夏の音

 昨日、木陰を歩いていてふと気がついたら、蝉が盛んに鳴いていました。「あれっ?梅雨って、明けたっけ?」と思ってしまいました。すると、今日になって、気象庁では関東甲信、東海、北陸、東北南部、東北北部が梅雨明けしたと思われると発表しました。すると、突然各地で気温が上昇し、猛暑日となったようです。これで、16日、近畿と中国地方が梅雨明けしたとみられるに続いての発表です。今年の梅雨は、梅雨前線の動きは平年より活発ではなく、例年に比べてずいぶんと雨量は少ないようです。関東甲信地方でも「太平洋高気圧の張り出しがまだ弱い」ために、実際は雨があまり降らず、もう明けているのではないかと疑う日が続きましたが、やっと今日の発表になりました。やはり、蝉のほうが先に梅雨明けを発表したようです。
 このように、音によって季節を感じることがあります。1971年の吉田拓郎の名曲に「夏休み」という歌がありますが、1番に歌詞に「麦藁帽子は もう消えた 田んぼの蛙は もう消えた それでも待ってる 夏休み」というのがあります。今日から小学生たちは夏休みに入ります。今、香川に来ていますが、夜は周りの田んぼから蛙の声がします。このように世界中で蛙は鳴くことで有名ですが、そのほとんどは、オスがメスを呼ぶために大声で鳴きます。しかし、日本では、それだけでなく、かえるの鳴き声で気候とか、季節を感じます。アマガエルなどは、その名のとおり、低気圧が近づいたり、雨が降っているときに鳴きだします。
 今日の夜聞いた水田で一斉に鳴きだした蛙の声は、「蛙の大合唱」といって夏から秋の風物詩となっています。この鳴き声は、「広告音」といって、繁殖期にオスが他の個体に対し、自分の存在をアピールして鳴くものです。そうすることによって、メスを引き付け、オスを排除しているのです。
その騒がしく聞こえる蛙の声とは逆に、蛙の鳴き声によって、静けさを感じることもあります。夜、家の外から静かに響いてくる蛙の鳴き声に美しさを感じるのは、日本人特有かもしれません。古くから、多くの俳句や歌に詠まれています。先日、テレビで特集していましたが、芭蕉の有名な句である「古池や蛙飛び込む水の音」は、その静けさを、蛙の声ではなく、飛び込む水の音で表現したのは当時非常に珍しく、名句といわれる所以だそうです。
このような聴覚も五感のひとつです。昨日のブログでやはり五感のひとつである視覚を刺激するために色彩を取り上げましたが、この聴覚への刺激も必要でしょう。聴覚といっても、音の強さ、音高、音色、音源の方向、リズム、言語など様々な音を認識する能力です。今年の園の夕涼み会では、五感を刺激するコーナーが、自然をテーマに作られます。その中で、聴覚についてのコーナーでは、4種類の音を聞かせ、それぞれの音はどの季節の音かを子ども達に当ててもらう予定です。準備の話し合いの中で何の音にしようかということで、、当然、夏の音は、蝉の鳴き声です。それから、春の音は、鶯などの鳥の声でしょうし、秋の音は虫の声でしょう。では、冬の音は何かという話になりました。たぶん、雪が深深と降っている音ということで、無音にしようという計画です。無音も、音のひとつかもしれません。

夏の音” への4件のコメント

  1. 私も「昨日」、神田川に架かる橋上を渡っているときに「蝉の鳴き声」を聴きました。夏を感じました。と同時に「夏の終わり」の寂寥感も台頭してきます。「夏の音」と言えば、私にとっては「海の波の音」が入ります。寄せては返す波の音。もちろん波の音は春夏秋冬を問わず存在します。しかし、「波の音」=「夏の音」として私の中にあるのは、海で泳いだり、海辺で遊んだり、そうした「夏」ならではの遊びが波の音を夏の音とするのでしょう。そうそうもう一つ春夏秋冬を問わず存在する音なのに「夏」を連想させる音があります。それは「花火の音」です。ド~ンとなった花火、あるいはパチパチ、シューシューなる花火。昨夜も近くの公園で夏を告げる花火大会が行われていました。「音」を感じることはとても大切なことだと思います。

  2. 蛙の鳴き声から騒がしさを感じたり静けさを感じたりするその情景がすぐに浮かんできます。そうした環境で何を感じるか、感性によって違いが出ると思うとおもしろいです。聴覚ではないのですが、田舎の夜は灯りが少ないため暗さを強く感じるときもありますし、その暗さのおかげで星の明るさを強く感じるときもあります。自然環境からできるだけ多くのことを感じながら生活していきたいと思っています。
    深々と降る雪ですが、言葉にはできませんが、音があると感じていました。あれが無音という音なんですね。

  3. どの音がどの季節の音か当てる聴覚のコーナーというのはおもしろいですね。都会の子どもたちがどれくらい季節感を持っているか興味があります。冬の音は「無音」というのもとんちが効いてていいですね。でも実のところ、「雪の降る音」は無音ではないようです。北海道の定山渓温泉では、冬に気温がぐっと下がった時の雪は、雪の降る音を聴かせてくれることがあるといいます。雪同士がこすれあって鳴るといわれているそのささやかな音は「障子に粉を這わせているような」とか、「養蚕所の蚕が葉を食べているような音をもっと小さくしたような」などと表現されるそうです。雪の少ない南国に住んでいるものにはちょっと想像がつきませんが、一度聞いてみたいですね。冬の音、個人的には木枯らしの音か、吹雪の音なんかがふさわしい気がします。

  4.  ニュースの天気予報を見ましたが、全国各地で猛暑になっているそうですね。私は梅雨を意識してなかったせいか梅雨明けも全く気づきませんでした。そのお知らせを蝉がしてくれるとは素敵ですね。私は蝉が鳴くと夏がきたとしか感じませんでした。私自身もう少し季節や天候を気にしてみようと思います。そして子どもたちと散歩に行ったときなど言ってみようと思いました。
     蛙の声を静かなところで聞くのは本当に心が落ち着きますね。蛙の声と言えば中学や高校の部活の帰り道で田んぼの横を歩いて帰っていたのですが逆にうるさかったのを思い出しました。ですが、それも季節を表す音なのですね。音を聞いて季節を感じることを子どものときから体験できるというのは本当に良いことだと思いました。

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