森の見学

 今日の休日は、妻と黒姫に来ています。そのひとつの目的は、「アンファンの森」の見学会に参加するためです。この見学会は、普段は会員に行われているものですが、今日は、一般公開でした。
 この森は、英国の南ウェールズ生まれのクライブ・ウィリアム・ニコル氏が、地元の放置林を買い取り「アンファンの森」と名付けたところです。現在は、この森を永遠の森にするためにC.W.ニコル氏は、この土地を寄附し、この森で起きることが、日本中の森がよみがえるための一歩となることを願って、「財団法人 C.W.ニコル・アファンの森財団」の森にしました。今日の見学会の最初に、財団の人から森の中で、みんなでサークルになって木のベンチに腰掛け、C.W.ニコル氏がなぜこの森を「アンファンの森」と名づけたのか、また、どうして森を守る活動を日本でしようと思ったか、そして、それがどんな成果を遂げているかなどを紙芝居形式で説明を受けました。そのいきさつはこう説明されています。
anfannomori.JPG
「北には流氷、南にはサンゴ礁、世界でもっとも生物の多様性に富んだ風土を持つ国、日本。そこに住む人々は、自然を愛する繊細な文化を持っていましたが、残念なことに、高度経済成長期以降、経済の発展のためにその自然の素晴らしさに背を向けるようになります。樹齢400年以上のナラ、ブナ、トチなどの大木が一瞬にして切り倒され、スギやカラマツの植林地になってしまいました。
ところが、残念なことに、日本人は経済の発展のためにその自然の素晴らしさに背を向けるようになります。樹齢400年以上のナラ、ブナ、トチなどの大木が一瞬にして切り倒され、スギやカラマツの植林地になってしまいました。
人間の都合に合わせた自然につくりかえられてしまった森は、野生動物を棲まわせたり、水をきれいにしたり土をつくったりする豊かな力を失っていきました。しかもその植林された森が、またもや経済的な理由で放置され、今や荒れ果てています。食べ物を失った野生動物たちは、里に下りて農作物を荒らさざるを得なくなり、絶滅の危機に危ぶまれるツキノワグマさえ、里におりてくれば害獣として打ち殺されてしまうのです。」
昨日のブログではありませんが、日本には四季があり、素晴らしい自然があります。それはニコルさんではありませんが、世界でもまれに見る多様な自然です。地方に行くと、まだまだ多くの森が残っています。まだまだ自然が残っています。しかし、それが思い違いであることを説明でわかりました。日本の国土に占める森林率は67%ですが、このうち、41%がスギなどの人工林ですし、その中で本当に原生林と呼ばれる森はわずかですし、もう一度人間の手を入れて本来の森を取り戻さなければならない森がほとんどです。
今日の見学会で、先頭にたっていろいろな話をしてくれたのが、松木さんという人でした。ニコルさんがこの森を取り戻そうとしたときに、地元でかつて炭焼きをしていた松木さんの森についての知識の豊富さに惚れて、森の管理を何度もお願いしたそうです。彼による途中の説明は、松木節といわれるような軽妙な語り口で、その森を心から愛している思いが伝わってくるようでした。見学会の終わりには、その森の入り口に立っている松木小屋の薪ストーブで作られたきのこ汁をご馳走になりました。

森の見学” への4件のコメント

  1.  森の見学会とはとても素敵な見学ですね。ニコルさんの事は何かの番組で特集されていたのをたまたま見たので、何となく知っていました。
     外国から見た日本というのは、色々な生物がとても生活しやすい環境でありながら、経済が発展すると同時に年百年も生き続けてきた木を一瞬にして切り倒し、そして、生活が出来なくなった生き物が餌を求め山から下りてくると害獣として扱われるというのは本当に悲しくなりました。そして日本にある森のほとんどは人工的に植えたスギという事実も私にとってはとても驚きました。たぶん多くの人は見た目は一見まだまだ自然はあると思っています。私もその一人でした。今日のブログを一人でも多くの人が読んで、日本の森の本来の姿というのを知ってもらうべきだと思います。

  2. 「アンファンの森」はとても大切な取り組みだと思います。本来なら日本人が気づいて実行しなければいけないことでしょうね。見た目だけで森はある程度残っていると思っていましたが、実態は人工林が多く原生林はわずかしかないんですね。自然との共生を目指しこうした行動を起こしている人の話を聞くと、自分が行動できていないことを気づかされます。誰かに頼るのではなく、何か1つでも自分で行動を起こすことが大事ですね。やる気をもらいました。

  3. お忙しい毎日の藤森先生が写真のような風景を享受されさぞかし至福の時だろうと拝察されます。しかも「日本の自然」に思いを馳せつつ、「この国のこれから」を考えておられる。今後お伺いするお話の端々に「アンファンの森」の体験が滲み出て、話を聴く私たちに言外の何ものかを伝えてくださるのでしょう。今から楽しみです。「緑の多さ」「自然の豊かさ」は大都市以外の地域でよく耳にします。私自身がそうした地域で育ったたのでおよその人に対する、特に都会の人々に対する自分たちの「誇り」という思いがありました。しかし、そうした所与の自然を私たちはどれほど知っていたか。東京のような大都会に来て実は身近な自然についてほとんど知らずにいたことがわかります。「自然保護」は「およその人」に触発されてやっと「地元の人」が取り組む、というのが従来のことであったかもしれません。「自然」についての当ブログの記事によっていろいろなことを考えることができます。

  4. 今朝、ある雑誌の企業広告で『最初の植物はいつごろ地球上に誕生したんだろう?』というのを読んでいました。皆さんはいつ頃だと思いますか。一番古い植物の化石は、南アフリカのトランスバールという所の34億年前の岩から発見させらたそうです。この当時の植物は、顕微鏡でなければ見えないような、小さな細胞一つからできている簡単なつくりだったそうです。でもこんな小さな細胞でも立派に光合成を行っていたというからすごいですね。地球の大気は、太古の昔から植物たちが営々と光合成を続けてくれたおかげで出来上がっているんですね。C.W.ニコルさんが「アフォンの森」を創り育て守っているのは、「人間は自然のおかげで生かされていること」を世の中の人々にメッセージとして発信するためなんでしょうね。

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