寄付2

日本は、寄付金が少ないというのは、決して国民性でないことが他の事例でも分かります。江戸時代では、相互扶助という概念が強かったのですが、明治に入ると寄付は盛んになります。第二次世界大戦以前は、皇室や財閥などによる寄付が寄付総額の30%にのぼるなど、福祉のかなりの部分を寄付が担っていました。しかし、日本は民主主義国家でありながら、世界でもまれな福祉国家になって行きます。それによって、福祉は政府が責任を持つという意識が広がり、お互い様というよりも、国がやってくれるだろう、国がやるべきという考え方が広がり、寄付に対する考え方は薄れてきます。そうは言っても、何か災害が起きると、多くの人たちは義捐金というものを寄せてくれますし、若い人も率先してボランティア活動を行います。それは、日本海での重油騒動のときでも、阪神・淡路大震災のときでも多くの人が復興に協力しました。
しかし、それら寄付行為というものが日常化しないのは、寄付がどのように使われるのかが明確でないなど、本当に必要な人のところに届いているのかが見えないことにあります。もうひとつには、寄付行為に対しての税金控除が少ないことにあるような気がします。
現在、納税者が国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対し、「特定寄附金」を支出した場合には、所得控除を受けることができます。これを寄附金控除といいます。そして、政治活動に関する寄附金のうち一定のものについては、所得控除に代えて、税額控除を受けることも出来ます。これは、ある算式で計算した金額(その年分の所得税額の25%相当額を限度とします。)について、税額控除がうけられるのです。この一定のものというのは、政治資金規正法第3条第2項に規定する政党及び政治資金規正法第5条第1項第2号に規定する政治資金団体に対する政治活動に関する寄附(同法の規定に違反することとなるもの及びその寄附をした人に特別の利益が及ぶと認められるものを除く。)で、政治資金規正法第12条又は政治資金規正法第17条による報告書により報告されたものと決められています。
 しかし、政治活動への寄付行為に対しての優遇措置に比べて、国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対し手の寄付行為に対しては余り優遇されていない観があります。そこで、昨年、税制改正に伴い、4月1日より「所得税法等の一部を改正するの法律」が施行され、所得税に係る寄付金控除について、控除限度額が引き上げられることとなりました。この控除限度額については、これまで、寄付者のその年分の総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額(以下「総所得金額等」という)の30%相当額とされていましたが、規定が改正され、総所得金額等の「40%相当額」に引き上げられました。これで、少しは寄付が増えるようになるでしょうが、しかしこれでは、土地や家などの寄付はしないでしょうね。また、アメリカでは、高額だけでなく、少額でも控除対象になります。
今後の問題として、私たちは、なんでもお上がやってくれるだろう、ただ、要求をするのではなく、自分たちは何が出来るだろうかと考えることが必要になってきます。また、国でも、寄付やボランティアを個人的に思いだけに頼るのではなく、きちんとそれを受けるシステムなり、透明性を確保する必要がある気がします。せっかく、人のために何かしようという気持ちがあるのですから、それを上手に生かす工夫をしてもらいたいものです。

寄付2” への4件のコメント

  1. 寄付金がどのように使われているか見えにくいということは確かにありますね。もしかしたら変なことに使われるかもしれないと思って寄付をためらったことは何度もあります。寄付をしたいのに誰かを疑ってしまうのは嫌ですね。言われるように、人のために何かしたいという気持ちを行動にうつしやすいシステムや場の整備は必要だと思います。

  2. Ask not what your country will do for you- ask what you can do for your
    country.(諸君の国家が諸君に何をしてくれるかを聞きたもうなー諸君が諸君の
    国のために何ができるか聞きたまえ)今日のブログを読んで、ケネディの演説の中
    にこんな一節があったのを思い出しました。長野県に栄村という小さな村がありま
    す。この村では、道路の改良は村の直轄事業で行うといいます。なぜか、国の補助
    事業にすると全国一律の規格にしないといけないので、地元負担が大きくなる。予
    算もなかなか付かない。完成するまで時間がかかる。そこで、国の補助金なしで村
    単独で最低限の工事をしたと云うんです。村の職員が中心となって建設班を組織し
    て工事を完成。国の事業の3割以下の経費で、10倍以上のスピードで道路はでき
    たということです。地方は国におんぶにだっこではなく、もっと自立して行くこと
    が求められると思います。そして市民も地域のために何ができるか常に考えないと
    いけませんね。

  3. こうして「控除限度額」からみると、わが国の「チャリティー」精神はまだまだ発展途上です。かつて「1億総中流化」ともてはやされ、やれ「経済大国」だ、「Japan as No.1!」だ、と持ち上げられると、「へぇっ、そうかなぁ~」とその気になりやすいのですが、その実態は「国がやってくれるだろう、国がやるべき」という依存精神がチャリティー精神を凌駕している姿です。そして日常ベースで欠如している倫理観が「社会貢献」という思想です。現今の学校教育も就学前教育もその大半は法律やガイドラインに縛れ、言葉としては「社会貢献」があっても実態としては強制されて行う、という極めて消極的な実像がこれまた見えてきます。「共生と貢献」が正当に評価され実行に移されなければ、わが国の未来は「世界がうらやむ」どころか蔑みの目で見られることになるでしょう。

  4.  「寄付金」という言葉はもちろん知っていますが、寄付金には制度があって、決まりがあるとは知りませんでした。なので今回のブログを読んで少しは分かったような気がします…。寄付金もそうですが、私達が納めている税金の行方の方がもっと気になるところです。税金を一部の政治家は乱用したりなど、見るに耐えません。寄付金も不透明な分そうした利用もされている可能性もあります。しっかりとした体勢を作り上げて、寄付をする側の気持ちを大切に受け止める必要があると思います。

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