外注

 「今日は外食をしよう!」と言うときの外食とはどういう意味でしょう。多くの人は、「外で食事をする」という意味で使うと思います。ですから、食堂、レストランなどの飲食店で食事をするということでしょう。
 これは、すでに室町時代からありました。それは「茶屋」と呼ばれるものです。よく時代劇などにも見られる「峠の茶屋」などもそうでしょう。それは、「茶店」とも呼ばれ、一種の休憩所であり、注文に応じて茶や団子などの和菓子を飲み食いさせる店舗として発達しました。食事を提供するようになって江戸時代初期には「めし屋」という店舗が登場します。そして、江戸時代の中期から後期にはそば屋や、留守居茶屋という店ができてきます。
 しかし、外食というのは、もうひとつ、外の人が作った食事という意味もあります。例えば、調理済みの弁当や惣菜の販売などの「中食」と呼ばれるものや、出前やデリバリーと呼ばれるものです。
これらの外食は、ファーストフードといわれる店舗が出現することによって、家族ぐるみで利用するようになりました。1970年、大阪日本万国博覧会会場にケンタッキーフライドチキンが出店したのに続いて、1971年マクドナルドが銀座三越に、ミスタードーナツが第1号店を出店し、続々とできていきます。それに続いて、ファミリーレストランができ、日本中の町の中で必ず目に入るほど店舗数が増えていきました。
 それが、今年に入って、外食産業の全店売上高は3年ぶりに減少しました。それに追い討ちをかけるように、メラミン混入とは、農薬混入などの問題が起きたり、健康志向から少しずつ外食が見直されてきています。
 食事の外注といった外食だけでなく、最近は、様々なものを外注するようになって来ています。掃除の外注、家事の外注、墓参りの外注まで現れてきました。2000年度に家事支援サービス市場は、547億円でしたが、10年には1000億?1200億に拡大する見通しだそうです。このように家事代行サービスの需要を伸ばしているのは、20?30歳代の働く女性のようです。そんな実態が、今週号の「週間東洋経済」に特集されています。そこには、こんなことまで代行させるのかと思うようなものが多くあります。
 両親が残業で保育所に迎えに行けないときや、塾や習い事の送迎などに利用されるケースが多い「子育てタクシー」というのがあります。このドライバーは、子どもとの手のつなぎ方や歩き方、コミュニケーションのとり方などについての研修を受けたり、子育てサークルや子育てに関する情報も学ぶそうです。いま、この資格を持つドライバーは全国で600人います。
 また、宅配業者のドライバーが集荷に来て、洗濯をしてまた自宅に配送する「洗濯代行サービス」のほか、コンビニで家事代行サービスのチケットを販売したり、コンビニが食事配達サービスをしたり、警備をする会社がその顧客に定期清掃から料理代行、子どもの世話、病院への付き添いなど身近な家事をサポートしたりします。
 当然、トラブルも多いようですが、ますます家事の代行は増えてくるでしょう。問題は、代行してもらう代わりに、何をするかということですね。

外注” への5件のコメント

  1. 男女共同参画社会法が成立して以来9年になりますが、男女共同社会への道いまだ遠しの感がありますね。女性が働くことは当たり前になりましたが、それに伴って、家事や育児は依然として女性の肩にかかっています。もっと男性がサポートすればいいのでしょうが、男性の労働時間も長すぎて無理ですね。勢い、保育園に育児をお願いし、家事は代行サービスを利用するようになるんでしょうね。ただ、このサービスをいったん体験するとそのありがたさに取りつかれる傾向があるといいます。つまり、忙しいからという大義名分を超えて、楽ができるからという単純な動機に変わるんですね。最近、保育園にもクレーマーが増えてきたのは、保育園を育児代行サービス業ととらえている親が増えているからでしょうか。

  2.  「外注」という言葉は初めて聞きました。以前何かのテレビ番組で掃除や家事を代行してもらうサービスがあるとは知っていましたが、まさかお墓参りの代行はどうだろう?と思いました。そして「子育てタクシー」は明らかにおかしいと思います。子どもは親がお迎えに来てくれると信じて待っているのに、知らない大人が迎えにきたら不安でしょうがないと思いますし、ましてや二人で車に乗ったらさらに不安になると思います。このサービスを利用するのは、よっぽどの事が無い限り利用しないと思いますが、つまらない理由で利用しないで欲しいと思いました。

  3. 急な陣痛でタクシーを呼んでも「シートを汚さないでくれ」と言われて不快な思いをしたといったことなどから、ドライバーさんにも理解を持ってもらおうと動きだして始まったのが子育てタクシーだったと思います。様々な形で子育てに関わっていくことができるんだと驚かされたのを思い出しました。
    代行の受けとり方ですが、代行してもらう代わりに何をするのかということは考えたことがありませんでした。大切にすべきことは何かをきちんと考えなければ、せっかくの代行も生きてこないでしょうね。

  4. いろいろな「外注」「代行」があるのですね。今日のブログの内容には驚かされました。「掃除の外注、家事の外注」はわかるような気がしますが「墓参りの外注」???。いやはやお墓参りまでアウトソーシングとは恐れ入谷の鬼子母神・・・です。田舎にいる時「運転代行」のサービスを享受することはありましたが、「子育てタクシー」や「洗濯代行サービス」のお世話にはなりたくないものです。それにしても「自立」どころか「依存症」の大人が増殖に増殖を重ねているようです。こうした「大人」が子どもを持ってもおそらくその子どもたちも同様に「依存症」になるのでしょう。乳幼児児童集団が存在する施設は子どもを「依存症」という病気に陥らせない努力をしていかなければなりませんね。いちいち「先生!先生!」と先生頼みにならない子ども集団づくりを心がけましょう。

  5. 掃除や家事というのはわかりますが、墓参りというのは新しい価値観が入ってきましたね。先祖のための墓は、生きている人が故人を想うために存在するのだと思っていましたが、それを他人に外注するというのは先祖に対する考え方が変わってきている証拠でしょうか。「問題は、代行してもらう代わりに、何をするか」という言葉にもあるように、私たちはそれよりも大切にしなくてはならない事柄があるということでしょうか。しかし、同時に先祖の考え方も変わってきているのかもしれません。墓参りに多くの時間を要するよりも、充実した生き方をして欲しいと生きている親族に思っているのかもしれません。私は、どう思うでしょうか…。

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