毎朝、駅ではティッシュを配っています。そのほとんどは、サラ金のものが多いのですが、今日は、いつもと違っていました。
明日は世界禁煙デーです。毎年、世界禁煙デーのイベントは盛んになります。そんなイベントの中で、世界保健機関(WHO)主催のたばこ対策に貢献した個人や団体を毎年表彰するというイベントがあります。その世界禁煙デー賞の特別賞を静岡市の高校1年大石悠太君が受賞し、今夜、マニラで授賞式が行われることになっています。
彼は、小学4年の時、周囲のたばこの煙でぜんそくになったことを契機に、たばこの害の自由研究を開始し、2005年11月には「歩きたばこは危険」「一番の問題は受動喫煙」として「歩きたばこ禁止条例」の制定を求め、集めた24000人近くの署名を静岡市議会に提出しました。それらの活動が認められたのです。
「最近の若者は、」という言葉をよく効きますが、ずいぶん高校生が活躍をしています。
今月15日、「Intel ISEF 2008」で日本代表が特別賞を受賞したというニュースが流れました。このイベントISEFは、1950年アメリカではじまり、1997年からはインテル社がスポンサーとなっている国際学生科学フェアです。米国ジョージア州アトランタで開催されているそのフェアで、日本代表の高校生が特別賞を受賞しました。牧野さんは、「アスピレーターによる簡易放電管の製作」という研究でプラズマ科学連合賞(1等賞)を、三浦君、井上さん、鈴木さんは、「実用的な自動合成写真作成アルゴリズムの設計と実装」という研究で、人工知能振興協会賞(2等賞)と国際計算機学会賞(4等賞)を受賞しました。
続いて16日の優秀賞表彰式では、日本代表の坂口さんは、「ショウジョウバエの幼虫は餌によって唾液分泌量を調節する」という研究で、動物科学部門で2位を受賞、吉村君、谷口君、清本君は、「微風時における高効率縦型風力発電用風車の研究―風向きに対応した縦型回転翼可変迎角制御の開発―」という研究で、共同研究/エネルギー・輸送部門で、2位を受賞しました。そして、三浦君、井上さん、鈴木さんは、「実用的な自動合成写真作成アルゴリズムの設計と実装」という研究で、共同研究/コンピューターサイエンス部門で4位を受賞しました。
日本では教育力が低下しているといわれていますが、日本人の受賞ラッシュを見ると、日本の高校生は世界でトップクラスの頭脳を有しているとも言えるようです。
環境に関することでも高校生が活躍しています。環境省が主催する「ストップ温暖化『一村一品』大作戦全国大会」が今年の2月初めに開かれました。その大会で、各都道府県から地域の特色を生かした地球温暖化防止の活動について、自治体や企業、学校、NPOなど様々な団体から発表されました。ストップ温暖化「一村一品」大作戦は、日本各地から地球温暖化防止の取り組みを集め、全国的な盛り上がりを作るためのプロジェクトです。この中で、今年、最優秀賞を受賞したのは、高校生でした。輸入木材でなく地元産材を使うことが木材の輸送距離(ウッドマイレージ)を短くし、CO2排出量を削減することに着目し、地元の木材を利用した家具や山小屋作りなどの『地産地消』活動が評価されての受賞でした。私が先日ブログで書いた、価格に輸送距離を勘案するようにということを木材に適応したものです。
どの年齢にも、立派な人もいますし、ひどい人もいるものです。年齢では人は判断できませんね。
私が卒業した大学の系列の高校が東京の小平市にあります。都内でも有数の進学校ですが、受験のための学習ではなく、「総合的な学習プログラム」によって人間教育を実践しています。その総合的な学習のねらいの一つとして次のようにあります。『自ら課題を見つけ、学び考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育てる』理科嫌いの生徒が多い中、この高校では国際化学オリンピックにはこれまで2回代表を送り出しています。特に、2003年のアテネ大会では、4名が出場、うち2名が銅賞、2名が敢闘賞を受賞と大活躍しました。文科省は、ゆとり教育の見直しを打ち出しましたが、それで子どもたちの創造性や主体性を育てることができるのか甚だ疑問に感じています。
子どもを年齢で判断しないのと同じように、高校生も、そして大人も同様に見なければいけないですね。年齢・経験・肩書きなどで括ってしまうことで、一人ひとりが見えていないことが未だにあります。人と関わりいろんな影響も受けながら自分を作り上げていくために、先入観で人を見ることなくその人をきちんと見ることが自分にとっての大きな課題です。
「世界禁煙デー賞」の特別賞を受賞した高校生も「Intel ISEF 2008」でも日本の高校生が特別賞を受賞しているのは日本人として喜ばしいことです。以前から先生のブログで日本の学力は低下していると書かれていましたが、今回のブログを読んで少し安心しました。ブログにも書かれていますが、どの年齢にも立派な人もいるし悪い人もいます。せっかく世界で活躍している高校生がいるのに「最近の若者は」の一言でくくられてしまうと何か気の毒になってしまいます。確かに悪いことをする方が目に付くかもしれませんが、もっと視野を広げて若者を見るべきだと思いました。
こうして「高校生」の活躍を紹介してもらうと嬉しくなりますね。紹介して頂いた受賞作品のいずれもが単なる認知能力によるものではなく、しっかりとした問題意識やその問題を解決するための着実な取り組み、すなわち署名集め活動であったり、入念な実験であったり、あるいは関心度合いの深化・精査だったり、つまり問題解決能力、時としてコミュニケーション能力、によるものであることがわかります。日本政府による教育振興計画なるものが策定されておりますが、世界で活躍するこうした高校生の事例を特殊なケースとするのではなく、その背景を探りより普遍化する行政的取り組みがもっとなされてしかるべきかもしれません。