印象

 昨日、一昨日とドイツの男子高校生といっしょに過ごしたので、どこに行こうかと迷ってしまいました。妻によると、「ドイツの高校生は日本のアニメ好きだそう。特にワンピースとか、ナルトとか。」ONE PIECE(ワンピース)といっても、女性の服装ではなく、週刊少年ジャンプ(集英社)に連載中の、尾田栄一郎作の少年漫画です。NARUTO -ナルトといっても、ラーメンにはいている具ではなく、やはり週刊少年ジャンプに連載中の岸本斉史による少年漫画作品です。その話しをしたら、「それは、偏見だ!」と怒られてしまいました。
 彼は、とても日本が好きなようです。ですから、ドイツの青年たちが日本についてほとんど知識がなく、興味も余りないことを憂いています。そんな青年たちの中で、日本に興味を持ち、関心をも持っている人たちは、日本のアニメ好きな人たちぐらいだそうです。ですから、日本でも、知っているドイツ人は、一部の日本のアニメ好きな青少年だということになるようです。お互いに相手の国のことをどのくらい知っているかというと、知っている人、知っている場所、知っている出来事からすべてを知ったかの錯覚をしてしまうことがあるようで、なかなか真実を見るのは難しいですね。
 今、NHK大河ドラマで、「篤姫」を放送していますが、彼女の夫である徳川家定の時代の1853年にペリーが浦賀に来航します。そのときに、その黒船を見た日本人は外国に対してある印象を持ったでしょうし、ペリーのほうも日本に対してある印象を持ったでしょう。その印象について、とても興味がありますね。
 日本では、ペリーの来航によってまず感じたのは、「脅威」でしょうね。ずっと、日本だけで平和に、外国から侵されることもなく、自分たちだけの文化を築いていたのに、幕府に開国要求を迫るわけですから。ですから、その脅威に備えるべく、幕府は、江戸の直接防衛のために伊豆代官の江川太郎左衛門に命じて、洋式の海上砲台を建設させます。工事は急ピッチで進められ、翌年、ペリーが2度目の来航をするまでに砲台の一部を完成させます。これが、品川台場(品海砲台)と呼ばれ、この台場に敬意を払って御をつけ、御台場と言ったのが、いまの「お台場」です。
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黒船で2度の来航で、下田、函館の開港をとりつけ、帰路両港を訪問します。そのときにペリーは日本をつぶさに観察し、その遠征航海の公式報告書を編纂し、「日本遠征記」を書いています。その中の教育についての感想は以前のブログでも書きましたが、女性についてこんな印象を持ったようです。「日本の社会には、他の東洋諸国民にまさる日本人民の美点を明らかにしている1特質がある。それは女性が伴侶と認められていて、単なる奴隷として待遇されていないことである。日本の母、妻、および娘は、中国の女のように家畜でもなく。一夫多妻制が存在しないという事実は、日本人があらゆる東洋諸国民のうちで最も道徳的であり、洗練されている国民であるという優れた特性をあらわす著しい特徴である。この恥ずべき習慣のないことは、単に婦人の優れた性質のうちに現れているばかりでなく、家庭の道徳がおおいに一般化しているという当然の結果のなかにも現れている。日本婦人の容姿は悪くない。若い娘はよい姿をして、どちらかといえば美しく、立ち居振舞いはおおいに活発であり、自主的である。それは彼女らが比較的高い尊敬を受けているために生ずる品位の自覚から来るものである。日常相互の友人同士、家族同士の交際には、女も加わるのであって、互いの訪問、茶の会は、合衆国におけると同じように日本でも盛んに行われている」
戦後の男女同権は、本当に同権なのでしょうか。男女同質を求めての運動だったのかもしれません。

