上司と部下

 今週号のPRESIDENTのメインの特集は、「上位2割のリーダーVS下位2割に決定的な違い」です。そのはじめには、このようなことが書かれています。
「自分のチームの成果が上がらないのは、部下に恵まれていないからではないか。思うように結果が出ないと、このように部下に原因を求める人は多いかもしれない。ただ、隣の芝生は青く見えるもの。本当は部下の能力に大きな差は無く、上司自身の指導法やマネジメント能力、普段のコミュニケーションに問題がある可能性もある。」
 これは、どんな世界でもいえることのような気がします。ブログでよく取り上げますが、旭川の「旭山動物園」の取り組みがあります。そのユニークな展示方法のアイデアが生み出されるのは、決してその才能を持った職員が揃っているわけではないのです。一時廃園を迫られるほど入場者が激減した園が、上野動物園に匹敵する入場者数を数えるようになったのは、何も職員が入れ替わったわけではなく、リーダーが入れ替わっただけです。
 雑誌の特集では、デキる上司とデキない上司の特性をアンケートから考察しています。
 「言われたことしかしない」と指示待ち部下に不満を感じるのは、できない上司のほうが多いようです。それは、「指示待ちの部下への不満は、わざわざ自分が指示しなくても自主的に動いて欲しいという期待の裏返し。ただ、それは自分が満足に指示を出していないことを棚に上げて、部下の自主性に頼る依存型の思考といえます。上司全体にこの傾向がありますが、デキない上司ほど顕著です。」と分析しています。
 「自分のことを棚にあげて」というのは、政治家などに最近よく見られますね。このような人は本来、リーダーには向いていないような気がします。「自ら率先して」実行する人でないと、部下は心からついていこうとはしないでしょう。
 意外な結果もあります。成果と人間関係のどちらを重視するかという問いに対して、「部下にプレッシャーをかけても成果を出す」を選んだデキる上司は、55.2%だったの対して、デキない上司では18.2%しかいませんでした。逆に「成果が下がっても部下との関係を保つ」と答えたデキる上司の44.8%に対して、デキない上司では81.1%もいました。デキない上司ほど人間関係重視という傾向が出ています。これについて、1950年代のマクレガーにより提唱された「成果と人間関係のバランスをとることが必要である」という理論から、最近では研究が進み、バランスより順序に焦点が当たっているといます。アメリカの研究では「目標を設定するときは厳しく、実行の段階では人間関係に配慮すると成果が上がりやすい」という結果が発表されています。
 また、デキない部下がデキる部下を大きく上回ったのは、「自らの信念で動く」という答えだったそうです。一見、自主性があっていいように思えますが、「責任や権限を越えて勝手に動けば、やはり評価は下がります。自分の信念を貫こうとするエネルギーがあるなら、それを上司への説得に注ぐべきでしょう」と言っています。しかし、この部下時代はマイナス評価の「自分の信念で動く」は、上司になれば長所に代わります。部下時代はデキない部下ほど自分の信念で動く傾向が強いが、出世すると逆に優秀な上司ほど自分の信念で動く傾向が強まるといいます。
 若い頃に真摯に学ぶ姿勢が、強い信念を作ることになるのでしょう。