教育環境

 子どもたちにとってよい教育環境とはどういう環境でしょうか。例えば、緑豊かな、広々とした中で教育をするのがよいとか、音が全くしない無人島のようなところがいいとか言い出すとそれは様々な価値観の違いが出てきてしまいます。そうではなくて、大人が、子どもにどんな環境を用意して上げられるかというとある指針が出てきます。
 先日紹介した「ユニセフ・イノチェンティ研究所調査」では、教育環境の充実を象徴するものとして8品目を挙げています。それは、「学習机」「静かな学習空間」「勉強用パソコン」「教育ソフト」「インターネット接続環境」「計算機」「辞書」「教科書」です。この中で、これらの所有が6品目未満の家庭がどのくらいあるかという調査結果があります。その結果、日本は53・3%で、ギリシャに次いでワースト2位でした。
 では、学校における良い学習環境はどんなでしょうか。日本では、「学校環境衛生の基準」というものが決められています。その項目は次のようなものです。「照度及び照明環境」「騒音環境及び騒音レベル」「教室等の空気」「飲料水の管理」「雨水等利用施設における水の管理」「学校給食の食品衛生」「学校の清潔」「水飲み・洗口・手洗い場・足洗い場の管理」「ごみの処理」「ネズミ、衛生害虫等」の10項目が挙げられています。
 昨日の10月21日は「あかりの日」でした。電球・蓄音機・映写機という「3大発明」をしたエジソンが、実用的な白熱電球を40時間点灯させた日が、1879(明治12)年のこの日です。現在は、タングステン線がフィラメントの主流ですが、エジソンは京都産の竹を炭にしてフィラメントを作りました。
この「あかり」はとても重要な環境です。ですから、「学校環境衛生の基準」では、真っ先に挙げられています。また、「あかり」は、日常生活に必要な視覚情報を得るための重要な手段であり、生活文化の原点として、「あかり」は古くより人間生活に重要な役割を果たしてきました。今日、1日24時間を人々が活動できるのも「あかり」のおかげですし、またあかりは単に物を照らすだけでなく、そのあかりでホッとしたり、その場を演出してくれます。
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  さて、話を元に戻して、照明が環境として機能するための条件はなんでしょうか。まず、光を定量的に測定することを「測光」といい、電磁波の量に目の感度で重み付けをした量を「測光量」といいます。それには、「光束」「光量」「照度」「光度」「輝度」等があります。
「光束」とは、放射束を測光標準観測者の目を通して評価した量を表し,記号はΦ,単位はルーメン[lm]です。「光量」とは、その光束を時間で積算したもので,記号はQ,単位はルーメン秒[lm・s]です。また、光のりょうを表す中で一番使われるものは、「照度」です。この照度を正確に定義すると、照明によって照らされている面の単位面積に入る光束を評価した値であり,記号はE,単位はルクス[lx]になります。「教室及びそれに準ずる場所」において、望ましい基準として、下限値を「300ルクス」とし、「教室及び黒板の照度」は「500ルクス以上であることとされています。「光度」とは、光源の明るさを評価する量で,ある方向の微小な立体角内を通る光束を,その微小立体角で割ったもので,記号はI,単位はカンデラ[cd]です。「輝度」は、ある程度の大きさをもつ光源に対して、単位面積当たりの光度を求めるようにしたものが輝度であり,記号はL,単位はカンデラ毎平方メートル[cd/m2]です。
しかし、「明るさ」は人間が感じる感覚的なものであり,これを数値化するには注意が必要であると、国際的な機関であるCIEが中心となって,光に関する標準について勧告しています。数値で表せないものが人間には必要かもしれません。