今日は「文化の日」ですが、文化とはなんでしょうか。日本国憲法が施行された日を記念して「憲法記念日」がありますが、今日は日本国憲法が公布された日を記念とし「自由と平和を愛し、文化をすすめる」ことを趣旨としています。
文化という英語は、カルチャー(culture)といいますが、これはラテン語 colere(耕す)から派生しています。これは全く私の勝手な考え方ですが、「文に化ける」ということで、それまで原始的であったり、自然そのものであった心を耕していくことだと思っています。
先週から全国公開されている映画に「まぼろしの邪馬台国」があります。吉永小百合さんと竹中直人さん主演で1967年に発表された宮崎康平の『まぼろしの邪馬台国』(講談社)という書籍を基にしています。この本は、同年、夫婦揃って第一回吉川英治文化賞を受賞しました。以前のブログでも書きましたが、この本に私は夢中になったことがあり、先日書庫を探してみたらこの年に出された本がありました。
今年8月に講談社より新装版が発売されたそうですが、1980年、その後の更なる研究内容が加筆された決定版が出版されたものの、書籍はいずれも絶版でした。
私はこの本の著者の宮崎さんは、自分の文化を築いているのだと思います。彼は、「邪馬台国はどこにあったか」という、いわゆる邪馬台国論争は専門の学者らの間でしか語られていなかったのを、個人的執念から邪馬台国がどこにあるのかを探求した人で、彼がきっかけで日本人一般にまで波及し、「邪馬台国ブーム」がおき、その論争に火が点いたのです。
邪馬台国の場所は、畿内説と九州説の二大仮説があり、彼は少数派の九州説を推しています。彼は最初は東宝映画に脚本家として勤めますが、兄の死去にあたり、家業の宮崎組と、島原鉄道の取締役に就任します。しかし、長崎市への原子爆弾投下によって、宮崎組は倒産してしまいます。
いっぽう、島原鉄道は昭和天皇の島原来訪のために、昼夜を徹した突貫工事が行われ、彼はそのときの過労により失明してしまいまいます。そして、妻から離縁の申し出があり離婚します。よく知られている「島原の子守唄」は、離婚後に彼が一人で子どもを育てた際に歌って聞かせた子守唄です。そんな彼をTV局で取材した司会者が後に妻になる和子さんです。そんな彼が、地元島原の集中豪雨で事故現場に向かって危機に晒されます。そこでふとしたことから土器に命を救われ、邪馬台国の位置を研究することに情熱を燃やし、妻となった和子とともに九州を行脚する旅に出るのです。
今は、邪馬台国は畿内説が有力ですが、様々な場所が今でも取りざたされています。その一つに、先週末訪れた大分県の宇佐があります。ここにある宇佐神宮は全国の八幡宮の総本社です。この原始八幡神の成立過程をみたり、その後続々とこの地を訪れる渡来人の多さ、そして、宇佐に点在する古墳の多さ等々が、邪馬台国を宇佐あるいはその周辺にあてた理由のようです。実際に、宇佐神宮の社殿のある地そのものが大きな古墳で、地中には石棺が埋まっています。
いくつかの川に挟まれた広大な平野を持つ宇佐の国指定の川部・高森古墳群のある史跡公園「宇佐風土記の丘」に立つと、この地方に日本の創世期から人々が住みつき、しかも、高い文化を持ち生活していた姿が浮かんできます。
cultureが文化でagricultureが何故農業なのか学生の頃には不思議に思っていましたが、cultureがラテン語の耕すからきていることが分かり、すっきりしました。
さて文化の日の今日、朝起きて「せっかく文化の日なんだから何か文化的なことでもしてみよう」と考えましたが、何をしていいのか分かりません。「文化的なこと」というのは抽象的でわかりにくいことに気づきました。藤森先生の言われるように「心を耕していくこと」と考えると、自分の中で文化の捉え方が少し具体的になります。言葉を具体的にしていくと、ぼんやりとしか見えていなかったものが少し見えてきたりします。おもしろいですね。
魏志倭人伝の有名な一節の「南へ水行二十日、南へ水行十日陸行一月」を現在の地理関係にあてはめて、どう解釈するかで邪馬台国の畿内説と九州説に分かれた大論争が起きたと聞いています。当時の魏の国との間でどれほどの交流があったかはわかりませんが、大陸に近い九州には、それを示す数多くの痕跡が残っているようです。少なくとも、他の地方よりいち早く一大文化圏を形成していたのではと推測します。映画「まぼろしの邪馬台国」、ぜひ見てみたいですね。本も読まないと。こうやって、いろんなものに好奇心を持って接していくことで、心が耕されて豊かな精神の土壌が生まれていくんですね。「文化」の意味を再確認できました。
テレビのCMで「まぼろしの邪馬台国」の映画を知っていましたが、どういう内容かは全く知りませんでした。主人公が目が見えないということは知っていましたが、それが邪馬台国とどのような関係があり、どのようなストーリーか見当もつきませんでした。今回、ブログを読んで映画の内容を知り、実際に見たくなりました。
今まで祝日は「何の日」かあまり意識せずに過ごしてきましたが、一つ一つの祝日にもしっかりとした理由があるのですね。日本人としてそこはちゃんと理解しておくべきだと思いました。日本の文化を伝承したりするのも大切ですが、祝日もちゃんと理解するのも「文化」なのかな?と思いました。
「邪馬台国」の存在については昔関心があり、文献をいくつか漁ったことがありましたが、現在詳しいことを覚えていないのが残念ですね。「邪馬台国」は古代史ロマンのひとつで、私たちのルーツの問題と非常に深く絡むわけですから関心だけは持っておきたいと思いました。映画のコマーシャルをみていると竹中直人さんの額にあたって割れ落ちる卵と吉永小百合さんの立ち姿が印象的で「何の映画?」と思ってしまいますが、今日のブログでストーリーがよくわかりました。いつか観てみたい映画のひとつとなりました。「八幡神社」にも関心がありますので、いつか大分県宇佐市を訪ねたいと思っております。かつては日本の中心の一つであった地と認識しています。