最近、チラシ等で「デザイナーズマンション」という言葉を見かけます。マンションといえば、デベロッパーによる開発は、どこでも同じデザイン、画一的に計画され、一時期外国から「うさぎ小屋」などと称されたこともあります。それが、最近では、より個性的なもの、他と違うものを求める傾向が強くなりました。それらの好みを受けて、集合住宅にも単に建物を設計するという建築士から、デザインを重視する建築家が都市生活のクオリティーや様々な生活スタイルを提案し、また、その建物のデザインに都市景観を取り込もうとするなど、建築家のコンセプトが前面に表れた集合住宅が現れ始めています。
この「デザイナーズマンション」と言う言葉の発端はいろいろとあるようです。1つには、日経住宅サーチによると10年程前に、日経新聞記者が建築家設計のマンションの取材の際に「デザインマンション」と称して取材したのが始まりだそうで、それが次第に「デザイナーズマンション」となったといわれています。
同様に「デザイナーズホテル」というものも人気があります。これも、デザイナーや建築家によってプロデュース・設計された、個性的なこだわりやコンセプトを持ったホテルのことです。最近は、このように銘打って、斬新なアイディアや個性的なデザインが目を引き、モダンでスタイリッシュなホテルが次々とオープンしています。
ホテルには、ほかにも「スタイリッシュホテル」「ブティックホテル」「ファッションホテル」というような、何だか素敵に思えるホテルが誕生しています。
このように、さまざまな分野で著名デザイナーとコラボレーションした建物や、商品が次々に出されています。たとえば、「デザイナーズ携帯」「デザイナーズ家具」「デザイナーズ住宅」「デザイナーズ旅館」「デザイナーズ物件」「デザイナーズ年賀状」「ユニクロ デザイナーズ」「デザイナーズ チェア」などさまざまな分野に及びます。
先日、私の誕生日にデザイン事務所に勤めている娘から誕生日プレゼントをもらいました。それは、「DESIGNER’S DARUMA」です。

その説明書きには、
「cadere」とは「転ぶ」、「rialzarsi」とは「起きあがる」。達磨大師の教えである七転八起をイタリア語でデザイン。漢字「達磨」のごとく、目標に達する為に自分を磨く。これから、この達磨に出会う世界中の人たちにもそうあってもらいたいと願います。
達磨は、中国禅宗の開祖・菩提達磨に由来するといわれています。達磨は、「転んだら起き上がって、また一から始めよ」とも教えています。七転八起といわれるように、失敗しても、それはいい経験と自分の力を信じて、コツコツと努力していくことにより、心願成就、目標は達成されると説かれました。この故事にならい室町時代の頃、起き上り小法師として、おもちゃに作られたようです。赤い衣をまとい、手足のない僧の姿で登場しました。その後、江戸時代中頃に今のような「だるま」の姿になってきました。赤い衣は、天然痘除けのまじないとして、倒れないのは、餐蚕・豊作・大漁・商売繁盛の縁起物として、七転八起の福を呼ぶ、めでたい象徴として崇められるようになりました。
私がもらった達磨は、赤ではなく、黒い衣をまとっています。それは、以前のブログにも書いた私の部屋が、すべての光を受け入れ、すべての色を含んだ黒を基調にしているからです。
デザインは、赤を黒に変えて、よりモダンにするのですね。
素敵な達磨ですね。こんな達磨があるのは知りませんでした。故事にならって作られた達磨ですが、こんなふうに形を変えて大切なメッセージを伝えていくという方法もいいいですね。それが更に洗練されたデザインによって広く世界に伝えられていくと考えたら、デザインの力の奥深さや工夫することの大切さをあらためて強く感じます。
田舎で野暮ったい暮らしをしていますので、「デザイナーズ〇〇」とは全く縁がありません(笑)。う~ん、黒いだるまですかぁ。ダルマは赤いものというイメージを見事に打ち破っていますね。外国人がおみやげでもらったら喜ばれそうですね。デザインをするということは、物の色とか形とか機能などの固定概念(刷り込み)を一度否定して、新しい概念を提示することなのかなあと黒いだるまを見ながら思いました。その意味では、藤森先生の「見守る保育」もあの斬新な新宿の保育園も見事にデザインされていると感じるのは私だけではないでしょう。
「デザイナーズマンション」という言葉はチラシや街の看板などでよく見かけます。どのマンションもデザインが個性的で素晴らしいです。いつかは住んでみたいと見るたびに思ってしまいます。そして写真の「DESIGNER’S DARUMA」は驚きました。ですが赤色から黒色から変わるだけで、こんなにモダンになるとは思ってもいませんでした。色々な物に色がありますが、その色を思い切って変えてみることによって、良い物を更に良い物に変化するのですね。
デザインは重要です。何が重要かといって、それは私たちの暮らしを豊かにしてくれるからです。「デザイナーズマンション」もおそらくそのコンセプトは「暮らしの豊かさ」でしょう。通販商品にも近年殊にデザイナーズグッズが紹介され、かつては特定のショップでしか扱わなかったであろうモノを日本全国どこにいても購入することができるようになりました。オジサン年齢に達した私もこれからはいよいよデザインを意識した生を送ってみたい、と最近思うようになりました。藤森先生のおかげです。お嬢さんに贈って頂いたという「DESIGNER’S DARUMA」、すごく素敵です。赤いダルマさんは抵抗があって強制された「努力」を連想しますが、このDARUMAさんは因果応報に従って生きることの正当性を自然に教えてくれます。貴重な誕生日プレゼントですね。