先日のブログで、「寄付」について日本人と外国人との考え方の違いについて書きましたが、どこに寄付をするかについて、最近、新幹線に乗っているときにテロップに流れてびっくりしたことがありました。
それは、米マイクロソフト社の共同創業者で慈善家であるビル・ゲイツ氏と、大富豪でニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグ氏が、米国時間7月23日、発展途上国における禁煙推進のために5億ドル(約536億円)を寄付することを発表したというニュースです。なお、ゲイツ氏は、中国やインド、アフリカなどの国々におけるたばこに関連する問題に取り組むプロジェクトに対し、今後5年間で1億2500万ドルを寄付する予定であるということも表明しています。
総資産160億ドル(1.7兆円)を所有するブルームバーグ市長は、ゲイツ氏との共同記者会見で「たばこの無い世界では皆が長生きし、幸福に暮らすことができる」と語りました。ゲイツ氏は、妻メリンダ・ゲイツさんと創設した世界最大の慈善基金団体「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」が掲げる主要分野は、Global Health(世界の健康)であり、その名で1億2500万ドル(約134億円)を寄付します。ブルームバーグ氏は既に寄付している1億2500万ドル(約134億円)に加え、さらに2億5000万ドル(約266億円)を寄付するといいます。そして、両氏が提供する寄付金は世界保健機関(WHO)・疾病予防管理センター(CDC)などでたばこの消費を減らす運動に使われる予定です。
今、世界のたばこの売上げは2012年までに4640億ドル(約49兆円)に達すると予想されています。そして、米国のたばこ企業は、国内で嫌煙運動が広がりたばこの売上げ・消費量が減少する中、発展途上国など国外市場開発に目を向け始めていることに危機感を持ち、ゲイツ氏は「特に人口の多いインドと中国で禁煙運動を広める必要がある」と語っているのです。そのために、貧しい人々がたばこを簡単に購入できないようにたばこ税を引き上げること、たばこに関する広告を禁止すること、未成年者への影響を考慮して映画の主役がたばこを吸うシーンをなくことの3点を主張しました。一方、ブルームバーグ氏は「中国には国営のたばこ企業があるため、禁煙運動を広めるのはインドよりも難しいだろう」と語り、「現代の(映画の)ヒーローにはたばこを吸って欲しくない」とアピールしました。
こんなニュースを聞くと、発展途上国が先進国の儲けのために、真実を知らされずに犠牲になっているので、それを救おうということは、先進国の国民がタバコを吸うことは考えられないようです。
英国在住の山田直氏が、イギリスの寄付事情を調査研究しています。2005・06年度調査によると、英国の成人一人当たりの平均寄付金額は、183ポンド(約46,000円*3)で、全寄付金額は89億ポンド(2兆2,250億円)と推定されるそうです。これは、英国の成人の約58%(女性は61%、男性は53%)にあたる約2,800万人が、最低月1回の寄付をしていることになるそうです。そして、その寄付の目的に関しては、医学研究が昨年に続き最も高い比率を占めており、昨年の34%から40%に躍進しています。また、全寄付金額に対する医学研究向け寄付金額の比率も昨年の13%から19%に増加しています。宗教関連団体が二番目に高い寄付金額を受けており、昨年比3%増の16%です。高額寄付者は他の寄付者に比べて、宗教関係には3倍近く、又海外向けには2倍近い寄付を行っています。
どこの寄付をするのか、何に使うために寄付をするのかを見ると、国民性が分かりますね。