に遊びに行ったときに「三国志」の漫画があり、興味本位で読んだら、たちまちはまってしまいました。さすがに全巻は読めませんでしたが「赤壁の戦い」は読んだので、だいたいは知っていました。なので映画を見ていて実写で見ると、興奮して鳥肌がたってしまいました。
その三国志も「正史」とでは内容がなかなか違うのですね。ブログに書いてある「正史」で曹操や劉備が紹介されている一文は漢字で書かれているせいか、少々難しい感じです。やはり「演義」の方で面白おかしく作られているので、馴染みやすいのかもしれません。それにしても「レッドクリフ」の第二部を早く見たいです。
あまりに有名な「三国志」ですが、魏・呉・蜀という中国の3つの国の歴史書として知られているのでしょうか?もっともそういう私も実のところはあまりよく知りません。但し、「三国志演義」を元にして制作された川本喜八郎さんのNHK人形劇「三国志」を観ていたので劉備・関羽・張飛そして諸葛亮孔明には何となく親しみを感じていました。蜀国に知らず知らず肩入れをしていたのですね。それゆえ、蜀の敵であった呉や魏は悪い国と思っており、やがて魏志の倭人伝を歴史で学びますが、NHKの「三国志」並びに魏という漢字が「鬼」と映り、ほとんど関心を抱けずじまいでした。漫画やゲームで三国志がもてはやされ中国ブームや映画「レッドクリフ」でさらに三国志ブームとなりそうですね。「三国志」にも親しみたいと思います。