子どもの五感を刺激することがよいといわれますが、それは、聞く、触る、味わう、臭いをかぐという動作をする度に、脳と神経細胞の連結部分の効果を増す信号が25回、脳に送られといわれているからです。そして、その五感を刺激していくものが、子どもにとっては遊びであり、さまざまな最良の遊びが、より良い効果を促すのです。そして、その遊びに興味を持ち、遊びの中から新しい発見をし、それを繰り返していくことによって、脳のシナプスといわれている連結箇所が強化されていきます。
また、子どもたちが遊びに熱中することがありますが、このように遊びに没頭しない子どもの脳は、通常の子どもより20~30%小さく、孤独、落胆、軟弱といった症状が見られるようになって行きます。このような「遊びの欠乏」症状は、社会性、技術力に欠け、自信を失い、内気な性格になる傾向があります。
おもちゃは、子どもたちにとっては、五感を刺激するためにとても効果的な遊びの道具です。そして、おもちゃは、子どもたちの想像力を養いながら学び、使い、管理、創造、発明するための大切な手段であり、成長の手助けをする、必要不可欠な道具です。
社団法人日本玩具協会による「東京おもちゃショー2008」が6月19日より22日まで東京ビッグサイトにて開催されました。東京おもちゃショーでの来場者は年々増加傾向にあり、2007年の総来場者数は11万1619人(うち業者日は1万8325人)と10万人を突破しました。
そのイベントに伴って行ったアンケートによると、2007年度(07年4月~08年3月)の国内玩具市場規模は6709億円で、前年度比3%増と4年ぶりに前年プラスとなりました。近年、玩具の需要は減退傾向にありましたが、任天堂DS等携帯型ゲーム機のヒットの影響で、玩具の市場にようやく明るさが戻ったようです。ただ、少子化のなか、各社とも玩具の対象年齢層を広げる工夫をしているようです。また、玩具の販売チャネル自体は多様化しており、玩具の小売業の売上高は、07年度も前年度を下回っているところが多く、家電・カメラ量販店、ネット小売業などの新しい販路での売り上げが拡大しているとの指摘もあります。
07年度の玩具市場で最も伸びが大きかったのは、カードゲーム・トレーディングカードの部門で、前年度比4割増でした。携帯型ゲーム機人気の影響を最も大きく受けたジャンルですが、「遊戯王」(コナミ)や、「デュエル・マスターズ」(タカラトミー)などの新シリーズが好調で復調したようです。市場規模は545億円と、全体の8%強になっています。また、「Yes!プリキュア5」やクッキングトイ、ビーズ商品などが好調だった女児玩具は、前年度比13%増(443億円)、「仮面ライダー電王」「ポケモン」「トランスフォーマー」などが伸びた男児キャラクター玩具も同11.5%増(396億円)、ミニカーやレールトイの伸びた男児玩具も同10.4%増(500億円)だったそうです。
一方、市場規模で最大の知育・教育部門は、少子化を反映して前年度比0.5%減(1470億円)と伸び並み傾向は変わらず、また、前年度は「たまごっちプラス」のヒットで拡大したハイテク系トレンドトイも、今年度は点数が少なかったことや、話題となるような大きなヒット商品が不在だったため、前年度実績の約5割(87億円)の水準に落ち込んだようです。
少子化は、こんなところにも影響してきますが、やはり魅力ある商品開発が決めてでしょうね。
おもちゃの持つ力にはいつも驚かされます。それぞれのおもちゃが子どもにどういう刺激を与えるかについて、本当によく考えられています。だからこそ個人的には、任天堂DS等のゲーム機はおもちゃとは違う分野で考えるべきだと思っています。おもちゃ屋さんをのぞく度に、今どんなものがはやっているか、何を目的に作られているかを考えます。今の社会や子育て観が表れているようで、なかなか面白いです。
以前、藤森先生が講演の中で引用されていた「ゲーム脳の恐怖」という本を読みました。テレビゲームのやりすぎで、前頭前野の活性が失われるわけですが、いったんゲーム脳になったらお手玉遊びをさせるのが効果的だそうです。『前頭前野は3個のお手玉をどの順番に投げ上げて、次の右手は、左手はというように、目と手の触角をフル回転させなくてはなりません。時系列的な作業を考え、位置関係を考え、皮膚が刺激されて感覚野に情報がいきます。』確かに、お手玉やけんだまは頭を使いそうですね。昔は路地裏や空き地で子どもたちが、そんな遊びを楽しむのが日常の光景だったのが、今はありませんね。せめて保育園や幼稚園でしっかりと体験してほしいと思います。
おもちゃによって神経細胞の効果を増す信号が25回も送られているのは、凄い効果があるのですね。そして、遊びに集中できないことによって社会性、技術力に欠け、自信を失い、内気な性格になる傾向があるとは、おもちゃが子どもに与える影響というのは大きいと思いました。そのため大人は子どもにおもちゃを与える時は、十分に考える必要がありますね。そして、少子化になってきている時代でどのようなおもちゃが子どもにとって良いのか、商品を開発する企業は考えるべきだと思います。
「遊び」が子どもの「戯れ」程度で大人に把握される、あるいは大人の「遊び」(低価値のもの)から類推された「子どもの遊び」、という認識が一般化していると、結局のところ、子どもにとっての「遊び」の積極的意味が見失われがちになります。そして、その「遊び」の積極的側面が看過されると、遊びの道具である「おもちゃ」に対する認識も軽薄または希薄なのものとなります。日本のゲームは今や世界の各国に輸出されています。そして各国の子どもたちの興味関心の的となっています。しかし、その「ゲーム」の意味を見抜く大人たちによって「野放し」にはされていないようです。公共住宅の階段で子どもたちが4,5人たむろって各自DSに興じている姿を時々見かけます。日本の子どもたち特有の姿、のようです。