食べ方

 そろそろ新そばの季節です。少し前にそばの花が満開でした。
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今日は、そばをいただきましたが、テーブルには食べ方が記されていました。まず、そばだけを食べます。そばの食感、味等、そばそのものを知るためです。その次に、そばに塩だけをつけて食べます。それは、そばの甘さを感じるためです。次に、薬味は使わず、つけ汁をつけて食べます。それは、汁の味をよく見て、そばと汁とのバランスを考えて、この後、そばにどのくらい汁をつけるか、薬味の分量をどうするかを決めるためです。そして、そば、汁を全て理解した後に、薬味をつけてそばを味わうのです。そのときに、汁は、そばの先端につけます。つける量は汁の味付けによって、そばとのバランスを考えて調整します。汁をつけたら、そのまま口に持って行き、箸で挟んだ汁のついていない部分を舌の中央に運びます。そうすることによって、そばの香りがまず楽しめます。次に、一気にそばをすすり込みます。このとき、猪口の縁にそばをあてると、そばについてくる汁の量を加減できます。そのとき、他の食べ物と大きく違うところですが、そばは音をたててすすった方が良いようです。そして、ただ飲み込むのではなく、ときたま、舌の後方の両側で味わいます。そして、そばを意識して噛むと美味しくなくなります。
そんな食べ方は個人の自由で、どのように食べても構いませんが、そこにこだわるのは、いかにも江戸っ子という感じがしますね。
ここのところのニュースで、パンを喉に詰まらせて志望した小学生のことが取り上げられています。新聞によると、東京都だけで、しかもここたったの2年以内の事例だけで、物がのどに詰まって救急車搬送された人が2443人もいて、即死亡した人が71人もいるそうです。(植物人間になっている人は把握できない)そして、一番多いのは、ご飯や寿司で次が餅、それから野菜果物、パンです。幼児に限ると、ウエハス、たまごボーロ、飴も多いそうです。
 私が小学1年生を担任していたときのことです。クラスに好き嫌いの激しい男子がいました。その子は、毎日、給食はほとんど食べません。食べるのは、食パンの真ん中の白いところをえぐり取り、それを手で丸めてのり状にして、それを口に入れてしばらくなめて飲み込みます。余りに奇妙な食べ方をするので、家庭訪問をして、母親から事情を聞いてみました。するとその子の母親はこういいました。「私は子どもがかわいくて、心配でたまりません。物を食べるときにも、喉に詰まらせないか心配なので、食べ物はすべてミキサーにかけてどろどろにしてから喉に流し込むのです。先日のカレーも、具を全部ミキサーにかけました。おそうめんもミキサーにかけて飲ませます。給食も、固形物は出さないで欲しいと思っています。」と言ったのです。その母親の周りでは、その子は手にスナック菓子を持って食べながら歩き回っていました。
 確かに、最近のスナック菓子は、硬いものは少なくなっています。やわらかく、口に入れると溶けてしまうようなものも多くなっています。それから、一口で食べることができるように小さくなっています。ですから、最近の子どもはあごの張った子は少なくなりました。これは、どんな影響を及ぼすのでしょうか。明日、摂食、咀嚼、嚥下について考えてみたいと思います。

食べ方” への5件のコメント

  1. うどん王国の住人ですので、そばにはまるっきり縁のない生活をしています。今日のそばの食べ方は新鮮ですね。これが江戸っ子の正統派のそばの食し方でしょうか。結局、素材のうまさをできるだけ味わうには、手間は惜しまないということですね。『信州信濃の新蕎麦よりも、わたしゃあなたのそばがいい』という都々逸を思い出しました。毎年、夏には訪れる信州は蕎麦どころで有名です。今度行く時は、山歩きだけでなく、食べ歩きで信州の魅力を味わってみようと思っています。

  2. そばを食べるとき一気にすすると、むしゃむしゃ食べるより香りを強く感じるようです。香りを感じることで味わいを深くする食べ方がこうして伝えられていることを考えると、やはり食べるということには多くの要素があるんだと思います。昔の食事はそれらが当たり前に行われていたように思うのですが、最近は栄養面だけがやけに重視されているように感じています。香りを楽しむことや噛むことなど大切なことはたくさんあると思うので、食事は総合的に考えなければいけないんだろうと思っています。

  3.  蕎麦の食べ方は以前、テレビで見た事があります。ブログで書いてあるような食べ方と一緒でした。私はその番組を見てから蕎麦が好きになったような気がします。
     パンを喉を詰まらせて死亡した事故は、私もニュースで見ましたが正直驚きました。まさかパンで喉を詰まらせるとは想像もしていませんでした。餅や販売中止になったコンニャクゼリーならまだ分かりますが…。確かに最近のお菓子は柔らかくて、砂糖が多く入っているものが多いと思います。あごが丈夫ではないのに加えて食生活もおかしくなるような気がします。

  4. そばの召し上がり方、実に参考になりました。かつてはそばを食すのにズルズル音を立てるのはなんだか下品、と思っていました。おそらく西洋にかぶれていた証拠でしょう。しかし、今日のブログを読んで、洋の東西を云々するのではなく、そばそのものを味わうには、それなりの「作法」があるんだ、ということに気づきました。これからは、作法に則り、ズルズル・・・っとそばを頂きたいと思います。パンをのどに詰まらせてなくなった小学生は本当に気の毒です。乳幼児の頃から自分にあった、無理せずに食べられることを身に着けていたら今回のような悲惨なことにはならなくて済んだような気がします。

  5. 数年前、上記のような蕎麦のおいしい食べ方を教えてもらいました。新しい蕎麦の香りを楽しむことができました。塩で食べるというのには、正直驚きましたが、それ以上に美味しさが勝っていました。食べ方を知ることで、その商品の見方が変わります。商品展開する上で、一緒に食べ方を提案するというのは重要なことなのですね。また、子どもを愛するがゆえに、子どもにとって生きにくい環境を作ってしまっているというのは、本当に悲しいことだと思います。子どもにとって本当に良いことというのを、誰もが知る社会が来て欲しいと強く願います。

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