今回のドイツでのホテルは、珍しくネット環境が良いので、ブログでドイツ事情を報告しようと思います。今日は、まだ着いたばかりなので、見学先の報告はありませんが、ドイツの少子化について書きます。
各国が少子化対策をしているのですが、そのやり方は必ずしもわが国でも行えばいいのではないような気がします。なぜかというと、微妙なところで、子どもを生まない理由が違うからです。それは、その国の歴史や風土にも関係しているからです。ただ。おおむね傾向は似ているので、参考にはなります。
ドイツで高学歴の女性ほど子どもを生まない傾向があることは、日本でも同じような傾向があります。それは、ドイツでは、かなり多国籍の人が住んでいるからです。といって、多国籍の人が低いということではなく、まだまだ、その人たちを支援する体制が取れていないこともあるようです。ですから、ただ「産めや増やせ!」ではなく、将来専門能力をもつ人材の不足が懸念されるというように、どのような人材を今後確保するかという視点もあるということでしょう。そのひとつが、「親手当て」です。
Elterngeld (=親手当て)については、「Harenburg Aktuell 2007」にこのように書かれてあります。
「2007年1月1日以降に生まれた子供に適用される。親が育児のために休職する場合、または週30時間以内のパートタイム勤務をする場合、産後一年間にわたり所得に応じた金額を受給できる。受給額は月1800ユーロを上限に育児休職前の手取り所得の67%。パートナーが追加的に2カ月休職または週30時間以内の時短勤務をする場合、また片親しかいない場合は、支給期間が14カ月に延長される。失業者や無収入者には300ユーロの定額支給」
この制度についてドイツミュンヘンの教育委員会の局長さんに聞いたところ、その意図をこう話していました。今までは、親が自分の下で3年間育児を出来るように3歳まで育児休業が取れました。しかし、近年、少子社会では、OECD(経済協力開発機構)のECEC(乳幼児期における教育と養護)ではありませんが、乳児保育の重要性が見直されてきたのです。それは、乳児にとってもある時間、子ども集団の中での育ちが必要ではないかということで、少子社会では、家庭で3歳まで育てられるとしたら親子関係でしかなくなってしまうから、育児休業を減らして、その代わり1歳までの育児休業を手厚くするのだと言っていました。もちろん、これは教育委員会での見解であり、国としては女性の社会進出、育児つぃごと両立支援ということからもあるでしょう。
その流れから、数年前からキンダーガーデンといわれる幼稚園では、0歳から子どもを預かる施設が急激に増えました。そして、そのほかには、産休中の所得保障はドイツが100%、日本は60%。児童手当はドイツが子供1人月額154ユーロ(ほぼ26000円)に対し、日本は5000円。給付期間は、ドイツは原則学業修了までで、最長25歳までですが、日本は小学校修了までで、しかも、高所得者は対象外です。さらにドイツでは昨年、年間1人4000ユーロを上限に託児費用の税控除制度が導入されました。
しかし、それでもなかなか少子化は解消できないようです。日本と同様に、産まないのは、ただお金の問題だけではないようです。OECDの研究では、金銭的援助より託児サービスの充実度が出生率に与える影響力が強い、という結果がでています。もちろん、この充実は、数の問題だけではなく、質の問題ですが。
心配していたドイツのネット環境が良好なようで何よりです。『乳児にとってもある時期、子ども集団の中での育ちが必要でないか』という流れの中で、育児手当制度の手直しがされ、キンダーガーデンでも乳児から預かるようになったというのはさすがドイツですね。子どもの育ちを十分考慮して、子育て支援策を立てるのですね。日本でも、近年「認定子ども園」のような施設ができ始めましたが、これはどうも子どもの育ちを考えてできたものではないようです。それにしても、ドイツのような手厚い少子化対策をもってしても、子どもがなかなか増えない本当の原因とは何なのでしょうか。
ネット環境の件、まずは安心ですね。ドイツから話題をしっかり読ませてもらいます。乳児からの保育の重要性については以前から取り上げられていますが、ここから制度の検討がスタートすることは大切なんでしょうね。そのためには保育現場からのアピールができるよう、どういう必要性があってどういう意図で保育を行っているかを言葉にして広く伝えることも必要なことだと思います。私の課題です。
少子化を解決するには確かに「産めや、増やせ!」ではないですね。やはり親が子どもを安心して産めるような環境が必要な気がします。それに、乳幼児も子ども集団が必要だという事実もあるので、タイミング的にもお母さんが仕事を出来る環境が整っていますね。本当にドイツでもこれだけ対策を取っているのに、それでも少子化が解消できないのは何とも言えませんね。やはり、子どもがたくさんいた時代もありました。その時代があったのだから今のような子どもが少ない時代はあっても仕方がないとしか考えるしかないのでしょうか?
ドイツの少子化も深刻のようです。その問題解決策のひとつが「親手当」エルテルンゲルト(親のお金)とはいいですね。日本もまずはそういった施策を取り入れてもいいと思いますが、日本の場合は「財源は?」の議論から始まります。各国の施策を参考にしながら少子化対策をわが国もすればいいと思うのですが、参考にする国が偏っていたり、財源をつくれるはずなのに「財源?」の議論、そして消費税の増税、というおかしな議論、に発展してしまう。あるいは直接契約とか市場原理の導入だ、という話になってしまいます。どうも「少子化」のことを本気で考えていないのでは、と訝しくなります。それはさておき、移民施策については今後ドイツから学べることが多いような気がします。特に保育や教育の分野において。