「おりとりて はらりとおもき すすきかな」(飯田蛇笏)
お月見に飾ろうとススキを採りに行きました。かわらに一面、穂を風に揺らしながら涼しげに生えています。その姿は軽やかに見え、持って帰るときに、いかにも軽そうです。しかし、折り取って手に持ってみると、意外にずっしりと重さを感じます。それは、ススキの重さというよりも、そのススキの生命の重さかもしれません。いくら軽そうに見える姿でも、生きていくということは重いことなのかもしれません。
今年の中秋の名月の今日は、晴天率に反してきれいな月を見ることが出来ました。ここ数日、ブログでこの話題を続けているので、今日、実際に空を見上げた人が多いかもしれません。まさか、我を忘れて夜が明けるまで眺めていた人はいないと思いますが。
先日、園に秋の花でも飾ろうかということになり花屋に買いに行きました。しかし、秋の花はどうもどれも地味で、余り子ども向きではありません。そこで、とりあえず、お月見用としてのセットを買って帰りました。
秋の花の代表というと、もちろん思い浮かべるのは、万葉時代からの「秋の七草」ですが、これらの花も派手な植物が入っていず、しかし、ひっそりと秋の到来を知らせてくれる花ばかりです。
「秋の野に 咲きたる花を 指折りかき数ふれば 七種の花 萩の花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝貌の花」(山上憶良 やまのうえのおくら、万葉集)
万葉集の中で山上憶良が七草を選んで歌いこんだのが「秋の七草」になったのです。ですから、全く個人的主観ですが、これが今に至っています。
この歌の中の「尾花」とはススキの花穂が出ている時の呼び名です。今は、川原などに一面に生えている植物ですが、昔は、ススキは私たちの暮らしになくてはならない植物でした。茎葉は屋根材や家畜のえさに、根茎は解熱・利尿に用いられていました。ですから、お月見にススキを供えるのは、その風情だけでなく、豊かな穂が実りの秋を連想させるので、豊作を祈願したものといわれています。
一番論議になるのが、最後に挙げられた「朝貌の花」です。これをそのまま取ると、小学校1年生の夏の観察定番である「朝顔」でしょう。ですから、朝顔というと夏を代表する花のようで、秋というイメージではありませんが、その花の咲く期間が長く、俳句の季語としては秋になっています。しかし、「万葉集」や「源氏物語」に出てくる朝顔は現代の朝顔ではなく、どうも、「キキョウ」「ムクゲ」だと言われています。私は、桔梗の花が好きなので、秋の七草に入れて欲しいと思います。
このキキョウのことを韓国ではトラジといい、肥大した根をキムチ、ナムル、ビビンバなどの食材にします。焼肉屋でトラジという名前の店があるのはそれから来ています。
しかし、多くの人に好まれるのが「萩の花」です。
岡本かの子の「秋の七草に添へて」にこんな文章があります。「萩は田舎乙女の素朴と都会婦人の洗練とを調和して居るかと思えば、小娘のロマン性と中年女のメランコリーを二つながら持っている。その装いは地味づくりではあるが、秘かな心遣いが行き届いている。」
秋の野の花が咲き乱れる野原を散策して、短歌や俳句を詠むことが、昔から行われていました。秋の七草は、春の七草と違ってそれを摘んだり食べたりするものではなく、眺めて楽しむものです。まだまだ秋の花について話したいことがありますね。
3日目にしてようやくしっかりと月を見ることができました。15日が満月ということなので、もうしばらく家族で月を眺めることが続きそうです。
秋の七草はあちこちで見かけますが、とってきて飾るとガラッと雰囲気が変わってより強く秋を感じさせてくれる気がします。あまり派手ではないかもしれませんが、花は同じように咲いているのに勝手な見方をしてしまっていることを反省させられます。秋に咲く花の生命をもっと感じられるようになりたいものです。
猛暑とゲリラ豪雨の夏が過ぎ、もう秋ですね。ブログを読みながら季節の移ろいを感じることができます。夕方には虫の音色とビルの屋上に上がる月。そよ吹く風が少し冷ややかさを帯び、郷愁を誘う時期です。「桔梗」が韓国語では「トラジ」、そしてビビンバの食材になるのですね。「尾花」とくれば、「幽霊の正体見たり枯れ尾花」という川柳を思い出します。この「尾花」とは花穂の出ている「ススキ」のことなんですね。勉強になりました。我が子の夏休みの課題が「朝顔」の観察でした。夏休みに入ると田舎に行ってしまった息子に変わって水遣りと観察を私がしました。立秋を過ぎたころから盛んと咲くようになりました。「朝顔」=「夏の花」というイメージは私にもありますが、「立秋」を過ぎて八月一杯咲いていた朝顔はやはり秋の花?
秋の植物というと、ススキ以外はなかなか思い浮かびません。やはり、秋といえばお月見を想像して、そのお月見の風景を思いかべるとススキがあるからかもしれません。そして、秋と言えば柿や栗、松茸など美味しい食物ばかり連想してしまうので、秋の植物はなかなか知る機会ありませんでした。ですが今日のブログを読んで秋の植物というのを色々知れて良かったです。早速、保育室や玄関などに飾ってみようと思います。正直、私自身「秋」について全く知らないことばかりなので、秋について色々調べてみようと思います。
田舎に住んでいますので、秋の七草は普段から目にするはずなんですが、さして気に留めることなく過ごしていますね。こうして、あらためて日本の秋を代表する花をご紹介いただけると、日本という国の自然の豊かさを感じます。すすきは高原の花ですね。四国の高原地帯はすすきで満開だと思います。もう少しすると、山の上から紅葉が始まります。秋も駆け足で過ぎていきます。