ドイツへ

 私は、毎年ドイツのミュンヘンに行っています。昨年もその研修報告を現地からお送りしました。しかし、毎年心配なのは、現地でインターネット環境が整っているかということです。毎年行っていると、その日進月歩のごとくその環境は整備されていると思いますが、印象としては、日本ほど進んでいません。日本は、携帯電話にしても、ホテルでのネット環境は年々整えられていますが、ドイツでは意外とそうでもありません。ですから、出発前に心配なのです。
 しかし、幼児教育、学校教育への取り組みは年々新しいものが見られます。特に、毎年同じ都市を訪ねて、じっくりと園や学校を視察してみると、新しい流れが見られます。それは、欧米の先進国といわれている国々に共通して見られることです。逆に日本では、なかなか変えようとしません。極端なことを言えば、明治時代に視察に来た人が、最近もう一度学校をたずれたら、たぶん変わっているのは、前のほうにあった一段高くなっている教壇がなくなっているくらいでしょう。
少子化は、先進国家に共通して見られる現象です。少子化が将来国家として大変になるという実感はどの国も同じようで、様々な施策を出しています。これは、日本でも同様です。そして、欧米では、保育、教育内容を見直して行きます。ですから、昨年よりも今年は、このように変化をしてきて、これからどのようにしようとしているのかが、わかります。日本でも、ここで、保育所保育指針と幼稚園教育要領の改訂が行われました。それに伴って、どのように現場が変わっていくのでしょうか。特に、保育所は、指針がガイドラインから最低基準として大綱化になったことで、それぞれの園がどのような創意工夫のある保育を展開するでしょうか。
ドイツ連邦統計庁によると、2006年の新生児出生数は約67万人で第2次大戦後最低を記録しました。特に旧東ドイツ地域では社会主義体制の余波で経済成長が遅れ、旧西ドイツ地域に流出する若者が続出しています。東側では90年代、合計特殊出生率が0.7~0.8台と危機的水準に達しました。06年には1・30(旧西側は1・34)まで回復しました。特に、西部デュッセルドルフや毎年私が訪れている南部ミュンヘンなど一部の富裕都市では、逆に出生数が増加しました。それによって、経済格差が少子化に反映する状況が浮き彫りになりました。
少子化は先進国共通の悩みですが、中でもドイツと日本は少子化の指標である出生率が際立って低いレベルです。同じ欧州でもフランスや北欧などが出生率を持ち直す中、世界で最も低い部類に属しています。このため、連邦政府は人口減に歯止めをかけようと、今年から少子化対策として、従来の「Erziehungsgeld(養育手当)」に代わって新たな子育て支援制度「Elterngeld」(親手当)を導入しています。親手当とは、生後間もない子どもの世話のために休職する親の収入損失を補うものです。原則的には産休前の手取り所得の67%が補償されます。従来の養育手当では、手取り年間所得が両親合わせて3万ユーロ以下の比較的低所得の人を対象とし、額も一律月300ユーロだったのに比べて、新制度は高所得者にも受給資格を与える上、高所得者ほど金額が高くなるという、公的年金や失業手当と似た仕組みです。
このような制度改革と同時に、保育内容はどのような変化をしているでしょうか。

ドイツへ” への4件のコメント

  1. 待ちに待ったドイツ研修が始まりますね。今頃はヨーロッパの空の上でしょうか。今年はどんなレポートを寄せていただけるのでしょうか。楽しみにしています。私たちは、ドイツの人はとても保守的で、古いものをとても大事にする国民性を持っているというイメージがあります。そんなドイツの国でも、保育や教育現場で様々な形で試行錯誤が繰り返されているのは驚きです。明治時代とさほど変わらない教育を営々と続けているどこかの国とは、えらい違いです。それでも、昨日のブログにあった長野県の大塚先生の「授業改善、米飯給食、花づくり」のようなすばらしい改革が実践されているのですね。さて、保育の世界はどうでしょうか。今、全国各地で新保育指針の研修会が行われているようですが、これを機会に思い切った改革改善がすすんで、「子ども主体の保育」が定着していけばいいのですが・・・。

  2. 日本だけでなく世界も少子化対策で様々な取り組みが行われていますね。何が正しい対策かはわかりませんが、大人の都合ではなく、子どものことや将来の国のことをきちんと考えてもらいたいと思います。
    昨年はドイツの様子を実際に見て多くのことを考えることができました。今年はこのブログと帰国後の藤森先生のお話から刺激を受けたいと思います。ネット環境に左右されるとは思いますが、更新されるのを楽しみにしておきます。

  3.  とうとうドイツ研修が始まりましたね。私はまだ海外には行ったことがないので、早く行ってみたいのですが、もし叶うのであれば先生の企画されているドイツツアーに参加してみたいです。そしたら、今までの保育に対する考え方というのが、変わりそうな気がします。そんなドイツでも少子化が進んでいるのですね。ですが、少子化としっかりと向き合って対策をとっているのが、日本との大きな違いだと感じました。そしてその対策も「親手当」というのが素晴らしいと思います。子どもだけでなく産休で休んでいる親のためにも補助するというのが素敵です。日本みたいに税金をよくわからない使い方をするより、よっぽど良いお金の使い方だと思います。どうして日本の政府はお金があると自分の良い都合に流用してしまうのかが分かりません。そういうことを繰り返しているから、そういう人材が出てくるし、教育に対しても何も変わらないと思いました。

  4. いよいよドイツ研修です。今回も多くの発見があることでしょう。帰国後のドイツレポートが待ち遠しいですね。さて、「少子化」です。私たちの国日本もドイツも同じく「少子化」です。私たち日本と異なりドイツでは「移民」の受け入れによる子どもたちの育ちの変容が課題となっています。少子化であり、かつドイツほどではありませんが「移民」が徐々に増加しつつあるわが国の「教育」は絶対神「教育」信仰のゆえに、従来のペダゴジーを金科玉条の如くに採用し続けています。「先生主導」教授法です。小学校低学年はひたすら「服従」を求められます。小学校の高学年はひたすら「従順」を求められます。「意欲」「主体性」「自律」は画餅です。せめて就学前施設から「意欲」「主体性」「自律」そして「関係性」のモデルを就学後施設へ示したいと思います。

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