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2008年04月26日 新聞記事より

猫と獅子

 先日、園のベランダに置いてあるマットを持ち上げてみたら、その隙間に子猫が5匹眠っていました。どこかの猫が子猫を産んだようです。どうしようかと職員で話し合ってりのを遠くから母親猫が心配そうに見つめていました。その子猫の処分をどうするかをみんなで話し合おうということにして、とりあえずそっとしておきました。その次の日、どうしているか覗いてみると、一晩のうちに母親猫がすべての子猫を一匹ずつくわえて、どこか誰もわからないところに移してしまっていました。
読売新聞に、猫に関する言葉が掲載されていました。一つ目が「茨城県では10億円もの巨額の猫ばばが露見した」という4月24日付の「よみうり寸評」です。
「〈猫ばば〉――悪事を隠して素知らぬ顔をすること。拾い物、預かった物などを自分の物にして知らん顔をすること。着服、横領だ。この意味は広く知られているが、〈ばば〉の語源には糞(ばば〉説とともに婆(ばば)説もある。前者はネコが後足で砂をかけて隠すところから。後者は江戸の本所に住んでいたネコ好きの老婆が欲張りだったからという説だ。)しかし、猫が自分の糞に砂をかけて隠すのは、何を悪事を隠すためではないのに、えらい迷惑ですね。また、もうひとつの説でも欲張りなのも、猫ではなく、猫好きの老婆ですので、これも猫が欲張りなわけでもありません。しかし、猫ばばというと、猫がズルいように聞こえます。
もうひとつの記事は、横領ではなく万引きについてネコ科の獅子についての4月25日付け「編集手帳」です。万引きを取り押さえられた者のなかには小学生もいて、引き取りに来てわが子を叱らず、「金を払えばいいんだろう」と開き直り、「なぜ取りやすい場所に置く」と店員を責める親に対して、「太平記」巻16の一節の「獅子、子を産んで三日を経る時、数千丈の石壁より是をなぐ」という子の成長を祈る親の厳しい愛情を例に挙げています。
 この一節は、楠正成が長男である当時11歳の少年であった楠正行に櫻井宿でさとす場面として有名です。「ライオンは出産の3日後、わが子を高さ数千丈の断崖から投げ捨てると言われている。もし、その子に百獣の王に育つべき素質があるならば、誰に教えられるともなく、空中から跳ね返って、墜落死しない。」と言って親子が東西に分かれていくのです。これは もとは古い中国の故事で、獅子とは清涼山という山に棲む架空の聖獣で、アフリカのライオンの事ではないのですが。
太平記といえば、遊和軒朴翁の語った古代インドの逸話の中に親子の情を描いた場面でこんなのがあります。
 妻とわが子を取られた獅子の化身である獅子王が、乱暴の限りを尽くし、その首に賞金をかけられます。そんなときにわが子と再会します。そして、わが子に手柄を立てさせるために、自分を討つように涙ながらに言います。
 「生きているものすべからく、わが命を惜しむは、わがいとし子の為を思っての事。そなたが一国の主となり、その栄華がわが子々孫々に及ぶとならば、この期に及んでわが命、なんで惜しむはずがあろうか。太子よ、速やかにその弓を引き、矢を放ってわしを射殺せ。そして、恩賞に預かるがよい。」
 わが子を思う親の気もちは世の常ですが、何をすることがわが子にとって良いことなのか難しいことですね。

投稿者 fujimori : 2008年04月26日 22:53

コメント

 保育園のマットの隙間に猫が赤ちゃんを産むとは、本当に驚きますね。よほど、その場所が暖かくて静かだったのですね。
 ブログに書かれた獅子が自分の子どもを崖に突き落とす話は聞いた事があります。架空の話しだとしても生後三日で突き落とすのは、さすがに無理がある気がしますが、現実の動物の世界でも産まれてすぐに自分で立たないと食べられてしまいます。動物の世界の親子関係というのは本当に厳しいと改めて感じました。逆に現在人間の親子関係はどうなのか?と考えると、少子化が進み、一人の子ども親が何でもしてあげたり与えたりと、やたら甘やかしすぎのような気がします。もう少し動物の親子関係まではいかないとしても、私は少し厳しくてもいいような気がします。

投稿者 Sasuke : 2008年04月27日 19:28

何が子どものためかというのは本当に難しい話ですね。いろいろ考えるんですが、親だけでは難しくなる一方だと思います。もちろん親がどう接するかは大切ですが、親以外の家族や地域の人そして社会全体で1人の子どもにどう関わるかと考えなければいけないように思います。そうは言っても親の考え方は重要ですね。なんだか混乱してきました。難しい問題です。

投稿者 あいやま : 2008年04月27日 22:54

11日に行われた東大の入学式の講演で、建築家の安藤忠雄氏が「東大生よ!親離れをしろ!」と喝を入れたというニュースが流れていました。集まった新入生約3200人に対して「自己を確立しない限り、独創性は生まれない」と自立を促すとともに、新入生の1.5倍以上も集まった父兄に対しては「自立した個人をつくるため親は子供を切り、子は親から離れてほしい」と過保護な親子関係に苦言を呈したといいます。藤森先生も「見守る育児」の中で「親」という字が「立」と「木」と「見」という字からできていると書いていらっしゃいます。親というのは立木の後ろから子どもを見守っているものだという・・・。少子化は子どもの育ちだけでなく、親の子育てのありかたまで変えてしまっているようです。

投稿者 yamaya49 : 2008年04月28日 17:46

園の子猫のことは学童に通う子どもたちも少なからず関心を持ったようで、そのうちの1人が親猫がどこかに行ってしまって可哀相だから子猫を家で引き取って飼いたい、とお母さんに頼んだそうです。結果としては、「どこかに行った」と思っていた親猫が子猫を「引き取り」?に来て一件は落着したのですが。子猫を飼いたいと母親に頼み込んだ学童の男の子が以前に比べてとてもやさしい子に変ってきたことが私としてはとても嬉しいことでした。「横領」の比ゆに使われた「猫」は確かに気の毒です。「化け猫」としてお化けにされたりしますからもっと大変です。さて、「万引き事件」の親の対応には愕然とさせられます。幼保小中高は総力を挙げてこうした「親」を輩出しないように努力すべきでしょう。

投稿者 toshi0324 : 2008年04月29日 18:08

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