花には、けなげに道端で咲く花や、色や形は地味ではありますが、野に咲く花に美しさを感じます。しかし、花はそれだけのことを人に与えるだけでなく、華やかさや、香りの強さ、色の鮮やかさからも美を感じていたのです。それは、多分にその花の咲く地域性があるかもしれません。日本のように湿気が多く、温帯でなければ、「わび・さび」は生まれなかったかもしれません。それに比べて、熱帯地方では情熱的で、開放的な花が咲くのです。
それは、その花への命名の由来からもわかります。ギリシア語の睾丸を意味する「ορχις (orchis)」を語源として、英語で「Orchid(オーキッド)」(医学用語で「精巣」「睾丸」)と名づけられた花が「蘭(ラン)」です。ランは、クルミヤシャクヤクとともに今日の5月19日の誕生花です。ランというのは、ラン科の種の総称です。こんな語源を持っていながら、花言葉は「美人」「気品・清純」です。
最初に蘭のブームが起こったのは、イギリスだといわれています。なんと、最初はその花の美しさからではなく、コケや地衣類などの植物を送る際に、厚手のしっかりとした葉を持つ植物をパッキング材料として使用したのが蘭だったのです。それを送られたイギリスの園芸家、ウィリアム・カトレイはその植物を育てたところ、それが非常に美しい大輪の花をつけ、当時のイギリス人たちをビックリさせたのです。その後、この花をこのカトレイにちなんでカトレアと命名されたのです。そして、その花の美しさや華やかさから貴族の間で蘭がブームとなったのです。
ランというのはラン科の総称ですので、当然日本にランの花はあります。そのランは、西洋ランに対して東洋蘭、日本の蘭と呼ばれました。そのランは、日本独特の観賞の仕方や価値観があり、日本独特の園芸文化として発展しました。江戸幕府を開いた徳川家康や11代家斉は、ランと深い関わりがあったと言われ、武家や公家など、特殊な層の人達に愛され、現在も古典園芸として受け継がれています。特に「駿河蘭」と呼ばれるものは、建蘭の別名で中国は福建省より、家康に献上されて、駿府に広がりました。また、富貴蘭は姿かたちだけでなく、芳香もあるので、多趣味の11代家斉は、趣味の1つとして楽しんでいて、大名や武家の間でも流行っていました。手の油が付かないように、「ホヤ」(貴金属の金網)をかぶせ、刀剣の作法のように口には懐紙をくわえて観賞したとされています。江戸時代から蘭展や品評会も催され、大関とか前頭など格付けして楽しんでいました。
また、東洋欄も既に江戸時代には分類されていて、当時「葉蘭」と呼ばれていました。我が国では、30年位前までは「蘭」と言えば東洋蘭や日本の蘭を思い浮かべる人が多かったのです。
それが蘭といえば洋ランの女王「カトレア」を思い浮かべます。もともとは、中南米原産で、コスタリカの国花です。また、フラワーギフトの王様といわれているのが、「胡蝶蘭(コチョウラン)」です。学名のファレノプシスは、花が蝶の舞っている姿に似ているところからつけられています。そういえば、日本では、サギの飛んでいる姿から付けられているサギソウも、ラン科の仲間です。
華やかさは、それ自体は決して評価の基準ではなく、懸命に遺伝子を残そうと咲いている姿なのです。
ちょうど今から30年前の3月のある日、当時住んでいた八王子の大和田の下宿を引き払うために部屋の片づけをしていた時に、ラジカセから流れていた曲がキャンディーズの「微笑みがえし」でした。今でも時々口ずさむことがあります。4月4日、キャンディーズファンと元スタッフによる大同窓会が開かれたというニュースを見て、思わず学生時代にタイプスリップしてしまいました。そうです!何を隠そう、その昔、私はランちゃん(伊藤蘭)のファンでありました。花のランのコメントを考えましたが、私にとってのランは、ランちゃんしかありません(笑)。私が胡蝶蘭を贈りたい人と言えば、(一応)うちの家内とランちゃんですね(笑)。
パッキン材料として使われた蘭の話から、ツメクサがガラス製品の緩衝材としてつめるために使われていたところから名前がついたことを思い出しました。花と草で違いはありますが、昔は植物がいろいろな使われ方をしていたんですね。
今回の最後の言葉「華やかさは、それ自体は決して評価の基準ではなく、懸命に遺伝子を残そうと咲いている姿」は、人でいうとどういうことにあたるだろうと考えました。自分のすべきことを求め続け、そのことに懸命に取り組んでいる姿勢が大切だ、といったことでしょうか。ちょっと違っているかもしれませんね。
以前まで花を見ても綺麗だなと思うだけでしたが、先生のブログを読ませていただいてから、草花に興味を持つようになりました。最近はガーデニングの本を買い、近々やろうと思っています。なので、店などに飾られている花などを見ては、どういう風に飾って、何の花を使っているのか気になっています。
写真の蘭はとても綺麗に咲いていますね。でも、そんな蘭も最初はパッキング材料として使用されていたのが、園芸家によって、その素敵な姿を表すことが出来たのですね。道端に何気なく咲いている花でも、上手に手入れをする事によって変貌するかもしれませんね。そんな道端に密かに咲いている花や優雅に咲いている花も懸命に生きて遺伝子を残そうとしていると思うと、小さくても大きくても懸命に何かを残そうとする事が大切な事なのかな?と思いました。
「ラン」と言えば直に思い出すのが、かつて数度利用していたタイ国際航空のシンボルマークです。Royal Orchid。機内食の際にも一輪のランが添えられていました。美しいなと思いました。そして胡蝶蘭。贈答品の定番?のようです。私の田舎の元郵便局長さんが「胡蝶蘭」の栽培にチャレンジし、見事花を咲かせたことをある日の「絵手紙」で知らせてくれました。「胡蝶蘭」はいつ見ても美しい。そして、今日のブログの最後に紹介されていた「サギソウ」。ラン科とは知りませんでしたが、実物はとても愛らしく、とても素敵なランですね。鷺が翼を広げている姿。実はこの「サギソウ」、東京世田谷区の「区の花」なんですね。しかも、私の趣味の「守備」範囲から申し上げますと、94年から発行されている190円普通切手の図案です。とても美しい切手です。こうしてコメントに自分の趣味から書き込めるのは嬉しい限りです。さまざまなことに関心を持ちたいと思います。