印象” への6件のコメント

  1. 以前勤めていた園でニュージーランドの高校生を向かえ子どもたちとともに過ごしてもらうことがありました。その高校生君、何が一番好きか、というと日本のアニメ、でした。ニュージーランドでも雑誌かテレビか、あるいはDVDか、忘れましたが、ONE PIECE や NARUTO を良く観ていたそうです。来日中はたまたま両者とも放映されておらず残念な思いをしたようですが、それでも休憩時間には持参の日本アニメのコミック本を読んでいました。まさに、暇さえあれば・・・でした。幕末維新の日本人女性は確かに西洋人好み、だっかもしれません。立ち居振る舞い気品があり決して下卑ることなく、清楚さが漂っていたことでしょう。かつてとは異なるのでしょうが、現在なお日本人女性は外国人には魅力的、なのかもしれません。私が勤める園でもお父さんが外国人、お母さんが日本人、というご家族が何家族かあります。

  2. あることについて全てを知ることは不可能かもしれませんが、一部からいかに全体を推測すればいいかを、勘違いや失敗をするたびに思います。昨日もその手の勘違いから失言をしてしまい反省したところです。一部からできるだけ本質に近いものを掴むためには、思慮深さや広い視野を持つことなどが必要だと思うのですが、なかなか思うようにはいきません。自分にとってとても大きな課題です。

  3.  フランスでも日本のアニメがかなりブームになっていると以前テレビを見て知りました。そしてアニメのキャラクターと同じ格好をするコスプレなどもしているそうです。なかでもドラゴンボールがとても人気があるそうです。
     ところで、日本の女性はとても強いと思います。例えば先日行われた北京オリンピックでは、サッカーやソフトボールなど、どちらかと言うと女性のほうが目立っていたと思います。当時の日本の女性の印象というのは、とても良かったのですね。夫婦関係でも夫の一歩後ろに立つイメージです。ですが今はそうでもない気がします。女性の仕事を夫が家庭で支える感じがします。印象と言うのも時代によって大きく変わるのですね。今後はどのような変化をするか楽しみの部分があります。

  4. 先日、出入りしている保育園に行ったところ、園長先生がにこにこしながら「藤森先生にゆかりのある人が来たわよ」とおっしゃるのです。聞いてみると、藤森先生がドイツで通訳をお願いしている方が、田舎の実家に里帰りして、子どもさんに日本の保育園を体験させようと一時保育の申し込みに来たとのこと。ちょうど園長先生が藤森先生の講演を聞いたばかりだったので、藤森先生のお話で大いに盛り上がったそうです。このブログで、藤森先生にドイツの保育園の様子をご紹介いただいて、驚くことばかりでしたが、はて、普段ドイツの文化や風俗の中で生活しているこのお子さんの目に、日本の保育園はどう映ったでしょうか。印象を一度聞いてみたいですね。私たちが当たり前に思っていることが、実は彼の国ではそうではないことがありそうです。

  5. ペリーが感じた日本女性の印象として「立ち居振舞いはおおいに活発であり、自主的である」ということろが印象に残りました。昔の女性に対して、あまり「自主的」であるという印象を乗ったことがなかったのが正直なところです。それは亭主関白とか、三歩後ろを歩くとか、その他様々な刷り込みが勝手にそうさせてしまったいたようですね。「日本人があらゆる東洋諸国民のうちで最も道徳的であり、洗練されている国民である」と言われるのは、非常に誇り高いですね。そんな誇りを、新しい日本の形に進化させて、「同権」というものも考えなくてはいけないようですね。

  6. お台場はそのような意味からきているのですね。「道徳」という言葉があり、驚きました。まさに今のブログの内容ともリンクしますね。外部からの意見はとても参考になると思うのですが、まさにペリーも「日本は他の東洋諸国民のうちで最も道徳的であり」という感想を抱いていたことに驚きました。それは当時の日本が相手のことを考え、共感し、共に生活をしていたということでもありますね。寺子屋での教育もそうですが、当時の日本人の生活から学ぶことがたくさんあるということを考えさせられます。そういった伝統を絶やさないようにしていかなければなりませんね!

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