先日、東京では大雨が降りました。水が地面に吸い込めず園内にも流れ込んでしまいました。これから梅雨の季節になります。今年の梅雨は、どのくらい雨が降るのでしょうか。大雨になるか、空梅雨になるかで今年の夏の水不足かどうかが関係してきます。水不足になると、生活がかかっている人々がいるので、こんな贅沢なことは言えませんが、園では子どもたちのプールでの水遊びが制限されることもあるので、暑い夏だと気の毒になります。
昨年11月に、アメリカ南東部で、長引く干ばつの影響で深刻な水不足に見舞われたというニュースが流れました。住民たちはペットボトルの水を買いだめしたり、朝のシャワーに使った水を植物にやったりして節約していましたが、フロリダ、アラバマ、ジョージア州3州では、水争いがおき、死者まで出るような事態にまでなりました。
このような水争いは、どこの国でも昔からよくありました。今日、訪れていた岩手県でもあったようです。岩手県中南部に位置する胆江地方は、北上川が中央を流れ、西の奥羽山脈、東の北上高地にはさまれ、胆沢川流域の胆沢扇状地と北上川流域の沖積平野を中心に拓けました。北上川西岸の胆沢地方、東岸の江刺地方の頭文字を音読みして「胆江地方」と呼ばれ、今は合併して奥州市となっていますが、昔から肥沃な大地に支えられ、稲作が盛んでした。
しかし、胆沢平野はよく水不足に悩まされていたので、1570年、平野の北側に北郷茂井羅という人が私財をなげうって「茂井羅堰」を開削しました。一方、1631年に後藤寿庵とその弟子・千田左馬、遠藤大学が「寿庵堰」を完成させました。ともに水不足の住民のために胆沢川から水を引くという先人たちの努力によって生まれた利水事業でしたが、胆沢川の水の量が足りなかったことと、水を流すためにつくられたこの大きな二つの堰の水の取り入れ口が、それぞれ上、下流にあり、その場所が2キロメートルに満たない距離で隣りあっているため、受益農民はこの400年間、血を流すほどの水争いを繰り返してきました。
その争いを解決する方法として採用されたのが、「円筒分水工」です。
この円筒分水工は、施設を人の手で動かすことなく、上流から取り入れた用水を、円の角度の大きさによって、寿安堰・茂井羅堰の水の道(水路)に配分する理想的な分水方法です。この分水工は、国家事業を導入して、昭和34年に完成し、夢にまで見た取入口の一本化が実現したのです。その後、これが使われるようになってからは、用水の配分についての争いは全くなくなりました。
もちろん、人々は大変喜んで、この地を聖地と定めて、当時の総代、役員、職印らが樹木や岩石を献じ労力を奉仕して、後藤寿庵、北郷茂井羅、千田左馬、遠藤大学の碑を並べて合祀したのです。そして、その場所を徳水園という名の公園として、先人の遺徳を永遠にしのぶために、水に関する他の仕掛けも展示されています。
水争いは、もちろん生活がかかっており、命にまで関わってきます。しかし、農民たちは好きこのんで争いをしたのではありません。ただ争うだけでなく、双方がともに益を得るような方法を知恵によって見出した良い例です。
ここ讃岐の国にも昔から日照り干ばつに悩まされ続けた歴史があります。県内に残る数多くのため池は、先人たちの水不足との苦闘を物語っています。30年ほど前に高知県に早明浦ダムが完成し、その水を香川用水で引くことができるようになって、ずいぶん水事情は改善されましたが、それでも近年ではそのダムの水も底を突くほどの異常渇水を経験することがあります。いま経験している水不足はダムやため池を一つ二つ新しく作ったくらいでは解決しないほど、地球規模の異常気象が原因になっていると思います。四国も梅雨入りしましたが、今年はしっかり雨が降ってくれることを祈るばかりです。
大雨と聞いて、私が高校の時に体験した台風のときを思い出しました。家の前に幅1.5メートル、深さ1メートルもある用水が大雨で溢れていて、大変だったのを思い出しました。
写真の円筒分水工を作り上げたのは凄いですが、それよりも人の手も機械を使わないで分水する方法を作り上げた事が凄いと思います。水争いによってお互いが傷つきあっても最後はお互いに利益を得る事ができるというふうに解決したのは素敵な事ですね。今の時代その例が国境を越えて起こればいいと思いました。
水は生きていく上で欠かせないものであるからこそ、争いになってしまうんですね。少なくても大変、増えすぎても大変と、自然が相手のことだけに簡単ではないのでしょうが、だからこそ知恵が実を結ぶことの意味も大きいのだと思います。
水争いとは種類が違いますが、このブログを読んだ後に大手弁当屋の分裂から始まった争いの新聞記事を読みました。弁当を買うお客さんのことはほったらかして争っているようにしか見えず、何だかいい気はしません。これらの企業の目的は何なのか?この争いがどこでどう落ち着いていくのか?同業者同士の競争は常にあるのでしょうが、その競争によってお互いが高まっていく方法はないんだろうかと、いろいろ考えさせられました。
実は「水争い」の近未来を地球規模で予測している人々がいます。確かに東南アジアや南アジアに行ったときは「水」の重要性を嫌というほど経験させれられました。基本的に水に事欠かない国日本に住んでいると渇水でも経験しないとその大切さ重要さがわからずじまいです。「水」のことについては今後しっかりと學習していかなければなりません。岩手の胆沢地方は多くの偉人を輩出する所ですね。江戸時代以降では高野長英、後藤新平、斎藤実、そうそう、政治家の椎名悦三郎さんや現在ご活躍中の小沢一郎さん。今回のブログで後藤寿庵についても知ることができました。キリシタン武士であった同氏ならでは事蹟を紹介して頂きました。