ラジオ3

 iPhoneが話題の昨今、ラジオは生き残る道はあるのでしょうか。ラジオから初めて声や音楽が流れたとき、人々はびっくりしたことでしょう。それは、声が電波によって伝わってくるとは思いもよらなかったからです。それが、あっという間に茶の間の中心に置かれ始めました。そして、伝説の番組が生まれます。「忘却とは忘れ去ることなり。忘れ得ずして忘却を誓う心の悲しさよ」というナレーションで始まる、脚本家・菊田一夫の代表作「君の名は」です。このラジオドラマは、1952年に放送され、「番組が始まる時間になると、銭湯の女湯がからになる」と言われたほどの人気がありました。
  子どもたちも、夜の団欒のときに聴くラジオ番組を楽しみになります。私たち子どもたちはその番組に釘付けになります。1957年にラジオ東京 (現TBSラジオ)から放送された「赤胴 鈴之助」は、その主題歌と同時に必殺技である「真空斬り」はみんなマネをしたものです。そういえば、孫悟空をはじめ「ドラゴンボール」に登場する多くの戦士達が使用する「気功波」の原型かもしれません。この「赤胴 鈴之助」の声の出演に、公募で選ばれた当時小学生だった吉永小百合や藤田弓子が出演していたことでも有名です。
  このように、ラジオ放送は、新しい文化の誕生を告げるものでしたが、 その後、時代とともに、テレビという新しいメディアの発達により、次第に家族団らんのときの地位は取って代わられていきます。しかし、聞くだけのラジオは、かえってほかの事をしながら聞くことが出来るためにその存在意義は残って行きます。仕事や家事をしながら、また、コメントにあったように勉強しながらでも聞くことが出来るのです。また、戸外へ出て移動中に聞くことも出来ます。また、コメントにあったように、テレビでは電波が届きにくい、山の上とか、旅の友としても役に立ちます。しかし、今、政府は国策として、地上波テレビのデジタル化を進め、今のアナログ放送を2011年に中止し、デジタルに完全移行しようとしています。そうすることにより、テレビが、移動時でも高画質の映像を安定的に送れることができ、携帯電話でも地上波デジタル・テレビが受信できるようになります。
  それに対抗して、ラジオでも「デジタル音声放送」化に向かっています。そうすることにより、音楽などCD並みの高品質音声に加えて、文字・写真などの静止画・簡易動画を含むデータ放送まで多彩なサービスが提供できる新しい放送であり、しかも、屋内での受信はもとより、カーラジオなどの車載受信機やポケットタイプ、PDAタイプ、携帯電話一体型タイプなどの携帯受信機でもクリアーな受信ができるなど、場所、端末を選ばず、高品質なサービスが期待できるもののようです。
  いま、先端を行くネット業界のライブドアの堀江が、ニッポン放送の経営権を握ろうとし、ニッポン放送株を巡ってフジテレビの激しい争いをしたときに、何でいまさらラジオ局かと思ったものでした。しかし、ネット配信に積極的でないテレビ局にたいして、ラジオ局が動画放送のネット展開を積極的に推し進めていくでしょう。危機感のある業界ほど積極的に新しい試みを行おうとします。事実、既に、ニッポン放送のネット番組「ブロードバンド!ニッポン」のサイトなどではラジオも動画を流しているようです。今後も、インターネットと放送を融合させた事業がますます進み、ラジオ、テレビ、インターネット業などがそれぞれ融合させ、デジタル分野での競争が始まるといわれています。
  何にしても、現状に満足し、改革をしようとしない業界はどんどんおいていかれるでしょう。