保育施設についての基準を各国で決めていますが、施設の室内や屋外空間についての推奨基準を見ると、その国における生活のあり方がよく見えてくるのでとても興味深いものがあります。
例えば、フランスでは県レベルで保育所施設推奨基準というものがあります。その中でちょっと面白いものがいくつかありました。施設入り口の条件に「一番大きな子供が、着替えのために寝転んだり、座れたりするスペースを確保することが必要である」日本での入り口には、靴を収納するだけのシューズボックスが並んであるだけのところが多く、座る場所や、ましてや寝転ぶ場所として確保しているところはないような気がします。
「事務室」の内容に「最低でも、両親と二人の子どもを受け入れられる広さの面積が必要である」とあるのは、翻訳の仕方の問題かもしれませんが、事務所とは、事務をするところではなく、家族との面談の場所として捉えているようで、そのような役割を園は担っていることが分かります。
「調理室」は、「このスペースは、遊戯室(保育室)から離すことによって、子どもが食事やその他の活動の時間を静かに過ごすことができるようにすること」とありますが、日本の多くの保育室のように元気よく活動する場所で、食事をすることが多いのですが、外国では活動する部屋と同じ部屋で食事をするのは考えられないようです。フランスの他の県では、もっとはっきりと「独立した食事コーナーを設けることを推奨する」と決めてあるところもあります。
「衛生室」として、オムツ交換台やトイレの基準がきめられていますが、トイレのところに「小さなサイズのトイレ」ということと、「子供のプライバシーを尊重し、お互い離れた場所に配置すること。子供が水を流す装置を作動させることができるようにする。」とあります。この基準は、2歳までの園ですが、お互いのトイレを、水を流す音が余り聞こえないように離せと言っているのでしょうか。そうであれば、凄いですね。場所の問題もあるのですが、いま、日本の学校で男子がトイレを使いたがらないのは大便をしたのがわかってしまうということがありますが、流す水の音がしないようという配慮には驚きです。
施設に関する一般注意事項の中にも興味深いものがあります。その中の「温度規制」です。
「施設の室温は18~22℃に保つ。冷房は、熱波による健康上の被害を避けるための第1の解決策ではなく、建物設計上のミスを補う万能薬としては高価すぎることに注意する」これは、凄いですね。部屋が暑くなるのは、建物の設計上のミスであり、しかも、そのミスを補うために冷房を使うのは最終手段であるといっています。日本では、暑いとすぐに冷房をつけてしまいますが、もう少し配慮が必要ですね。まず、建物の設計を考えるべきでしょうが、具体的にどうかということも書かれています。「大きなガラス窓が付いた真南向きの部屋の配置は避ける」これも、日本の感覚と外れるところです。日本では、できるだけ南に大きな窓をつけようとするでしょうね。他の県でも遊戯室や保育室は真南向きの区画は避けるように指示されています。そして、防火のためかカーテンは付けないことを推奨しています。
暖房についても「19℃に統一。ただし、トイレ、洗面所、シャワー室は21℃」と書かれています。ずいぶんと低い基準ですね。壁は「洗剤で洗える光沢のある塗料」とあり、日本で多く見られる壁紙は考えていないようです。
基準は、風土の違いから来るものもあるかもしれませんが、日本でも生活のあり方を見直さなければいけないヒントもたくさんあります。
食事に関しての考え方は日本とずいぶん違うようですね。これも文化でしょうか。でも国がきちんと文化の伝承を考えているという点は素晴らしいですね。そして温度規制は勉強になりました。暑ければ冷房をではなく、あくまでも最終手段と考えれば工夫はまだまだできそうです。このように根本的に違う考え方に触れることは、参考にできたり自分たちの良さを見直せたりと、とても勉強になります。
フランスの保育所施設推奨基準は興味深いものがあります。施設の入り口には「一番大きな子供が、着替えのために寝転んだり、座れたりするスペースを」というのですから大したものです。そして「衛生室」も「子供のプライバシーを尊重し」とあるところなど子どもも一人の人格者として対応すべきである姿勢が見えてきます。それから施設内冷房使用を「建物設計上のミスを補う」モノとしながらもその使用を極力避けようとする配慮が伺えます。こうしたことから見えてくることは建物を含めた「環境」を通して子どもたちの育ちを見ようとする成熟した文化を持つ国と相変わらず「人」頼み、あるいは人の精神論を強調して問題が解決されると考える人が多い国との相違を感じざるを得ない今日のブログ内容でした。
フランスの保育施設の基準というのは玄関や事務室、調理室にしてもちゃんと理由もありブログを読んでいて、本当に興味深いと思いました。子どもや保護者の事を考えて保育施設の基準を定めていることに関心しましたが、日本の保育施設の基準というのが詳しく知らないので、聞いてみたいです。ですが、部屋が暑いのは設計のミスというのが驚きました。さらにエアコンを使用するのが最終手段とは日本では考えられません。私自身、保育園に限らず暑いとすぐにエアコンに頼ってしまうので…。確かに風土の違いもあるかもしれませんね。こうして違う国の基準などを知ることは日本と違いすぎて面白い反面、もっと見直さないといけない部分がたくさんある気がしました。まだまだ日本は変える部分がたくさんありますね…。
フランスはどちらかと言えば「個人主義」の国といわれています。保育所の施設基準にもそれがよく表れているようですね。施設の入り口は、日本は大人の靴の着脱を基準に考えられているような気がします。子どもは、大人のようにいかないので、もっとゆったりとしたスペースと、腰掛けられる工夫も必要ですね。フランスでは親の子育て相談は「事務室」で行われるのですね。日本ではあまり専用な部屋が用意されていないような気がします。2歳児のトイレからプライバシーが守られるのもフランスならではですね。すごいです。自分の権利が守られる代わりに、他人の権利(人権)も保障しないといけないことを小さい頃から学ばせるためでしょうか。フランスという国がどんな人材を育てようとしているのか保育所の基準から見えてきます。