価格

 商品を買うときに、何を基準としますか?当然、欲しいものについての機能がそろっているかということが第一条件ですが、それが満たされているとしたら、その次に何を優先するかは、その人によってさまざまだと思います。好きなメーカーや、信頼できるメーカーのものを選ぶか、デザインのよいものを選ぶか、使いやすさで選ぶかさまざまでしょう。しかし、誰もが選ぶ観点として重視するものに、「価格」があります。
 では、その商品の価格はどのように決められているのでしょうか。
 まず、多くは、製造原価に対して一定水準の利益率を上乗せして販売価格を決定する方法で、「原価基準型」と言われている、最も基本的な価格設定があります。この方法はメーカー側の都合だけで価格が決定されるために、消費者側の価値観に合わない場合があります。しかし、たとえば保育用品などは、消費者が少なく、販売予定数が少ないので、割高な利益率が設定されています。
また、独自性に欠ける商品やサービスの場合には販売シェアのランクによって価格を決定しなければなりません。特に後発商品の場合は、今までのシェアに食い込まなければなりませんので、利益率というよりも、先発メーカーよりも低い価格設定をしなければなりません。最近の、携帯電話のソフトバンク参入の最初の頃は、そのような「競合意識型」という価格設定が行われていたような気がします。
  そのほかに、たとえばブランド名の知名度で価格が決められている場合があります。その場合は、周りの人への見栄や、なんとなく高いものはいいものだという錯覚を利用して価格を割高に設定する場合があります。それから、ペットボトルや缶ものの飲み物は、ほぼ値段が統一されています。ですから、最初の頃は、コーヒーとお茶が同じ値段であることに抵抗がありました。
 しかし、私が最近よく人に言うのですが、これからの価格設定の要素に、「地球への負荷」を入れて欲しい気がします。どのくらい地球に負荷をかけているかを計算して欲しいと思うのです。そのように計算すると、たとえば、労働力が安い外国からの輸入よりも、安全な国内産のほうが安い場合が多くなり、各国、自給率を高める方向を考えると思うのですが。そんな観点から、今月22日に、面白いニュースがイギリスで流れていました。
 「マッカートニー氏、ハイブリッド車で批判受ける」というものです。
元ビートルズのポール・マッカートニー氏は、動物・環境保護活動家として知られる存在ですが、彼が所有するハイブリッド車が、日本から貨物輸送機で運ばれてきたことが明らかになり、環境団体らから批判が出ているというのです。この車は、トヨタの高級車部門、レクサスのLS 600hで、ツアーのスポンサーを務めるなど、ポールと深いかかわりを持つトヨタが彼にプレゼントしたものだそうです。ハイブリッド車であるので、環境に考慮しているのでいいのではないかと思ったのですが、実は、指摘されているのは、その車種の問題ではなく、その車の輸送の問題なのです。
  自動車を空輸で日本から英国まで輸送すると、自動車で地球を6周するのと同程度の二酸化炭素を排出することになると非難されているのです。レクサスは焦らず、船を使って輸送すべきだったというのです。
  世界中が、早くそのような考え方にならないかなあと思ってしまいました。

価格” への6件のコメント

  1.  確かに洋服にしても、家具や、電化製品にしても商品を購入すときはまずは値段を見てから決めます。私の場合はそれと同時に使いやすさデザインを重要にします。その物が多少値段が高いとしても、今後の生活には必ず役に立つ物や、今の時代では環境に良いものであれば迷わず買います。それが食品であれば迷わず買います。確かに、日本の自給率が低いのは本当に問題だと思います。いくら船を使って海外から食物を輸送したとしても、地球への負担が全くないというわけでは無いと思います。本当に早く、細かい部分まで地球の事を考えるようになって欲しいと思います。

  2. マッカートニー氏のハイブリッド車の話は面白いですね。さすがの彼も輸送に伴う地球環境への負荷までは思い至らなかったのですね。地球環境への負荷と言えば、食糧輸送に伴う環境負荷の指標として、「フードマイレージ」というのがあるのを最近知りました。1994年にイギリスのティム・ラングが提唱した概念で、「輸送する食品の重量×距離」で算出し、食品の生産地と消費地の距離が近ければフードマイレージは小さく、遠いほど大きくなります。日本の食料自給率は約40%で、先進国では最も低いレベルにあるので、当然、フードマイレージはダントツ世界一だそうです。そのため現代の日本人は歴史上のどの時代のどの国の王侯貴族よりも贅沢な食事をしているといわれます。パン食を少し減らしてご飯をしっかり食べることで食糧自給率を上げ、環境負荷を下げることにもつながるわけですね。これも身近なエコの一つだと思います。

  3. 「地球への負荷」という見方はあまりしてきませんでした。マッカートニー氏の件もそうですが、こうした考えは一人ひとりがもっと意識しなければいけないのでしょう。こうしたことをきちんと指摘する人の存在も貴重ですね。
    自給率の問題ですが、外国から食料が入ってこなくなった場合に日本の食はどうなるのか、とても興味があります。このことは「地球への負荷」とか「安全」以前の問題のような気がしています。大切な食については、一人ひとりがもっと考えなければいけないと思っています。

  4. 確かに商品を選択する場合「価格」は選択上大きな購入決定要因となります。その際は高すぎては無論いけないけれど安すぎても果たしてどうか、と考えると結局その真ん中くらいの値段のものを購入しています。そして「価格」の次に「メーカー」を重視します。最近は「メーカー」品でもMade in ChinaはもちろんのことMade in Viet NamとかMade in Malaysiaなどなどを目撃しては多少購入を躊躇しますが、そのメーカーの工場のある国だろう、くらいで不問に付すことがしばしばです。そういえばMade for Japanを冠した製品を目にしてナルホドと思った次第です。ところで「地球への負荷」ですが、このことは同時に人間自身への「負荷」をもたらしているような気がします。はるばる遠い国から輸送されてきた商品が近場の国内産よりもはるかに安い値段であると人件費問題もさることながら別な要素も疑ってしまいます。

  5. 「地球への負荷」を価格設定の要素に入れるというのは良いですね。原材料とともに、地球への負荷:5%等と記載されていれば、地球への貢献度というものが分かりやすく理解出来ます。先日の熊本地震後、東京の熊本アンテナショップには異例の人数が来店されたようです。何か、熊本へ貢献出来ないかなと考えた人々が、そのような行動をとったのだと耳にしました。また、空輸における二酸化炭素の数値に驚きました。それほど、船輸送の方が環境に配慮されたものなのですね。正直、言われなければ気がつかないし、当人は環境のためであると思っているかもしれません。貢献しようとしている人が、正しい貢献をできるような仕組みになればいいなと思います。

  6. 私自身、物を買う際に何を気にするかと考えれば、やはり「価格」です。もちろん、欲しい物、目当ての物を選ぶというのが一番ですが、いくらいい物があっても値段が高ければ諦めてしまうか、価格が安い物の方に傾いてしまいます。しかし、最近は藤森先生が言われていた「良い物を長く使う」という意識で物を選ぼうとすることが増えてきました。そんななかで「地球への負荷」というのはまた新たな視点でした。先日、訪れたお店では買い物袋を基本的に持参してほしいということでしたし、持参がない場合はレンタルでお貸しするので、またいつでもいいので返却してくださいとのことでした。強制ではないので、買い物をする人に対して意識を持ってもらうにはいいことかもしれませんね。あまりそのような意識で選んだことがないので、ちょっと意識してみたいなと思いました。

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