今日は、香川から福井への移動日でした。JRで坂出まで出て、そこからマリンライナーに乗って、瀬戸大橋を渡って岡山行き、そこから新幹線で京都まで行き、京都からサンダーバードに乗って福井まできました。そして、今日の宿泊先は、一昨年ブログで書いた「一筆啓上」で有名になった丸岡です。また、このあたりは、福井県出身の作家・故水上勉氏の小説「越前竹人形」でその名が全国的に知られるようになった越前竹人形が有名です。豪雪地帯の厳しい寒さに耐えうる良質の真竹や孟宗竹が育つ越前では、この竹を利用して籠や笊、花器などの竹工芸品が古くから作られてきました。その竹細工のなかで、特に真竹、孟宗竹など竹の持つ直線と曲線の美しさをそのまま取り入れて創られる竹人形は、今や伝統工芸にもなっていていますが、その繊細で美しい姿は素晴らしいものがあります。
今、夏休みで子どもたちは色々な体験をしていますが、このあたりでは、様々な竹工房があり、様々な竹細工工作教室が開かれています。その初級者対象として「竹とんぼ」があります。この竹とんぼとは、プロペラと軸によって構成される日本の伝統的な飛翔玩具ですが、その名前は当然、素材として竹が用いて、トンボのように飛ぶので、「竹蜻蛉」と書くことが多いようですが、実は、竹飛ぶ棒(竹トブボウ)から竹トンボ、また、竹品棒から竹トンボの名前となったともいわれています。
もうひとつ、竹細工でトンボといえば、以前、園の近所の方からいただいた「ゆらりトンボ」というものがあります。これは、「やじろべえ」の原理で、細い竹の絵での先端に、風の吹くまま気の向くまま、ゆらゆらゆらりとバランスを取って同じく竹で作ったトンボが乗っています。トンボといえば、校庭などでクラブ活動の最後にその土をならすために使う「T字型の整地用具」がありますが、これは、トンボの全身に似ていることからこの名が付けられています。

なんで、こんなに「とんぼ」が話題になるかというと、移動の途中で時間が少しあったので散策した鴨川で、懐かしいトンボを見たからです。そのトンボは、真っ黒な羽根に、コバルトブルーの胴体をしています。「ハグロトンボ」です。
河原や水辺に近い涼しい木陰を好むこの夏のトンボは、ここ数年は絶滅も心配されていたようです。私も、昔はよく見かけましたが、最近は余り見なくなりました。しかし、ここ数年は、各地で目撃されているようです。今日見かけたハグロトンボは、胴体がコバルトブルーをしていましたがこのように、体色が全体的に黒く、緑色の金属光沢がある胴体を持つのは、実は雄だけのようです。雌は黒褐色です。このトンボは、姿が他のトンボと違うだけでなく、その飛び方も他のトンボのように素早く飛翔したりホバリングしたりはしないで、蝶のようにひらひらと舞うように羽ばたきます。そして、止まるときは、羽をたたみます。これは、生きた化石といわれている「ムカシトンボ」のように、原始的な形が今でも残っていると聞いたことがありますが、ちょっと、定かではありません。
また、このハグロトンボのことを私は「おはぐろトンボ」と言っていました。ですから、「羽黒トンボ」という漢字を見たときに、「あれっ?」と思ってしまいました。この名前の由来は、翅が黒いことに由来するのではなく、婦人が歯を黒く染めた「お歯黒」に似た翅の色から「オハグロトンボ」と呼ぼれていたことに由来しています。また、歯を黒くすることを「鉄奬つけ」といったので「カネツケトンボ」と呼ぶこともあり、ゴクラクトンボ、ホトケトンボ、カミサマトンボなどの呼び方もあります。
梅雨が明けたあとの、夏本番になったという実感を持ったひと時でした。
今日も暑い1日でした。昨日あたりから日差しが変わってきたように感じます。雲の様子も変わってきました。すっかり夏ですね。私の園の事務室には毎日のようにイトトンボがやってきますが、たまにハグロトンボと思われるトンボも紛れ込んできます。シオカラトンボやオニヤンマも入ってきます。トンボにとって過ごしやすい環境なのでしょうか。もうしばらくはトンボのいる風景を楽しめそうです。
トンボというとまず思い浮かぶのは長渕剛の名曲「とんぼ」です。20年前の同名のドラマの主題歌でしたが、いい歌ですね。大好きです。ちょうど彼と同世代で、地方から東京に出た経験があるので、この歌を歌うたびに東京時代の思い出がよみがえってきます。『死にたいくらいに憧れた 花の都大東京 薄っぺらのボストンバッグ 北へ北へ向かった ざらついた苦い砂をかむと ねじ伏せられた正直さが 今頃になってやけに骨身に染みる』今、マイクを渡されたら絶叫しながら歌ってしまいそうです(笑)。藤森先生はたまにはカラオケに行くのでしょうか。こんど、お付きの方にそっと聞いてみようと思います。
香川から福井までの遠距離移動。先生のお体が心配です。昨日のブログにも書いてありましたが、全国で猛暑になっているので気をつけて下さい。福井といえば何度か訪れたことがありますが、越前ガニを思い浮かべます。福井の有名なものは他にも色々あるのですね。
二枚目の写真のトンボは綺麗なトンボですね。写真を見たときは糸トンボかと思いましたが、違うのですね。ハグロトンボというのは初めて見ました。私の実家にもそろそろシオカラトンボが飛び回る頃だと思い出しました。音からだけでなく、虫や植物からも季節を感じることの大切さを今の子ども達に伝えていこうと思います。その為にも私自身、色々なことを知っておく必要がありますね。
香川から福井までの移動、乗り継ぎ、乗り継ぎ、で楽しそうです。トランジットの場所場所で感じるものが違うでしょうから、さぞかしいろいろな発見があったものと拝察致します。そのトランジットの京都で「鴨川散策」そして何と「ハグロトンボ」しかも写真付き。この写真がまたいい。何が良いかというと、ハグロトンボと鴨川、しかも鴨川の流れがたゆとうています。細い草が斜めにハグロトンボと交差しているところが自然で、さらに全体として芸術的ですらある。またまた良い写真をものされました。ところであの「竹トンボ」が何故「トンボ」なのか疑問に思っていましたが「竹飛ぶ棒」からの転訛であるなら納得いきます。竹細工の「ゆらりトンボ」も素敵です。風にバランスを取る「ゆらりトンボ」の実物を見たいと思いました。「一筆啓上」致しました。
阪神間に住んでいるものです。昨日夕方に路地裏にはいっていくと後ろから地につくほど低く飛んできて私を追い越していった黒いトンボがいました。ひらひらと飛んで2,3メートル先の草に止まるのです。すると翅が一枚になり、あら不思議とみていると、ふわりと4枚にひろがります。その変化の美しいこと。私が少し追いつくとまた2,3メートル翅を閉じたり開いたりしながら飛んで草の上にとまり、翅を一枚、4枚、一枚と静かに動かしながら、私を待っているかのようでした。
若く逝った人の魂かしらと思わず感じました。
胴にたつ一片ふわり四翅にひろぎ
おはぐろ蜻蛉はてふてふと飛ぶ