動物園

 北海道の「旭山動物園」に、今年の10月初めに再度訪れたのですが、相変わらずの人気でした。この動物園の人気の秘密は、様々な工夫で動物を格好良く見せることにあります。「ホッキョクグマのダイビング」「アザラシの円柱水路での泳ぎ」「オランウータンの空中散歩」「ペンギンの水中トンネル」など様々な見せ方をしています。今年は、新たに「オオカミの森」が完成したばかりでした。
 この動物園の試みに影響されて、全国の動物園でも見せ方が変わってきました。私は、子どものころは、その頃住んでいた場所の近くだったこともあって、何度も上野動物園に行きました。遠足でも何度か行きました。しかし、小学生の頃に開園した、同じ都立動物園である「多摩動物園」での動物の見せ方に興奮した覚えがあります。この多摩動物園が、今年「開園50周年」を迎えています。
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 多摩動物公園が開園したのは、1958年(昭和33年)の子どもの日の5月5日です。戦後に娯楽施設として人気を誇った上野動物園の混雑を緩和すること、動物の自然な生態を見せること、動物の繁殖等を目指すことを目的として計画され、建設されました。この多摩動物園では、オリが並んでいて、そこを順に見て行くのではなく、広々とした緑の中を散歩するように見て行きます。動物は、オリではなく、出来るだけその動物が住んでいるような自然を再現した広場に放し飼いされています。
 展示は当初、アジア産の動物が中心でしたが、その後、少しずつ敷地を拡張し、新しい動物の見せ方を工夫しています。その試みは、私が小学生の頃に開園して以来、定期的に訪れているので、自分の成長と共に、色々な思い出と重なっています。
 まず、開園した1958年は、映画でもおなじみの、東京タワーが完成した年です。1964年に、アフリカ園が誕生しました。そして、ここに完成したライオンバスは、世界初の試みで、いまだに子どもだけでなく、大人にも人気です。
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 これは、旭山動物園の「もぐもぐタイム」のように、バスの脇にえさをつけて、それに飛び掛るライオンを間近に見ることが出来るのです。車内で椅子に座っている目の前に、大きなライオンが飛び掛ってくるのはとても迫力があります。また、この年には、京王電鉄多摩動物公園動物公園線が開通しました。
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 アポロ11号月面着陸成功した1969年には、昆虫園本館がオープンしました。1961年以来、チョウやバッタの展示に始まる充実した昆虫展示は、多摩動物公園の注目すべき特徴です。
その後、1978年に完成したチンパンジー放飼場では、長い棒を人工アリ塚に差し込んで、その先についた蜜をなめる姿を見ることも出来ました。そして、上野動物園にパンダが来たときに日本中を沸かせたように、1984年にコアラが初来日したときには、日本全国がそのかわいらしい仕草に魅せられました。2002年にリニューアルオープンした昆虫館本館の室内では、冬でも様々な蝶が色とりどりの花のあいだを舞っている姿を見ることが出来ます。
 昨日の日曜日に、久しぶりに妻と多摩動物園を訪れてみました。今年は、開園50周年ということで「アジアの沼地」がオープンしていました。新しい試みと改革、その裏にある努力は、本当に動物が好きでないとできない気がしますし、逆に、本当に動物を愛すればこそ、現状に満足することなく、新しい試みに挑戦していけるのです。