オリンピックと風水

今日、北京オリンピックが閉会式を迎えました。今回は成功だったのでしょうか。たぶん、成功だったのでしょう。それは、北京オリンピックの開会式や閉会式が行われたメインスタジアムは、「四神相応」の考え方に基づいて作られていますから。
 今年の4月のブログで、私の園が四神が守ってくれているかもしれないような内容を書いたのですが、実は、私はこの四神についてあまりよく知りませんが、建物について風水の世界ではこの四神が昔からいわれることがあります。四神相応の地形とは「東に川、南に海や湖または広い低地、西に大路、そして北に山や丘」の地理環境を備えた土地のことです。このように建物を作るとき、都を作るときにその場所を四神に相応させることがありました。昔から、町や城などがこれに相応しているといわれることがありますが、本当のことはよくわかりませんので、無理やりのこじつけ的なところもあるような気がしますが。
現在の日本で四神を「山川道澤」に対応させる解釈が一般的となったのは、平安京における京都の位置関係で、北の丹沢山地を玄武、東の左大文字山を青龍砂、西の嵐山を白虎砂、南にあった巨椋池を朱雀とする対応付けができます。(ただ、今は、巨椋池が埋め立てられてしまっています)ここでの対応付けが比較的うまく行ったと考えられた山川道澤との対応付けは、江戸時代以降に主張されるようになったもので、それが一般的な解釈とされるようになったのはようやく明治時代になってからです。このように、四神相応は、中国・朝鮮・日本において、天の四方の方角を司る「四神」の存在に最もふさわしいと伝統的に信じられてきた地勢や地相のことをいいます。ただ最近は、四神と現実の地形との対応付けについて、中国や韓国・朝鮮と日本では大きく異なっているようです。
中国や朝鮮での風水における四神相応は、背後に山、前方に海、湖沼、河川の水が配置されている背山臨水の地を、左右から砂と呼ばれる丘陵もしくは背後の山よりも低い山で囲むことで蔵風聚水(風を蓄え水を集める)の形態となっているものをいう。この場合の四神は、背後の山が玄武、前方の水が朱雀、玄武を背にして左側の砂が青龍、右側が白虎に相応させます。
「四神=山川道澤」説の典拠となっているのは、平安時代に書かれた日本最古の庭園書であり、現在でも造園史家の中でも最もよく研究されている「作庭記」です。この本は寝殿造を念頭においての庭園作りに関することが書かれており、その内容は意匠と施工法などですが、図は全く無く、すべて文章で書き表されています。その中で、理想の庭園の姿として四神相応観が重要視されており、さらに陰陽五行説に基づく理論化がなされています。そして四神としての山川道澤がない場合に、特定の種類の樹木を特定の本数植えることで「四神=山川道澤」の代用となることを説いています。
大相撲の土俵の上には、屋根がかかっていますが、これは、神明造りといわれるもので、その屋根の四隅には4色の房がぶら下がっています。もともとは、4隅に立てられていた柱に巻きつけられていたのもですが、青い房は四神の青龍(東)、白い房は白虎(西)、赤い房は朱雀(南)、紫または黒の房は玄武(北)を表しています。
 風水というと、なんだか占いの世界のような気がしますが、中国だけでなく、日本の古くから伝わっているもの中にも、それに由来するものが数多くあるのですね。また、作庭記ではありませんが、科学的根拠がある場合もあるようです。

オリンピックと風水” への5件のコメント

  1. 藤森さんのブログを興味深く拝見しております。
    現在、特別支援学級に携わっています。そこで算数を担当しています。
    教材研究の参考にさせていただきたいのですが、藤森さんの著書「さんすうのはじまり・こくごのはじまり」はどこで手に入るでしょうか。教えていただけると嬉しいです。

  2. いつもブログを読んでいただき、ありがとうございます。
    お問い合わせの書籍は、株式会社学習研究社から発刊されているもので、書店販売は基本的には行っていないようです。
    お近くの学研代理店か、直接本社にお問い合わせください。
    http://www.hoikucan.jp/m3_books/book6.html

  3. 今のように科学が発達していない時代からある風水の考え方にも科学的根拠もある場合があるというのは興味深いです。長い年月を経ても続いているものは、何かしら根拠があるからなんでしょうね。科学が発達していなくても、なければないで失敗などの経験を繰り返して本質をつかむことができるとしたら、今の自分は考えることや行動してみることがまだまだ不足しているかもしれません。人間の力は奥が深そうです。

  4.  日本のメダルの獲得数が前回より少ないので、少々残念な気がしますが、2連覇や競技上初のメダル獲得などでその点はとても楽しめました。メインスタジアムに風水の考え方を取り入れているとは初めて知りました。そのおかげで中国のメダル獲得の数が多かったのかもしれませんね。しかし、占いに科学的根拠がある場合があるのは驚きです。占いというのは科学では証明できないものだと思っていました。個人的に占いは信じるタイプなので、それが科学で全て証明されてしまうと素晴らしいと思いますが、何かショックを受けてしまいます。占いは科学で証明出来ないのところが何かロマンを感じます。

  5. 「四神」について関心のきっかけとなった出来事が「キトラ古墳」の公開でした。今では同古墳壁画の四神の劣化が懸念されています。「劣化」の「懸念」ということで言えば高松塚古墳の壁画の劣化も重大問題です。「発掘」されたばかりに「劣化」の憂き目に会う。なんとも悲しい事実です。さて「四神」の考え方が中国・朝鮮・日本で異なるというのは実に興味深いですね。おそらく元々は同じであったのが、それぞれの地域の特性に応じた時代変遷によって各々相違することになったのでしょう。いつ頃から如何なる理由で相違するようになったのか、非常に知りたい事柄です。平安京や江戸が風水によって造営された都であったことは今さらながら驚きです。そして「風水」が単なる「占い」ではなく東洋の叡智であることに深く感動します。

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