甘い誘惑

 昨日、職員の会話の中で「まったく、男のくせに泣くんだから!」という言葉を聞いて、私は、「男だから泣くんじゃないの?」と言いました。よく講演で話をしますが、私の息子が小さかった頃、公園で転んで泣いているのを妻と二人で慰めていると、後ろを通っていった6年生ぐらいの女子二人に「しょうがないよ。男の子だもん!」と言われました。私たちの世代では、男は泣くもんじゃないと教えられてきたのが、当時その頃から、泣くのは男の子というイメージが子どものあいだで広がっているのを聞いて、妙に納得したものです。もちろん、本当は個人差のものでしょうが、幼児を見ていると、確かによく泣くのは男の子のほうの気がします。
 そのほかにも、「男のくせに」「女のくせに」という言葉を使うことがあります。男女の違いがあることは確かですが、その多くは、刷り込みによる思い込みのことも多いような気がします。10月21日の読売新聞にこんな記事が特集されていました。
「男がとろける 甘い誘惑」というタイトルを見て、男性が女性の誘惑に心がとろける」というイメージを持った人は、男性に対して、かなり刷り込みを持っている人です。男がとろけるのは、何も女性に対してだけではないのです。実は、スイーツ好きの男性が増えているという特集なのです。甘いものを求めて、男性が人気店の行列に並ぶ姿も珍しくなくなっているようです。しかし、やはり「こっそり楽しむ隠れファンも多い」ということは、まだ男性がスイーツを楽しむのは隠れなければいけないことのようです。しかし、もはや、「男性は甘いものが苦手」という定説はなくなったのかと記者は取材をしています。
 この特集の最初のほうでは、最近増えてきているスイーツの店舗を紹介しています。東京・銀座にあるバーでは、ブランデーやラム酒など100種類以上の酒のボトルが並んでいますが、これらの酒をすべて、アイスクリームにかけて味わう店だそうです。その店の客の7割は男性で、しかも、40?50歳代が目立つといいます。どうも、甘い物好きの若者が増えたのではなく、最近は、年配にも甘い物好きがいるようです。
 記事では、こっそり楽しむ男性が多いのは、コンビニエンスストアでもうかがえると書いてあります。あるコンビにでは、自社開発のスイーツ購買層の6割が男性で、昨年6月からは、舌の肥えた男性向けの「男のスイーツ」をシリーズ化し、毎月、新商品が登場しているそうです。どうして、最近は男性も甘いものが好きになったのかというと、どうもそうではないようです。
 「スイーツ番長」という愛称でブログを開設している清水好夫さんは、「元々、甘いもの好きの男性は多い」と語っています。彼によると、スイーツ番長の元祖は「織田信長」ではないかと言っていますが、信長は、南蛮菓子が大好物だったそうです。また、産まれたばかりの赤ちゃんの口に甘いものを含ませると、笑顔を見せ、逆に苦いものを口に含ませると顔をそむけ機嫌が悪くなります。なにも、女の子や男の子の差はありません。
また、月刊男性誌「UOMO」(集英社)の編集長は、「手みやげなど、ビジネスでスイーツが活躍する場面が増えている。その過程で好きになる男性も多いようだ」と分析しているように、次第に好きになる環境もあるようです。
 この記事の最後に「そろそろ、男性も胸を張って甘いものをほおばっていい時代なのだろう。」と結んでいますが、男女というだけでなく、さまざまな刷り込みをなくして、自分はどうなのかをきちんと表現できるようのなかになってほしいですね。

甘い誘惑” への6件のコメント

  1. 始めて投稿します。
    いつも藤森先生のブログを拝見している保育士です。
    実は僕は泣き虫で、甘い物が好きです。
    小学校の家庭訪問で、母親が「どうしてこの子はこんなに泣き虫なんでしょう」と聞いていた事があります。
    先生の答えは「感受性が豊かなんではないでしょうか」とう答えでした。
    僕もそのように思います。
    色々なことが聞こえてくると、色々と考えてしまうので…、溜め込んでしまうのはいけないことなのでしょうが…。
    改善していかないといけないです部分ではあると思いますが…、よい部分でもあると思っていますが…。
    甘い物好きなのは、昔からですかね…。
    父親譲りなところもありますが…。
    甘いものをいただくと落ち着くことってありますよね!?
    男性にも『糖分』が必要だったりするのかなって思ったりします。
    女性がしている編み物などにも母親が特別していなければ興味を抱くことがあったりしたりするのかなって思ってしまいます…。
    が、みなさんはどのように思われますか?

  2.  私はかなりの泣き虫です。怒られるとすぐに涙が流れますし、悲しいストーリーや感動するストーリーを見ても聞いてもたくさん涙が流れます。
    それにしても男の方が泣き虫というのは、何となく分かるような気がします。「男のくせに泣くのだから」という言葉は、男性の方が強くて泣き虫でなく、泣き虫だから、あえて言うのかな?と思いました。
     甘いスイーツなどは女性がとても好むという印象も最近では変わってきているのですね。だからと言って男同士でケーキ屋さんやお菓子屋さんにいる風景はなかなか見ません。やはり恥ずかしくて堂々と並んだり、購入したりは抵抗があるのでしょうか。ブログに書いてあるように自分は何が好きなのかちゃんと表現し、それを、周りが何の抵抗なく受容できる世の中になるべきだと思いました。

  3. スィーツといえば、学生時代に初めてチョコレートパフェを食べて、都会にはこんなおいしいものがあるんだと感激したことを思い出しました。八王子駅前のくまざわ書店の近くの「北欧」とかいう喫茶店がサークル仲間の行きつけで、打ち合わせの時にパフェを注文したら、女の子から「男のくせに」と言われてえらいへこんでしまいました。(実は、その子に密かに心を寄せていたとかいなかったとか・・・)あの頃はやっぱり甘いものは女性の食べ物という雰囲気があったんでしょうね。ところで、最近不思議に思っているのは、料理人の世界に女性が少ないことですね。家庭での料理の主役は女性なのに、どうしてなんでしょう。それに、給食のおばさんはいても、給食のおじさんがいないこと。新宿せいがでは男性のコックさんがいるんですね。すごいと思います。

  4. 「男のくせに泣くな!」と言われたらどう感情を表現すればいいか分からなくなります。「男のくせに」とか「女のくせに」と言われていることはまだまだ多いんでしょうね。「男のスイーツ」が盛んに取り上げられる現状を考えても、男女の刷り込みはかなり根深いんだろうと思います。自分をそのままに表現する姿を子どもには見せていきたいと思っています。

  5. 3年前だったでしょうか。セミナー終了後数人でお茶を飲みながら反省会を、と入った喫茶店で「スイーツは何にしましょうか?」と男性参加者が問いかけました。僕は内心「スイーツ?」と何だか別世界の言葉を耳にしたという摩訶不思議な感覚に襲われました。その時はそのままやり過ごしたのですが、以後「スイーツ」というカタカナ語がいたるところにあり、なるほどトレンドなんだ、と納得しました。とはいえ、自分から積極的に「さて、スイーツは何しましょうか」、とはいかない今日この頃で、陳列ケースに「スイーツ」があっても注文するのは「飲み物」だけです。最近涙腺がもろくなったのか「男のくせに」よく涙します。特に相手が涙を溜めたらもうダメです。

  6. スイーツ番長、清水好夫氏の「元々、甘いもの好きの男性は多い」という言葉の裏には、スイーツだけでなく個人的な趣好を未だ表出できていない人は意外に多いということが伝わってきたりもします。TV番組でも「スイーツ男子」という名目のもと、若い男性がスイーツ店を練り歩くコーナーがちょくちょく見られますね。昔は、男性なのにスイーツ?という感覚があったのでしょうね。男という刷り込みが、趣好を妨げる要素になるような、そのような例をいたるところで目にしているのが現代でもあるのでしょうか。しかし、近年ではその傾向は減少へと向かい、個人が意見を伝えやすい世の中に変化していることも同時に感じています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です